BELLRING少女ハート瀬名姫羽「グループを引っ張れる、ベルハーのダンスリーダーのような存在になりたい」

2024年4月2日

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「BELLRING少女ハート（以下、ベルハー）」は再結成から1周年に当たる2024年4月16日、恵比寿LIQUIDROOMでワンマンライブ「Bad Rich Grumpy Head “BRGH”」を開催する。本公演に先駆け、各メンバーにアイドルを目指した背景やベルハーを選んだ理由などについてロングインタビューをした。第2回は瀬名姫羽だ。自宅でも常にベルハーの話を両親にするぐらい、グループへの愛が強い。中学校時代には生徒会長を務めるなど、リーダー気質も持つ。だからこそ最年少メンバーでありながら、グループが抱える現状の課題を明確に捉え、成長への意欲がひと際強いことが言葉からは感じ取れる。将来の目標はベルハーのダンスリーダーだ。ベルハーのライヴの魅力、一周年ワンマンにかける思いを熱く語った。

BELLRING少女ハート公式

BELLRING少女ハート公式X（旧Twitter）

瀬名姫羽公式X（旧Twitter）

●公演情報
BELLRING少女ハート ONEMAN LIVE Bad Rich Grumpy Head “BRGH”
日時：2024年4月16日（火）
開場／開演：18:45／19:30
会場：恵比寿LIQUIDROOM
チケット購入：https://t.livepocket.jp/e/brgh0416

――姫羽さんといえば、中学校で生徒会長を務めていたことがファンの皆さんの間でも知られています。生徒会長は自分から進んで立候補したのでしょうか。

瀬名姫羽（以下、姫羽）　小学校のころからリーダーや行事とかを仕切る役割に興味があり、参加意欲が高いほうだったと思います。生徒会長も自分から立候補しました。

　『天使なんかじゃない』という漫画の主人公（冴島翠）が生徒会（生徒会副会長）なんですけど、生徒会室を持ち、自分たちで実行委員とかをやり、掲げた公約を達成して学校をより明るくしていく物語が描かれています。その姿に憧れて、生徒会に入りたいと思いました。

　生徒会に入ったのは中学生のときです。1年生の後期からしか立候補できない制度なのに、それを知らずに入学後のオリエンテーションで先生に「私も立候補できますか」と質問して、ちょっと恥ずかしい思いもしました（笑）。でも、それぐらい生徒会に入りたかったんです。

　1年の後期に立候補して、生徒会役員に選ばれました。2年生のときにも前後期にわたって生徒会に入りました。2年のときには会計係として、委員会のホワイトボードのペンをどういう用途で購入したのかなど、管理していました。そして、3年生の前期で生徒会長に選ばれました。

　人前に立ったり、人を先導したりすることに興味がありました。自分以外の人がそういうポジションにいるのを見ると、ちょっと悔しいなと思っちゃうタイプです。私だからこそできる、そういう役割にいたいと思う気持ちが小さいころから強かったように思います。結構、頑固だと言われることもあります（笑）。

――生徒会長として、実際に学校のルールなどを変えたことはありますか？

姫羽　「校内にある自動販売機の再稼働」です。新型コロナウイルス禍以降に使えなくなってしまっていた自動販売機を再稼働させることを公約として掲げ、生徒会に立候補しましたが、なかなか実現できずにいました。

　私の代は自動販売機を使えなかったので、卒業までになんとしてでも使えるようにしたかった。そこで、生徒会長になってから、提案書をつくり、生徒指導部の先生に提出して再稼働を訴えかけました。何度か否決されましたが、提案書をつくり直し、その度に戦いました。

　生徒にアンケートを取り、再稼働を望んでいる声が大きいことを伝えました。先生側は「缶やペットボトルのゴミが増える」ことを否決の理由の一つとして挙げられていたので、自動販売機で出たゴミは生徒が持ち帰ることを徹底して、もし持ち帰らない人が1人でもいたら、再び使用を禁止するとリスクも併せて提案しました。

　私は“画伯”なので（笑）、自分で手描きでポスターをつくって、校内に張って生徒にゴミの持ち帰りを条件に自動販売機を再稼働したい旨を訴えかけました。そうやって工夫して、何とか先生から承認をもらい、使えるようになりました。

――すごい熱意ですね。それほど真剣に学校の改革に向き合えるのであれば、例えば、起業家や、政治の道を目指すといった選択肢もあったはずなのに、なぜアイドルになりたかったのでしょうか。

姫羽　アイドルにこだわったのは、小さなころからアイドルのパフォーマンスを見て元気や自信をもらったように、私もダンスや歌で笑顔になってもらいたいという思いが強かったからです。もともと音楽が好きでしたし、歌って、踊って、それで気持ちを伝えたいと以前から考えていたからです。

――何がきっかけでアイドルを好きになったんですか。

姫羽　小学生のときに「サヨナラの意味」という曲のMV（ミュージックビデオ）を見て、乃木坂46が好きになったことがきっかけです。白石麻衣さんが好きで、握手会やライヴに何度も行きました。

▼乃木坂46「サヨナラの意味」

　サヨナラの意味をきっかけに、いろいろな曲が好きになりました。シリアスな曲も歌うのに、がらっと変わってアイドルらしい「ガールズルール」のような明るい曲も歌える幅広い表現力に憧れました。小学3年生のときに両親に乃木坂46のライブに行きたいとお願いして、明治神宮野球場（東京・新宿）で開催されたライヴに連れていってもらいました。

　初めてのライヴはステージからはすごく遠い席だったけど、そこまで届けようという気持ちが伝わってきました。一番後ろの席まで届かせるような熱量のパフォーマンスをしていて、（視界では）小さく見えるけど、大きく見える、そんなところに圧倒された記憶があります。踊りやダンスがきれいにそろった表現力に感動しました。

　握手会で初めて本物の白石さんと会ったときはいい香りがしました。「いつも応援しています」と言ったら、「ありがとう」と言ってくださいました。私が握手した後にお母さんが握手していましたが、「娘さんと似ている」と言われて喜んでいました（笑）。

　人を楽しませて、熱狂させられるアイドルは本当にすごいと思いました。そして、自分もアイドルとしてステージに立ちたいと考えるようになりました。それからは、七夕の短冊には毎年「アイドルになりたい」と書いていました。

　他の人にはない独自の魅力を持った人になりたいです。小学校のときに劇の主役をやらせてもらったときに、褒めてもらえたことがとてもうれしかった。家族や友だちから褒められる言葉がうれしくて、もっと芸能の仕事をやってみたいと思うことが多くなりました。

――アイドルに憧れるのと同時に、小学生のころからダンスを習い始めたんですよね。

姫羽　小学4年生ぐらいのときから「ジャズファンク」というジャンルのダンスを習い始めましたが、最初はまったく踊れなくて、振りも覚えられませんでした。それなのに周りの子はすぐに振りを覚えて、踊れているのを見て、とても悲しい思いをしました。コロナ禍に実施されていた（オーディション企画）「Nizi Project（ニジ・プロジェクト）」を見てK-POPが好きになり、小学6年生のころからは、K-POPのダンス専門の教室に通い始めました。

　その教室では、クラス分けがあって、振りを覚える早さやダンスのキレの良さで判断されて、スキルが高い子ほど上のクラスに上がれました。もっと深いところまでダンスを究めたいと思い、上位クラスに上がれるように努力しました。

――ダンスのスキルを磨きながら、アイドルのオーディションも探したんですよね。ベルハーのメンバー募集はオーディションサイトで見つけたんですか？

姫羽　オーディションサイトでベルハーのメンバー募集を見つけて、びびっときてすぐに受けようと思いました。きっと、羽に惹かれたんだと思います。羽をつけてみたいと思いました。楽曲は羽のちょっと次ぐらいに魅力を感じました。特にダーク系の曲、「low tide」や「アイスクリーム」が好きで、曲自体のドロッとした感じもパフォーマンスもかっこよくて、この曲を踊りたいし、歌いたいなと思いました。

　オーディションサイトをきっかけに見たライヴ映像では、人間の奥底にある「狂気」みたいなものが踊っているパフォーマンスに衝撃を受けました。「恥ずかしさ」とかそういうものがなく、自分をさらけ出して、持ち時間を全力で一生懸命にパフォーマンスをしている姿を見て、人間にこんなことができるのかと思うぐらい、インパクトが大きかったです。

　正直、歌はずっと苦手だったし、オーディションの当日も手応えはなかったです。その弱点を補うために、オーディションに向けて一番頑張ったのはダンスです。low tideが課題曲でしたが、その課題曲のお手本としてもらった動画で踊っていたのが（MIGMA SHELTERのメンバーの）タマネさんでした。その動きをできるだけ忠実に再現したくて、何度も練習しました。

――デビュー後初めてのライヴはどうでしたか。ベルハーのライヴは特に熱がこもったフロアで知られます。驚きませんでしたか。

姫羽　通っていたダンスの教室で発表会はありましたが、せいぜい1、2回ぐらいしかステージに立ったことはありませんでした。だから、デビューのライヴはすごく楽しかったです。日ごろから「緊張する」とか、口では言っていますが、本当はあまり緊張していません（笑）。生徒会で先生に提案するときも台本とかはつくらないタイプ。その場で考えて言うからまとまらないときもあるけど、出たとこ勝負で楽しんでいます。

　お客さんが盛り上がっているのはウェルカムでした。事前に過去のライヴ映像を見て熱狂的なフロアについては知っていましたが、実際のフロアを見て、本物だと思ったし、楽しそうだと思いました。お客さんが熱狂的に盛り上がっているのを見ると、自分も熱くなります。掛け声なども想像以上に大きかったし、「（デビューライヴの会場）新宿LOFT」が壊れちゃうぐらいの熱狂を感じました。

　お披露目のときはライヴよりも何を喋ればいいのかが分からなかったので、特典会のほうが不安でした。特に最初のころは書くことと喋ることを同時にやるのに苦労して、すごく大変だった思い出が大きいです。最近はだいぶ慣れてきました。

――過去の姫羽さんの話を聞いていると、割と負けず嫌いで自分を中心に生きてきたような印象を受けましたが、この1年間の活動している姿を見ていると仲間意識が強くなっているように感じます。

姫羽　グループだからこそ、自分を第三者の目線から見て、考えられるようになりました。メンバーがそれぞれいいところを持っているから、毎回ライヴ映像をメンバー間で共有して、お互いに指摘し合う中で、自分の表現力やパフォーマンスを考え直すきっかけになっています。

　歌の面ではマイクはどれも同じなはずなのに、他のメンバーのほうが自分よりも返しの声量が大きく聞こえると、負けないように声を上げたいとライヴ中にも思います。（葵）みとちゃんの大きな振り付けを見て、私ももっと大きく動きたいとか、逆にこの表現は自分にしかできないからそれをお客さんに見せたいとか、そんな風に考えています。そう思わせてくれるメンバーと信頼できるような関係を築けています。

　期末のテストの前日なのに、お母さんにベルハーの話ばかりしていたら「ちゃんと勉強しているの？」と怒られちゃうぐらい、ベルハーのことが好きです。それだけ打ち込めるのは現体制のメンバーの温かさ、面白さ、仲の良さがあるからです。私が落ち込んでいるときにも「大丈夫だよ」とか、逆に笑わせてくれるような言葉をかけてくれる。メンバーには何度も助けられてきました。

――「この表現は自分にしかできない」という言葉が出ましたが、特に注目してほしいパートなどはありますか。

姫羽　「asthma」の歌い始めは低めの音程だけど、弾けるようにかわいく、明るくさわやかに歌い始めるのが一番だと思っていて、自分の声質に合っている曲だと思っています。披露が決まった後、いろいろ試してレコーディングに挑みました。実際に歌割をもらったときに、歌いたいと思っていたパートを与えられて自信につながりました。そのパートは誰よりも輝こうと思って歌っています。

　ベルハーの中では、メインダンサー的な存在になりたいです。どんなときでも完璧なタイミングで、曲に合わせて自分を表現できるようなダンスリーダーになりたい。本当はもっと指摘したい部分もあるけど、自分もできていないところが多いので、自分のスキルも高めた上で、グループ全体としてメリットになるようにびしびしと導けるような存在になりたいです。

　ベルハーのライヴの魅力は、暗い曲も明るい曲も全力で表現するところ。私たちが頑張っている姿に心をつかまれてくれたらうれしいし、それが魅力だと思っています。でも、がむしゃらに爆発しているだけのパフォーマンスはしたくありません。ベルハーの曲の世界観をきれいに踊って表現することを一番に考えているので、そこを見てほしいです。

――ベルハー（3期）のためにつくられた楽曲「She’s Rain」についてはどうでしょうか。

姫羽　She’s Rainは今までのベルハーっぽさもありながら、今の5人の特色も出る曲です。5人体制になって、よりパワーアップしました。（23年11月に5人目のメンバーとしてベルハーに加入した富永）咲良が入ってくれてよかった。

　パフォーマンス面でも、咲良はスタイルを生かして大きく動くので、私もより大きく動きたいという刺激を受けます。低音から高音域まで、芯があるように歌えるのも、すごいと思います。ステージ上以外では、ライヴ前の声出しとかでも、恥ずかしがらずに大きな声で歌うとか、そういう意識を持っているところにも影響を受けています。

　咲良が入って5人体制になってから、メンバー間で意見を共有しやすくなりました。咲良はさばさばしているから、間違っているときはずばっと言ってくれるのがいい。そういう存在が加わり、メンバー間で話す機会が増えたことで、メンバー間の仲がより深まっているし、成長を実感できています。

――もうすぐ一周年記念ワンマンライヴを迎えます。意気込みを教えてください。

姫羽　一周年ワンマンライヴは、私たちが1年間でどれぐらい成長したのかがはっきり分かる場です。ライヴに来てくれる人は、ベルハーに少しでも興味を持ってくれている人たちだから、ほんの少しの興味できてくれた人も、熱量を高く応援してくれている人も、全員に私たちにしかできないステージを見せられるワンマンライヴにしたいです。

　ワンマンライヴに向けて、自分が今のまま何もやらずにいたらそのまま成長できないから、自分を見つめ直しています。筋力トレーニングを毎日する、今まで以上に指摘されたことを自分なりに考えて、研究して、追及していく。そういうことを徹底して積み重ねて、歌とダンスの両面で、表現力を追及していきたいです。

　ベルハーのライヴはお客さんとぶつかり合いっこをしている感じ。私たちがファンのみんなに負けない熱量とパッションを持って臨みたい。応援されている立場だから、その期待に応えるためにも、一つ一つのライヴで完璧なパフォーマンスをしたいと思っています。寝る間も惜しんでベルハーのことを考えていないといけません。

　ワンマンまではメンバーもお客さんも、それぞれベルハーにかける思いが強くなる期間でもあるから、学業もおろそかにせず真摯に負けないようにアイドルを頑張りたいです。

――これからのベルハーと自分自身の未来をどう考えていますか。

姫羽　「子どもを応援する」ような応援の姿勢から、もう一段階、熱を持って応援していただくには、自分たちのマインドが大切です。

　最近、（旧ベルハーの後継として19年まで活動した）THERE THERE THERESの「Sunrise=Sunset」と「スナッキー」のライヴ映像をYouTubeでよく見ています。曲の最初から最後まで、音を外してもそれが正しいぐらいの自信を持った魂みたいなライヴを感じます。そういう風に自信たっぷりで堂々とパフォーマンスをするためには、たくさん練習して技術面を磨き、自信をつけたい。それが大切だと思います。

　私はベルハーで売れたい。ベルハーをもっと多くの人に知ってもらいたいです。十代のうちにいろいろなことに挑戦できるように、外仕事を任せてもらえるようなアイドルになって、ベルハーに貢献したいです。