【ぎがもえか連載】エッセイ#02 | コンビニ

2025年12月18日

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1st Album『all ok』から約2年。出産を経て母となったぎがもえかの新章幕開けを記念して、OTOTSU独占でエッセイ連載がスタート。彼女のあたたかさと芯の強さを感じる日々の様子を、ゆったりとお楽しみいただきたい。

文：ぎがもえか
編集：清水千聖 (OTOTSU編集部)

コンビニのスイーツや食べものが好きである。

健康志向の強い方には、添加物に注意だよと指摘されそうだ。しかし、コンビニで買い物することを制限したら、わたしの心の健康を保証できない。

長い付き合いの友人が、コンビニフードの商品開発をしていた。彼女とごはんに行くと、いつも美味しそうに食べて喜ぶ姿を見せてくれて、その姿を見ているこちらまで幸せになった。そんな、美味しいものに敏感な彼女が仕事を頑張っている話を聞くようになってから、ますますコンビニのごはんやスイーツを楽しめるようになった。

さらに後押ししたのが、TBSの「ジョブチューン」という番組内の企画を観たことである。

コンビニの自信のある商品を、プロの職人が評論していくという企画で、家で観ていた夫とわたしは釘付けになった。

商品を開発した担当者が、この値段でどういったクオリティを目指したか、どんな努力があったかなどを説明し、シェフはひとくち食べると驚いたり首をかしげたりする。シェフたちの発言は、美味しい美味しくないというところではなく「もっとこうしたらこう良くなるのでは」と話したり、「ここをこう作っているから美味しくなるんですね」、と具体的な見解を話したりするのだが、そのコメントが、商品を”これからもっと美味しくなる可能性のある商品”として引き立てている。TVの前で観ている夫とわたしは、「こりゃ美味しいね、間違いない、今すぐに買いに行きたい」と、ひとくちも食べずとも美味しい気分を胸いっぱいに感じるのであった。

どんなものにも、作られるまでに様々な過程がある。ひとつずつ手作業で作られるお菓子にはその労力が、工場でたくさん作られるお菓子にはその作るシステムを考える労力がさまざま交差していて、わたしに、”美味しそうでわくわくする、美味しくて嬉しい！”という感情を運んでくれる。

わたしは、差し出がましいが、ライブをしたり音源を作ってリリースすることによって、だれかの生活の一部分に良い影響を与えることができたらうれしいな、という気持ちを持ちながら続けてきた。自分が人生を頑張る意味を、音楽の存在によって見出してきた。

好きなものを好きでいる心は、人生を明るい方へと築き続けるし、人の役に立てたらいいな、という気持ちは、自分を支えてくれる。と思いながら、今日の休憩時間に買いに行くおやつに、思いを馳せる。

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幼少よりクラシックピアノを弾いたのちに、ガットギター弾き語りを主なスタイルとし、シンガーソングライターとしての活動を始める。2019年にEP『メイクアップ』(自主制作)、2021年に配信シングル『敵わない』(LD&K)等の楽曲を発表する。2023年より夫であり鍵盤奏者の大山りょうと、音楽レーベル「八百万」(YAOYOROZU)を始動。その他、CM歌唱やコーラスワークにも積極的に取り組む。

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