ジェフ・パーカーには、いくつかの顔がある。ジャズ・ギタリストとして、ブライアン・ブレイドやジョシュア・レッドマンからシカゴのAACMまで、シーンやテリトリーを横断して演奏活動を続けてきた。また、トータスのメンバーとして、即興のないポストロック・サウンドを作り上げた。そして、近年は『The New Breed』と『Suite for Max Brown』のリリースによって、プロデューサー/ビートメイカーとしても新たな注目を集めるようにもなった。そんなジェフ・パーカーが、2021年末に発表したのがソロ・ギター・アルバム『Forfolks』だった。彼の音楽性のすべてが集約されているような、この魅力的な作品と、そのキャリアも振り返る話を訊いた。このインタビューは、2021年12月のスティーヴ・ガンとのツアーの最中に実現した。
インタビュー・構成:原 雅明
インタビュー・通訳:バルーチャ・ハシム
編集:三河 真一朗(OTOTSU 編集担当)

photo by Lee Anne Schmitt
ー 今日は何処でライヴをやったのですか?
Jeff Parker(ジェフ・パーカー)– アトランタでのライヴだった。ちょうど機材を片付けているところだよ。
ー『Forfolks』の話を中心に伺いたいのですが、ソロ・ギターのアルバムを作るアイデアは、以前から温めていたのでしょうか?
2016年に『Slight Freedom』というソロ・ギター・アルバムを、Eremite Recordsからリリースしたことがあったんだ。ソロ・ギターのみで作品を作るというコンセプトは、そこから始まった。
ギターとエフェクト・ペダルを使って、ドローンやループ演奏を取り入れた即興ができる環境を作りあげて、その中で演奏したかった。International Anthemのスコッティ・マクニースから、今の自分を反映させたギターのソロ・アルバムを作って欲しいという依頼があったんだ。『Slight Freedom』は、作曲された曲が主体になっている作品だ。『Forfolks』は即興の比重が多かった。ほとんど作曲せず、同じ機材のセッティングの中で、それぞれの楽曲で音の世界観を作り、その中で演奏したかった。それが『Forfolks』のアプローチだった。
ー 「今の自分を反映させた」とは、具体的にどういうことでしょうか?
『Slight Freedom』を制作した時は、自分の音響空間を作るために、まだ試行錯誤している状態だった。ここ数年の間に、ソロ・ギターを演奏するための自分なりにテンプレートを編み出すことができたから、それを『Forfolks』でさらに発展させることができた。それが大きな違い。『Slight Freedom』では自分なりの言語を開発したばかりの時期で、『Forfolks』ではやっとその言語を話せるようになった感覚かな。
ー『Forfolks』を録音するに当たって、思い描いていたヴィジョンを教えてください。
スコッティから依頼された時、最初はホームスタジオで一人で録音しようとしたけど、僕のレコーディング技術は初心者レベルだった。エンジニアがいないから、録音状況をチェックしてくれる人がいなかった。自分の演奏を録音しても、なぜか録音された音源には、音楽性が欠けていた。それが何度も続いたんだ。ループ・ペダルを使うけど、ループ・ペダルの音は一つのトラック、ギターの生演奏は別のトラックに分けて録音したかった。そうすることで、より立体性のあるサウンドにしたかったんだ。マルチレイヤーのリスニング体験を提供したかった。その作業を一人でやることが難しいということに気づいて、グラム・ギブソンというエンジニアに来てもらったんだ。
ー ホームスタジオでの録音ゆえに、実現できたということはありますか?
慣れた環境の中で録音できてやりやすかったよ。1999年に買ったBoomerang Phrase Samplerというループ・ペダルを20年間ずっと使っているけど、Aux Outがあるから、ペダルの音だけを別のチャンネルに録音できる。そうすることで、ギターとペダルの音を個別にミックスの中で調整できた。同時にいろんな音を出しているから、コントロールしづらい状況だけど、それぞれのデバイスの音を別々のトラックに録音することで、音楽性豊かなサウンドに仕上げることができた。

ー ループ・ペダルの音と、ギター・ソロは別々に録音したということですか?
リアルタイムで演奏を録音したよ。オーヴァーダビングは一切していない。ライヴ・パフォーマンスをそのまま記録したんだ。
ー1曲に、音のレイヤーはどのくらい重ねたのでしょうか?
3つか4つくらいかな。このループ・ペダルはサンプラーと同じで、リアルタイムで音をミュートしたりできる。音の追加、取り消しができるから、たくさんの音がペダルから出入りしている。ペダルの機能を駆使して即興しているような状態だよ。ディレイ・ペダルも使っているけど、そっちの音はまた別のサンプラーに通して、それをさらに別のサンプラーに通すこともある。そこから、さらに音量を調整したり、ミュートしたりできる。そんな即興のプロセスを使って、本当に音響空間を作り上げているような感覚なんだ。
ー オリジナル曲は、全て即興ですか?
即興で作った曲もあれば、事前に構成を考えてあった曲もある。“Forfolks”は昔作った曲で、ソロ・パフォーマンスのためにアレンジしてあった。“La Jetée”はもともとアイソトープ217°、トータス、シカゴ・アンダーグラウンドと録音した曲だけど、ソロ・ギターのためにアレンジした。大体の曲は、アレンジを考えてあった。でも録音の最中はあまり考えずにその場で即興しながら演奏して、その演奏をそのまま記録したんだ。
ー それぞれの曲は、何テイクくらい録ったんですか?
即興が多かったから、演奏したものをそのまま使っただけだよ。“La Jetée”は、確か2、3回演奏したと思う。“My Ideal”や“Ugly Beauty”も数回演奏してみて、そのうちの一つのテイクを使った。大体の曲は、1、2テイクだった。それぞれの曲は、時間をかけて作り込んだわけじゃない。即興性を保ちたかった。演奏をありのままの状態で届けたかったし、人間臭い作品にしたかった。自分も完璧な人間じゃないから、それを反映させている。演奏したものにフィーリングと空気感を持たせたかったんだ。
ー 録音中に、ピッキングとかで失敗しても、それをそのまま使いたかったということでしょうか?
その通り。根底にあるアイデアを表現することの方が大切なんだ。完璧なサウンドにはしたくなかった。
ー ジャケットの写真を見ると、GibsonのフルアコES-150が使われているようですね。このギターを今回選んだ理由は? また、どのようなペダルを使ったのでしょうか?

GibsonのES-150は、録音の時にしか使わないギターで、ツアーには持っていかないんだ。今作の多くは、Gibson ES-335で録音した。1983年のモデルで、これが僕のメイン・ギター。ES-150は1950年のモデル。ペダルは、Boomerangループ・ペダル、Maxon Graphic EQ、1986年から使っているBoss RV3というリヴァーブとディレイ・ペダル、BossのFenderリヴァーブ・ペダル、ZVEX Fuzz Factory、Moogerfooger Ring Modulator MF102、Small Stone Phase Shifter、Crowther Hot Cakeのディストーション・ペダル、Electro-Harmonix Freeze、Morley Wah Volumeペダルなどだね。
ー GibsonのES-150とES-335の2本がなぜ、お気に入りなのですか?
ES-335はどんなスタイルの音楽も演奏できる。僕は、ギターをたくさん集めるタイプの人間じゃない。昔、このギターを買った時は、そんなにお金もなかったから、このギターばっかり使っていた。他のギターを試してみても、自分にとっては演奏しづらいと思ってしまったんだ。だから、結局ES-335にいつも戻ってしまう。ES-150はサウンドが素晴らしいんだけど、演奏しづらい。
それに、一つのサウンドしか出せないギターだ。ES-335でやっているようなフィードバックとかサステインを効かせた演奏法、弦をこする演奏法など、エレキ・ギターらしいプレイは、ES-150には向いてない。サイズが大きいし、すぐにフィードバックが発生してしまう。でも、ES-150のピュアなギター・サウンドは美しいよ。
ー どの曲をどのギターで演奏したのですか?
最初の2曲は335、“Forfolks”は335。“My Ideal”はES-150。“Suffolk”、“Flour of Fur”、“Ugly Beauty”、“Excess Success”は335、“La Jetée”はES-150。
– マーガレット・ホワイティングが歌った“My Ideal”をカヴァーした理由は? また、この曲の他の人のカヴァーでお気に入りはありますか?
美しい曲だし、この曲のメロディが大好きなんだ。トランペット奏者のケニー・ドーハムの『Quiet Kenny』に収録されているこの曲のカヴァーがお気に入りだね。歌詞も大好きで、メロディとの組み合わせが素晴らしい。よく構成されたポップ・ソングだと思う。この曲は昔から演奏しているんだ。バンドと演奏したこともあるけど、ソロで演奏することが多かった。この曲ではペダルをほとんど使わずに、本当にソロ・ギターのアレンジメントとして演奏した。
ー “Ugly Beauty”をカヴァーした理由も教えてください。セロニアス・モンクには特別な思いはありますか?
モンクは僕にとって最高のミュージシャンだし、一番好きな作曲家でもある。音楽史における最高の作曲家と言っても過言ではない。昔から憧れている音楽家であり、長年彼の音楽を研究している。“Ugly Beauty”は、“My Ideal”と同じく素晴らしい作曲だ。“Ugly Beauty”は作曲されたままの状態で演奏したけど、Freezeペダルを使って後半から趣向を変えてみた。録音ボタンを押したときに、「何を演奏しようかな?」って考えていて、「じゃあ、“Ugly Beauty”を演奏してみようかな」と思いついて演奏してみた。Freezeペダルを使ったらどうなるかなと試してみたら、まるで教会の中で演奏しているようなサウンドに仕上がった。“Ugly Beauty”という曲名そのものに、様々な皮肉やシンボルが含まれている。
モンクはいつも逸脱した演奏をしていたから、「ちゃんと演奏できるのか?」と思われることが多かった。でも、彼の音楽はよく練られている。彼は時代の先を行ってて、みんなに理解されなかっただけだ。みんなは彼の音楽を醜い(Ugly)と思っているけど、実際は彼の音楽は美しい(Beautiful)。“Ugly Beauty”という曲名は、彼だけではなく、僕の音楽に対する美学を凝縮しているかもしれない。
ー この曲は、あなたの友人でもあるカート・ローゼンウィンケルもカヴァーしていました。それは聴きましたか?
彼もカヴァーしてたの? 知らなかった(笑)。
ー “La Jetée”を今回取り上げた理由は?
ドラマーのマイク・リードが、シカゴのミュージシャンの作曲が含まれた『The City Was Yellow: Chicago Jazz and Improvised Music 1980–2010』(https://www.thecitywasyellow.com/)という本を書いたんだけど、ピアニストのジェイソン・モランが、その本の楽譜を使って、“La Jetée”をソロ・ピアノでカヴァーした録音を送ってくれたんだ。彼のような優れたミュージシャンがとても美しくカヴァーしてくれて、とても光栄だった。
僕はこの曲をしばらく忘れていたんだけど、そのピアノのカヴァーを聴いて、「いい曲じゃん!」って思って(笑)、自分でも演奏しようと思ったんだ。そこから、ソロ・ギターで演奏する方法を編み出した。とてもシンプルなカヴァーで、エチュードみたいなものなんだ。ハイ・パートとロー・パートがあって、クエスチョン&アンサーみたいな構成になっている。前もって構成は考えてあったから、録音してみたんだ。それにファンが知っている曲だから、喜んでくれるかなと思ったんだ。


ー この曲は、映画の『ラ・ジュテ』からインスパイアされたんでしたよね。
そう。それに、フランスの作曲家エリック・サティにもインスパイアされた。サティとクリス・マルケルの映画がインスピレーションになった。
ー 新宿ゴールデン街のバー、ラ・ジュテにも行ってましたよね?
もちろん。東京に行くと必ず行くよ(笑)。
ー “La Jetée”は、しばらくギターで弾いてなかったということですね。
そうだね。もう何十年も演奏してなかった。トータスでもこの曲を演奏してないしね。
ー 日本限定帯仕様盤のボーナス・トラックは、アンビエントといってもいい作品だと思います。この曲が生まれた背景について教えてください。
これは即興から生まれた曲なんだ。レコーディングした時のことはあまり覚えてないんだけど、スコッティに「この曲を日本盤に入れたいんだけど、どう?」と訊かれて快諾したよ。このアルバムの曲を録音した時は、いろいろなインスピレーションがあって、とても開放感を感じていた。自分のギターと機材だけでクリエイトできて、それを腕のいいエンジニアに録音してもらえたから、素晴らしい体験だった。このボーナス・トラックは、同じレコーディング・セッションのもので、このアルバムは1日で録音したんだよ。

ー ボーナス・トラックも『Forfolks』の本編もアンビエント的な要素を感じますが、アンビエントからは具体的な影響はありますか?
もちろん。昔からアンビエントは聴いてるけど、ここ10年、15年はブライアン・イーノ、クラスター、ロバート・フリップのようなアーティストが大好きなんだ。ドローン、反復を多用した音楽にとても影響されている。テリー・ライリー、ドン・チェリーも大好きだし、僕にとって大切だよ。自分のソロ・ミュージックを作る上でとても参考になる。ループとドローンに関して言えば、J・ディラ、DJプレミア、ピート・ロックなどのヒップホップにも影響されている。良いグルーヴさえ見つかれば、ゾーンに入り込める音楽なんだよ。良いループを見つけて、そのサウンドの中に没頭するアプローチは、僕のソロ作品、ザ・ニュー・ブリード名義の音楽にも影響を与えている。
ー『Forfolks』の帯には「Bare but brilliant, subtle solo guitar exercises bridge the old with the unheard & make new standards for the front porch of the future.」と記載があります。古い音を再発見し、新しいスタンダードを作るという意図はあったのでしょうか?
それはあるね。僕にいろいろ教えてくれたり、育ててくれた先人のミュージシャンはいるし、ブラック・ミュージック、アメリカン・ミュージックの伝統を学んできた。僕はそういう音楽の系譜の一員であるという意識はある。それでいて、僕は現代に生きているという意識はあるし、過去の音楽を再現しようとしてるわけじゃない。クリエイティヴな意味で、そしてモダンな視点から、音楽を進化させたいという意識はある。古い音楽、伝統の音楽に、新しいコンテキストを与えたいと思ってるんだ。
ー その考えは、Nonesuchの音楽性にも合致していると感じられます。本作はInternational AnthemとNonesuchとの共同リリースですが、Nonesuchというレーベルについての見解を訊かせてください。
Nonesuchはアイコニックなレーベルだし、彼らが共同リリースしてくれたことは光栄に思ってるよ。Nonesuchはクラシック、現代音楽を含む重要な音楽をたくさんリリースしてきた。ベテランのアート・ミュージック・レーベルだと認識しているから、リリースしてくれたことは光栄だよ。
ー あなたは最初のソロ・アルバム『Like-Coping』で、「全体としての素晴らしさがあることが大事であり、モダン・ジャズの概念の中で一番の問題だと思うのは、個人の才能ばかりに目を向け、アンサンブルとしての正しい評価を後回しにしてしまっているところである」と述べていました。この考えはいまも変わりませんか?
当時から少し状況は変わったと思う。一つの共同体という意識を持っているジャズ・グループも増えた。僕が当時そういう発言をしたから、この変化に貢献したとは思わないけど、確かにシフトはあったと思う。モダン・ジャズの多くは、今も個人のアーティストの能力にフォーカスした仕組みになっていて、リスナーもそれを求めている。ファンは一人のミュージシャンを応援して、「あの人のソロが最高だった!」とか言いたいんだ。僕の音楽に対するコンセプトは昔からそれとは正反対だよ。ソロであっても、グループと一緒に演奏していても、一人のミュージシャンの貢献よりも、音楽の中で表現しているアイデアの方が大切なんだ。
ー『The New Breed』と『Suite for Max Brown』は、それ以前のあなたのソロ・アルバムにあるアンサンブルとは違い、プロデューサー/ビートメイカー的にあなたが最終的にコントロールして出来上がった作品でした。そこにはどのような変化があったのか、改めて訊かせてください。
前からああいう音楽を作りたくて、実際にあの2枚の作品を作る10年、15年前から構想はあったんだ。International Anthemのスコッティとデイヴィッドと出会って、マカヤ・マクレイヴンがちょうど『In the Moment』をリリースした時期だった。あのアルバムは、僕が構想を練っていたような作品とアプローチが似ていた。それで、彼らと協力すれば、これらの作品をリリースできるんじゃないかと思ったんだ。即興とビートを融合させた自分なりのアプローチだった。『Bright Light in Winter』と『The New Breed』の間は5年も空いていた。そういうアイデアを温めていて、それを形にするチャンスが回ってきたんだ。『The New Breed』と『Suite for Max Brown』は、DelmarkやThrill Jockeyからはリリースできなかったと思うんだ。
ー『The New Breed』と『Suite for Max Brown』は日本でもとても高い評価を受けました。あなたはこの2作品で成し得たこと、今後の活動に与えた影響について、どう考えていますか?
この2枚の作品をリリースすることで、新しいプロジェクトが生まれたよ。ザ・ニュー・ブリードは、ビートメイキングとジャズを組み合わせる時の名義になってるんだ。こういうタイプの音楽を作ることがすごく楽しい。他のタイプの音楽を演奏するのも好きだけど、ああいう音楽が好きなオーディエンスもいるから、これからも続けていくよ。
ー『JP’s Myspace Beats』もビートにフォーカスした作品でしたが、あれはいつ制作したのですか?
あの作品のビートは昔作ったものだった。ReasonとかAbleton Liveのバーチャル・サンプラーを使ってビートを作ってたんだ。ヒップホップをどうやって作るのか、自分なりに研究しだして、作るようになった。その制作プロセスを知りたくてやり始めたんだ。そこから作ったビートをMyspaceで公開するようになって、良い反応も得たよ。でもその後にMyspaceは下火になった。何時間分もの未発表のビートが溜まってた。『JP’s Myspace Beats』に収録されてないビートもまだたくさんある。『JP’s Myspace Beats』でビート作りを学んだことで、『The New Breed』と『Suite for Max Brown』の制作にも繋がったんだ。


ー『The New Breed』と『Suite for Max Brown』を制作したことで、『Forfolks』を録音したいという気持ちになったところもあるのでしょうか?
いや、その2枚のアルバムをリリースした後に、Eremiteから『Slight Freedom』をリリースして、スティーヴ・ガンとのツアーも決まって、それが今やっと実現したんだ。International Anthemのスコッティが、「ソロ・ギターをまた録音して、ツアーで売るといいんじゃない?」と提案してくれた。彼が言わなければ、『Forfolks』は録音しなかったかもしれない。彼がアイデアを出してくれたし、曲順も決めてくれた。だから、彼をこのアルバムのプロデューサーとしてクレジットしたんだ。
ー スティーヴ・ガンとのツアーではどのような演奏をしているのですか?
今回のツアーは、一人でソロ・ギターを演奏している。スティーヴ・ガンはギター1本と歌だけ。スティーヴのマネージャーのアイデアだったんだ。2017年にスティーヴと一緒にライヴをやって、お互いの音楽が好きだから、一緒にツアーしたら面白いんじゃないか、ということになった。アメリカでパンデミックからまだ状況が完全に再開していない時期に、ツアーのアイデアが決まったんだ。二人でバンに乗ってツアーしてる。オーディエンスの反応もすごくいいし、楽しいよ。お客さんがマスクをしてる状態でライヴをやったり、まだ用心しないといけない状況だから、ちょっとヘンな感じだけど、お客さんの前でまた演奏できて嬉しいよ。

ー カルロス・ニーニョのライヴで、あなたがエスペランサ・スポルディングとやった演奏も良かったです。
ありがとう。エスペランサは数年前に知り合ったんだ。僕はハイランド・パークのETAという会場で、毎週月曜日にセッションをやってて、エスペランサはそこに何度か遊びに来てくれた。それで仲良くなったんだ。そこから彼女と一緒に演奏するようになった。彼女はポートランドに住んでて、ウェイン・ショーターとオペラを手がけるためにLAに通っていた。その時期に彼女は僕の家に来て一緒に演奏するようになった。彼女は、カルロスのライヴの数日前にLAに到着して、お客さんとして観に来る予定だった。それで一緒にライヴをやろうと誘ったんだ。彼女は快諾してくれた。ライヴの良い録音も残ってるよ。彼女とはまだ作品を録音したことはないんだ。前からそのアイデアは話しているんだけどね。

ー 現在、あなたの固定のバンドはありますか?
ザ・ニュー・ブリードのメンバーは、アルトサックスとキーボードのジョッシュ・ジョンソン、ベースのポール・ブライアン、ドラムはジャマイア・ウィリアムスかマカヤ・マクレイヴンだ。それが僕のバンドだね。
ー 新しい録音や今後リリース予定があれば、教えてください。
今は『Forfolks』のリリースだけだよ。Blue Noteからリリースされたマカヤ・マクレイヴンの『Deciphering the Message』に参加してる。International Anthemからリリースされるジェイミー・ブランチとジェイソン・ナスリーのアンテローパーというグループの新作『Kudu』のプロデュースもした。ミックス、編集にも関わって、これまでの彼らのサウンドとは違う方向性に仕向けることができたね。
ー『Forfolks』について、特に日本のリスナーに伝えたいことがあればお願いします。
伝えたいメッセージは音楽に込められてるよ(笑)。それくらいかな。
お詫びと訂正:
日本限定帯仕様盤の『Forfolks』にライナーにおいて、「初のソロ・ギター・アルバム」と記載がありますが、レコードのみで限定リリースされた『Slight Freedom』に続く2枚目のアルバムとなります。ここにお詫びして訂正します。(原 雅明)
RELEASE INFORMATION

トータスのメンバーとして知られるジャズ・ギタリスト、ジェフ・パーカーの最新作は、メロディックな即興演奏と電子的なテクスチャーが融合した、圧巻のソロ・ギター・アルバム!!
JEFF PARKER
『Forfolks』
日本語限定帯仕様CD/LPには、日本語のライナーノーツと収録時間の都合でCDとLPに収める事ができなかった、ジェフ・パーカーお気に入りの未発表スタジオ音源のダウンロードコード付き!!
CD/LP
品番:RINC84(CD)RINR9/9C(LP)
レーベル : rings / International Anthem
OFFICIAL HP :
