〈OTOTSU〉は、diskunion DIW によるデジタル・キュレーションサービスです。詳しくはこちら

BAY FM『78 musi-curate』diskunion zone連動、曲解説コラム「DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #2」

  • URLをコピーしました!

毎週水曜日 27時に放送、BAYFM 『78 musi-curate』の選曲を担当するdisk unionのプレイリスト番組。DJ/NEW WAVE伝道師のmoe the anvilによる選曲と、ピックアップした楽曲解説コラム「DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #2」をアップ。

O.Aリンク
「78 musi-curate」
2023/01/18/水 27:00-28:00 *タイムフリー1週間
https://radiko.jp/share/?sid=BAYFM78&t=20230119030000

【DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #2】
『”ヨーロッパの愛人”ファルコとNDW(ノイエ・ドイチェ・ヴェレ)とその周辺』

DJ/音楽コラムニスト、平成生まれの70’s & 80’s NEW WAVE伝道師moe the anvil(モエ・ジ・アンヴィル)です。
bayfm『78 musi-curate』Diskunionゾーンでは月1回、今みんなに聴いてほしいNEW WAVEアーティストにちなんだ色んなことを語っています。連動したこちらのコラムでは、放送後記やこぼれ話、プレイリスト楽曲解説などを気まぐれにお届け。

DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #2 PLAYLILST

今回の放送では、デビューアルバム”Einzelhaft”が発売40周年デラックス・エディションとしてリイシューされるファルコを特集。確実に1980年代世代じゃない人にとっては何それ的な名前。ネバーエンディング・ストーリーのファルコンとも違う(それも古い)。
でも最近、Netflixのドラマ『ストレンジャー・シングス』で、彼の代表曲かつ今なおドイツ語唯一の全米No.1ヒット曲である「ロック・ミー・アマデウス」が使われたみたいなので、聴いたことがある人も増えたかもしれない、オーストリアのファルコ。そう、ドイツじゃなくてオーストリアなのです。ドイツ語なのでいまだに勘違いされております。そんな小国オーストリアからビルボード制覇を成し遂げてしまったので、本国はもちろんその周辺諸国でも“ヨーロッパの愛人”という異名を取る国民的歌手なのであります。

そして、そのオーストリアの隣国ドイツでは70年代後半以降、Neue Deutsche Welle(ノイエ・ドイチェ・ヴェレ、以下NDW)=ジャーマン・ニューウェーヴ、と呼ばれるムーヴメントが隆盛を極めておりました。要するに同時期にイギリスを中心に栄えていたニューウェーヴのドイツ版です。ここでは広めにとってドイツ語圏のNEW WAVEをNDWとしましょう。

ドイツのニューウェーヴにはゲルマン魂由来の荒くれ方なのか超攻撃的なポストパンクが多くて、インダストリアル・テクノのお手本的存在であるDAFとか、クラウトロックの偉人が集結したスーパーバンドFahlfarbenなどといったバンド(どちらも今回のプレイリストにセレクトしてます)を指してNDWと呼ぶイメージが今も昔もあるのですが、実はそうした当人たちの間では、どうやらNEW WAVEから派生した実験性のかけらもない商業的なポップス、というのに対する蔑称だったらしいのである。まあおそらくファルコに対しても、こっちの意味でのNDWと呼んだ批評家も、いたりいなかったりしたのかも。

この辺の感覚の違いというのが面白くもあるんですが、もしドイツ人とNDW談義とかしようものならケンカになってもイヤなので、ちょっとセンシティブで面倒くさいですね。そもそもNEW WAVEファン自体がどの国でも面倒くさいものなんですが、それは彼らの熱さゆえなので、愛おしい部分でもありますね(笑)

Falco – Official US Trailer

というわけで今回のプレイリストは、いろんなNDWとその周辺諸国のニューウェーヴ、主にエレポップ編。
デヴィッドボウイ”Space Oditty”へのアンサーソングであるPeter Schilling “Major Tom”や、ドイツ発イタロディスコ、The Twins “Face To Face”(彼らが所属したレーベル、ハンザはJapanをいち早くドイツでリリースした)は日本のディスコでもめちゃくちゃパワープレイされた。
ずっとドイツ語だと疲れるので、スイスのYelloとか、フランス語で歌うベルギーのTelexとかもセレクト。どっちもヨーロッパの大御所エレポップなので(笑)。

あと、もはや全然関係ないですが、勢いでセレクトしたクロアチアの80’S NEW WAVEデュオ、Denis & Denisは最近の私の推しバンド。ジャケットもゴリゴリのニューロマ風白塗りで、たまらんです。耳慣れないクロアチア語の不思議なコブシが効いた良質なエレポップ、是非ハマってください。
この頃はクロアチアのNEW WAVEばかり研究している私です(笑)。あまり知られてないけどクロアチア~セルビア始め、実は旧ユーゴスラビアには豊饒なNEW WAVEシーンが存在したのであります。これがまたダサくてカッコよくて、色っぽくて面白いのです。
しかもクロアチアでは現在でも全ての世代間で70~80年代の音楽が定番としていちばん聴かれてるみたいで、てことはこの時代のNEW WAVEも若者の間で普通に聴かれてるんだろうか、だとしたら最高すぎる国だな天国かよとか、実に妄想が止まらない不思議な国なのであります。
しかし生憎、80年代における旧ユーゴスラビアの音楽シーンなんて調べようものなら、クロアチア語とかセルビア語とかでしか資料がない訳で。だからなかなか広まらないのが心苦しいというか仕方ないというか、研究するこっちも極めようとするととてもハードルが高い(泣)。でもクロアチアのNEW WAVE、近々この番組で是非特集したいですね。

10代から70・80年代Punk/New Wave/ニューロマンティックに傾倒したことをきっかけに2017年よりDJキャリアをスタート。 J-WAVE番組イベントへの出演等を経た後、2018年からはディスコミュージックを中心にプレイ、アンダーグラウンドシーンにおいても、大貫憲章、松田高志、DJ MIKU、牧野雅己といった元新宿ツバキハウスDJとの共演などを重ね、プレイスタイルに磨きをかけていった。その傍ら、延長に派生したと解釈するIndie Dance / Dark Disco / Leftfield等をプレイ。 現在、都内唯一のNew Wave イベントである”New Wave Lounge”を主宰、主要クラブや野外ダンスパーティーGLOBAL ARK等へ出演するほか、活動はフロアでのプレイに留まらず、ラジオ番組レギュラー出演・音楽コラム執筆を通し、平成生まれの後追い世代ならではの多角的なアプローチ、ノスタルジックな雰囲気を残したセレクトで、幅広い世代に今昔のNew Waveサウンドを伝道する。
Twitter:https://twitter.com/moe_the_anvil
Instagram:https://www.instagram.com/moe_the_anvil/
MIXCLOUD:https://www.mixcloud.com/omni3118/

YouTube 【DIVE INTO NEW WAVE】

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次