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asayake no ato『君の目は燃えている』セルフライナーノーツPart.3 / Ba.鴨下支音 [Road to ShibuyaWWW]

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asayake no atoの7曲入mini Album『君の目は燃えている』が、2023年11月1日に発売された。あわせて、12月2日には現体制1周年&リリース記念の企画イベント「君の目は燃えている」を、キャリア最大キャパシティとなる渋谷WWWにて開催。
そんな彼らに「Road to ShibuyaWWW」と称して、メンバーそれぞれに今作のセルフライナーノーツを書き下ろしてもらった。

文:鴨下支音 (asayake no ato)
編集:清水千聖 (OTOTSU編集部)


僕がasayake no atoの一部になって早くも2年以上が経過しました。現メンバーの中では神社くん(Vo.Gt.)を除いて一番歴が長い自分にとって、ある種の区切りと挑戦を込めた一枚が今作の「君の目は燃えている」になります。

まず前提として、この盤を作るときに自分の中で持っていたものは、「asayake no atoというバンドに革命を起こしたい!!」というものでした。というのもこの盤を聴いた従来のリスナーに「アサヤケってこんな感じだよね〜わかる」という評価を受けるよりも「こんなこともできるの!?」みたいな反応を求めて作ってきました。でもあくまで根っこの部分はちゃんとアサヤケ、そこのところをしっかり守りつつみんなで制作を進めていきました。

前作「明けない夜の道標」収録の「道標」にて、アレンジャーとしての自我が芽生え、今作ではより多くの楽曲でアレンジャーとしての仕事を果たせました。主にM-1〜M-3のフルアレンジを担当し、M-7のアレンジは柳澤(Dr./Cho.)との共作で、ピアノアレンジと演奏は白石なる(nameshop)さんにお願いしています。
そして僕のアレンジが増えたことにより、メンバー全員への演奏面での無茶振りが増えまくったのも聴きどころです。そこに関しては反省はしないけどごめんねという気持ちです。

そして何より現体制一周年記念の盤ということもあり、今のメンバーそれぞれの強みを贅沢に使い切った作品にもなっています。

とりあえず一曲ずつ解説していきます!

Picture

まさに「アサヤケってこんな感じだよね〜わかる」の曲です。でも崩すところはしっかり崩しています、特に2番に入る直前、急に手数が増えるところ、ここはメンバーへのパワハラポイントです。アレンジがある程度固まってた段階で何か物足りなさを感じていた時にPolyphiaを聴いて急に思いついたアレンジです。

そしてこのギターソロを飛ばして聞く人が多いと言われてるこの時代にまさかの”ツインギターソロ”。ちなみに神社→佐久間のギターソロではなく、なぜか神社→僕(鴨下)→佐久間の3人のギターソロなのです実は。竿隊3人全員のギターソロが聴ける貴重な音源となっております。
ベースに関してはすごーーーく僕らしいフレーズを弾いているなと思ってます。具体的にどうというと長くなりそうなので言及しませんが、昔から僕を知ってくれている人からすると鴨下だな〜となってくれたら嬉しいです。

瞳の中の炎

大パワハラ曲です。まずアサヤケの曲作りは神社くんが曲を大まかに作ってきて僕がそこに一手間か二手間くらい加えて完成に持っていきます。この曲は百手間くらいかかってます。正直やりすぎたな〜〜〜って思ってましたがかっこいいので良しとしました。

HMV様の購入特典でこの曲のデモ、つまり神社くんが作ってきたほぼそのままの状態の音源が入っているCD-Rが付いてきたかと思います。それを聴いた人たちは全然違った印象を持つかもしれません。まだ聴いてない方はHMVで買いましょう。
かなり難しいことを全員に要求してるだけあって、レコーディングはかなり難航するかなと思いきや逆にみんな練習してきたみたいで、案外時間は掛からなかったですね。Aメロでは途中ギターが変なリズムで入ってくると思いますが、これはレコーディング中にエンジニアの方に「ここにもう一本違うリズムパターンのバッキングギターを入れてよ」と言われ急遽作って僕が弾きました。頑張りました。


アウトロでギターがポーンみたいな音を出してる裏で何やらピコピコ鳴っておりますがあれはミックスの段階でもう1パンチ欲しいなと思ってDAWで曲の一部を切り刻んで制作しました。ちなみにあの一瞬のために5000円くらいのプラグインを購入しました。後悔はしてないです。
ちなみにこの曲のベースラインは色々なパートに絡みに行ったりコードをかき鳴らしてたりこのアルバムの中では一番アグレッシブに動いています。大変です。

ティアドロップ

この曲は神社くんが作ったデモのアレンジほぼそのままで収録されました。ただ、神社くんのデモではいきなりAメロから始まるアレンジだったので、僕がそこにハードコアなイントロを付け足しました。ハードコアが、やりたかったんです。

この曲はライブで映えてほしいという気持ちでレコーディングもアレンジも取り組んだので、今までありそうでなかったスーパーパワーロックチューンになってます。パワーー!!って感じでレコーディングしたのでこの曲が一番早くレコーディングが終わった気がします。
ベースはBPMが速い分ピックを使いたくなりましたが、逆張りで全編指弾きで頑張ってます。

ライブでやる時はラスサビの開放弦かき鳴らすだけのところでダイブとかしたいですね、いつか。その時はみんな俺を支えてくれよな。

フラジャイル

まさにasayake no atoに一番革命を起こした曲と言っても良いでしょう。
初めてエレクトロサウンドを導入し、なんと神社くんの声にはオートチューン(hiphopでボーカルにかかってるあのエフェクト)がかかっています。最初は最近オートチューンがかかってるバンドが出てきつつあるしやってみるか、くらいの感じで実験的にオートチューンをかけてみたのですが、案外どハマりしてしまった。次の日すぐにメンバーに聞かせたところ、そのアレンジ行こうとなり現在に至ってます。

この曲は先行リリースで先に配信が始まったのですが、「アサヤケの大事な何かを壊してしまったのではないか」とリリースされるまでとんでもない不安に襲われてました。もちろん楽曲やアレンジとしての自信はあったのですが、今までアサヤケを聴いてくれていた人たちはどう思うんだろ、とずっと不安で仕方なかったです。ところがどすこい、いざリリースされるとそんなことで気を負っていたことがバカらしくなるくらい好評でした。やったね!
この曲では5弦ベースを使い、前半のエモラップ部分でhiphopっぽい重低音を演出しつつも後半のアサヤケらしさもしっかり表現しきっています。

リグレット

この曲も神社くんのデモほぼそのままの形で収録されました。ただ、ドラムのアレンジで新しい風を吹かせたいなと思い、友人のドラマーである大森チヒロ(CASANOVA FISH/chatoe/TOKYO SAPIENS)と僕が一緒にスタジオに入り、そこで叩いてもらったものを参考にドラムのアレンジを完成させました。やはり本職のドラマーの力借りただけあり、僕にはなかったフレーズやフィルがどんどん出てきてやってて楽しかったアレンジのひとつです。

さっぱりすっきりしたなんとなく聞きやすい楽曲ではありますが、所々オルタナティブの片鱗が見えるのがこの楽曲の好きなところで、少しだけオマージュを取り入れたりなどもしています。

渚の光芒

前メンバーの体制でよく演奏されていた、一定の支持があった曲を現メンバーでリアレンジ・再録しました。やはりこの曲を現メンバーで再録するという行為が、asayake no atoなりに今のメンバーでやっていくぞ!という意思表示と覚悟を示していると思っているので、正直この曲はどの曲よりも毎回気を遣って演奏しています。

リアレンジと言っても大きく変えることはせず、原曲そのままの雰囲気を崩さず、細かいフレーズをメンバー各々で変えていったという感じです。
ただその中で間奏のギター2本が絡む静かなパートで、原曲ではかなり攻めたコード進行をしていて少し聞きづらいなと感じてしまっていたので、少し大人な雰囲気のコード進行へと変えてみたりもしました。10年経ったからこその大人の色気ってやつですきっと。

最近どうだい

初めてピアノを導入したアレンジになったこの曲は、神社くんが弾き語りでずっとやっていた曲が原曲となっています。
まずドラムの柳澤が大まかに曲の構成とアレンジを完成させ、そこに細かいアレンジやフレーズを追加していき、さらにそこにスペシャルゲストとしてnameshopから白石なるさんが最高のピアノを付けてくれました。

普通このような曲をアレンジする場合は、ほとんどギターを歪ませずアコースティックな雰囲気で完成させるのが定石ですが、あえてギャンギャンなギターを入れることで壮大なロックバラードなアレンジにしました。
特に間奏のギターソロではミックスの段階でMy bloody valentineみたいにしてくれ!と言ってめちゃくちゃギターの音量をでかくしてもらいました。ソロも今までのアサヤケにはなかった、かなりブルージーなソロを佐久間に弾いてもらいました。
そして最後の最近どうだいのシンガロングでは僕以外のみんなが歌っているみたいです、僕は仕事でその場に居合わせられなかったので不参加です。残念!

とにかくアルバムの最後にふさわしいロックバラードに仕上げられたのではないでしょうか。白石なるさんマジでありがとうございました!

まだ書き足りないことたくさんありますが、大分長くなってしまったのでここまでにしておきます!あとは聴いてくれる人たちが感じ取ってくれたら嬉しいなと思っています。

では!

RELEASE INFORMATION

君の目は燃えている
asayake no ato

2023.11.01 Release
monchént records

Format: CD / Digital
Price: 2,420yen (tax in)

Track List:
01 Picture
02 瞳の中の炎
03 ティアドロップ
04 フラジャイル
05 リグレット
06 渚の光芒
07 最近どうだい

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