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fox capture plan – 6月28日、東京・恵比寿LIQUIDROOM、全国ツアー「tour 2024″TRICOLOR”」のファイナル公演ライブレポート

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PHOTO BY Kayo Sekiguchi
TEXT BY 中山洋平

 4月の宮城・仙台MACANA公演を皮切りに行われた本ツアーは、全国8ヵ所の会場でライブが開催された。fox capture planが、LIQUIDROOMでワンマンライブを実施するのは、3度目で、ゲストミュージシャンを迎えずに行うのは今回が初めてとなった。この日の東京は強い雨が降る、生憎の天候となったが、ファイナル公演を待ち望んだ大勢のファンが会場に詰めかけた。

 スクリーンに映し出されたライブスタートまでのカウントダウンが0になり、観客から大きな拍手で迎えられたfox capture planは、「The Dawn Coming」からライブの幕を開けた。カワイヒデヒロ(B)の安定したベースラインと井上司(Dr)のアグレッシブルなドラミング、そして岸本亮(Key)の美しい旋律を奏でるピアノサウンドが一体となり、さっそくオーディエンスをライブの世界観に引き込んでいくと、流れるように「Acceleration」「Exceed the Limit」といったアッパーチューンを披露し、観客のボルテージを高めていった。

 ピアノが奏でる美しいイントロで幕を開ける「Akashic Xronicles」が終わると、続いての「Let’s Action」では、曲の終わりに井上が椅子から立ち上がって熱いパフォーマンスで魅せる。それに呼応するように観客は大歓声を上げていた。

 岸本の「fox capture planです! ツアーファイナル、みんなで最後まで盛り上がっていきましょう!」という掛け声からバンドは「FRAGILE #2」「Reincarnation」を畳み掛けるように演奏し、聴き入っていた観客のテンションもうなぎのぼりに。「Delight」ではカワイの幻想的なフレーズが印象的なベースソロに拍手が起こると、「white ambience」「地下の世界に流れる時間」が連続で披露され、会場はエモーショナルな空気に包まれた。

 最初のMCコーナーでは、盛り上がった会場の雰囲気を受け、カワイが「ファイナルっぽい雰囲気だね」と笑顔で手応えを明かす場面も。岸本は「いいですね。東京で結成したfox capture plan、LIQUIDROOMでツアーファイナル、ありがとうございます!」と集まった観客に感謝した。

 それから岸本が「今日は色々言いたいことがあるんですよ。我々、fox capture plan、新たな一歩を踏み出そうということで」と切り出し、バンドの自主レーベル「CapturisM.」を発足させることを発表した。このアナウンスに対し、オーディエンスは大きな歓声を上げ、3人の新たな門出を祝福した。

 さらにその新レーベルから新曲「Deep Inside」を7月31日に配信リリースすることを発表。それからバンドは、集まったファンのために一足早く、この日のために“視聴用”として短くアレンジされた「Deep Inside」のショートバージョンを披露し、疾走感のあるビートで会場を華やかに盛り上げた。

続けてJamiroquai「Virtual Insanity」のオマージュを取り入れた楽曲「夜間航路」を演奏し、再びフロアをあたためていくと、それからバンドは「Butterfly Effect」「Numb」「Paradigm Shift」を連続で披露。軽やかさと力強さが同居した圧巻の演奏でオーディエンスの心を鷲掴みにし、結成13年目の貫禄を見せつけていた。

 本編最後のMCで、岸本は「最初の1年目に、メンバーとメモ用紙に“何年後にはLIQUIDROOM”って書いていたんです。最初の内は騙し騙し活動しながら、2015年には(その目標を)実現しました」とこれまでのバンドの歴史を振り返りつつ、「やっぱりLIQUIDROOMでワンマンやると調子良いっすわ」とコテコテの関西弁で今回のステージについての感慨を伝えると、客席からはあたたかな拍手が起こっていた。最後に井上が「最後の1曲は撮りたい人は撮ってもらってOKなので」「撮った方は『#tour2024_TRICOLOR』を付けてSNSに追加しておいてください」と呼びかけ、新レーベルの名前にもなったバンドにとっての大切な曲「Capturism」を届けた。

 鳴り止まぬアンコールの拍手に応えるように再びステージに登場したfox capture planは「NEW ERA」を披露。曲の途中で、岸本はトレードマークのメガネを飛ばすほどの激しいパフォーマンスを繰り広げ、会場の視線を釘付けにしていた。最後のMCでカワイと井上が今後のライブ活動について言及しつつ「秋ぐらいにライブがあると思います。なので楽しみにしていてください」と呼びかけると、改めて岸本が「本日は大入で……お足元が悪い中、ありがとうございました!」と客席に感謝し、代表曲の1つ「疾走する閃光」をパワフルに奏でてライブを締め括った。

 オーディエンスに別れを惜しまれながらバンドがステージを去ると、場内に設けられたスクリーンには、7月9日に配信リリースされることが決まった「疾走する閃光(2024 NEW TAKE)」のMVがサプライズで流れた。これは10年前に発表した同曲を再レコーディングしたもので、MVにはfox capture planの3人が出演することはもちろん、当時の作品にも出演した俳優の小田切正代も登場。10年間の4人の成長をダイレクトに味わえる作品となっている。

fox capture plan「tour 2024 “TRICOLOR”」6月28日 恵比寿LIQUIDROOMセットリスト

01. The Dawn Coming
02. Acceleration
03. Exceed the Limit
04. Akashic Xronicles
05. Let’s Action
06. FRAGILE #2
07. Reincarnation
08. Delight
09. white ambience
10. 地下の世界に流れる時間
11. Deep Inside(Short ver.)
12. 夜間航路
13. Butterfly Effect
14. Numb
15. Paradigm Shift
16. Capturism

en1. NEW ERA
en2. 疾走する閃光

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