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BAY FM『78 musi-curate』diskunion zone連動、moe the anvilによるコラム「DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #3」

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毎週水曜日 27時に放送、BAYFM 『78 musi-curate』の選曲を担当するdisk unionのプレイリスト番組。DJ/NEW WAVE伝道師のmoe the anvilによる選曲と、ピックアップした楽曲解説コラム「DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #3」をアップ。

O.Aリンク
「78 musi-curate」
bayfm78 | 2023/02/15/水 27:00-28:00
https://radiko.jp/share/?sid=BAYFM78&t=20230216030000

【DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #3】
『”スパークスと日本” アート・オブ・テクノポップ』

DJ/音楽コラムニスト、平成生まれの70’s & 80’s NEW WAVE伝道師moe the anvil(モエ・ジ・アンヴィル)です。
bayfm『78 musi-curate』Diskunionゾーンでは月1回、今みんなに聴いてほしいNEW WAVEアーティストにちなんだ色んなことを語っています。連動したこちらのコラムでは、放送後記やこぼれ話、プレイリスト楽曲解説などを気まぐれにお届け。

DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #3 PLAYLILST

今回の放送では5月の来日が決定した変態兄弟バンド、スパークスを特集。
50年以上に渡る活動で変化を続けた音楽性の中でも最も特筆すべきテクノポップ期の作品を紹介しました。

当時ロックバンドでエレクトロ・ディスコをやった、多分いちばん早いバンドのひとつ。もちろん今のテクノやニューディスコにも繋がるその世界観は数多のニューウェーヴバンドたちの教科書となり、先日お亡くなりになってしまった高橋幸宏さんのドラムやYMOの『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』なんかは思いっきりスパークスの影響下にある音なんです、ということを話しました。

と言ってもスパークスとYMOは80年代からLIVEなどで交流も盛んだったし、リスペクトし合っていたのは一目瞭然なので一方的にパクられたという気持ちは多分無かっただろう、とは思います(笑)。

そもそもスパークスは筋金入りの日本オタクで、異様なまでに日本のサブカルに詳しいのみならず、実は20~30年前から足繫く日本に来ては、(主にニューウェーヴ系の)日本のアーティストたちとしょっちゅう遊んでるのだとか。私の先輩から聞いた話では、その当時、いつぞやの大晦日に渋谷でスパークス兄弟に遭遇したところ「これからサロン・ミュージックが主催するパーティに行く」とか言ってたらしい(笑)。

実際サロン・ミュージックはスパークスの来日公演で前座もやっていたし、YMOファミリーでもあるし、なにより当時の日本ではカルト中のカルトな存在であったスパークスだったら渋谷の街を歩いていても誰も気づかないし、全然あり得るよなぁと思えるエピソードである。

Salon Music

去年の来日時は寅さんファンを公言したり、LIVEの客入れセレクトが日本人でも知らないカルトGSばかりで変態すぎると話題にもなりましたね。

大晦日にはまた日本に遊びに来ていたようで、“柴又で聖地巡礼なう“と敬虔な寅さん信者をアピール。ここまで来ると、さすがに奇跡のリバイバルブーム(もしくはデビュー50年目にして初の本格的ブレイク)を果たした今では、スパークスと日本の只ならぬ関係を怪しみ始める人が増えている昨今である。

ミステリアスな方が面白いでしょ、といって頑なに私生活を明かさない御年77歳と74歳のファンタジックおじいちゃん兄弟なんですが、そろそろ隠しきれない事実が明らかになる時が来るかもしれない(笑)。

…というのはヨタ話として。まあそれも、デビューから50年以上かかり、当初の彼らの予定とは違った形ではあるかもしれないが、スパークスがやっとこれほどまでに脚光を浴びたからであって。

それまで、なかなかスターになれない“超ベテランなのにカルト”な存在であることが、ある意味「推し」的な俺だけ感をファンに抱かせていたのだけども、今ではあらゆる変態音楽ファンにとっての“みんなのスパークス”になりつつある。その、ちょっとした寂しさと、それを凌駕するアツい感動。やっと、時代がスパークスに追いついたのであります。

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今回のプレイリストは、テクノポップ期のスパークス絡みのニューウェーヴから、やっぱり外せないグラムロック期の周辺作を中心にセレクトしてます。

実はスパークスのバックバンドになるはずだった予定が頓挫したミック・ロンソンや(これにより痛手を負ったのは勿論スパークスのほう)、モリッシーの尽力による再発を経て数十年ぶりに陽の目を見たアメリカのカルト・グラムロック・シンガー、ジョブライアスなど。

余談ですが、モリッシーのこうしたリバイバル活動は彼のお仕事の中で最も素晴らしいと個人的に思っています。伝道師としてこの姿勢はお手本にしたい所ですね。

10代から70・80年代Punk/New Wave/ニューロマンティックに傾倒したことをきっかけに2017年よりDJキャリアをスタート。 J-WAVE番組イベントへの出演等を経た後、2018年からはディスコミュージックを中心にプレイ、アンダーグラウンドシーンにおいても、大貫憲章、松田高志、DJ MIKU、牧野雅己といった元新宿ツバキハウスDJとの共演などを重ね、プレイスタイルに磨きをかけていった。その傍ら、延長に派生したと解釈するIndie Dance / Dark Disco / Leftfield等をプレイ。 現在、都内唯一のNew Wave イベントである”New Wave Lounge”を主宰、主要クラブや野外ダンスパーティーGLOBAL ARK等へ出演するほか、活動はフロアでのプレイに留まらず、ラジオ番組レギュラー出演・音楽コラム執筆を通し、平成生まれの後追い世代ならではの多角的なアプローチ、ノスタルジックな雰囲気を残したセレクトで、幅広い世代に今昔のNew Waveサウンドを伝道する。

YouTube 【DIVE INTO NEW WAVE】

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