RAY presents「Destroy the Wall」開催記念特別企画　内山結愛レビューシリーズ特別版「明日の叙景の『アイランド』を聴いてみた編」

2024年7月7日

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　RAY presents「Destroy the Wall」開催記念特別企画
第一弾は、以前レビュー200枚突破を記念したインタビューも掲載した、RAYメンバーの内山結愛レビューシリーズ特別版「明日の叙景の『アイランド』を聴いてみた編」をお届けします！

こんばんは、内山結愛です。

特別編！8/18(日) 渋谷CLUB QUATTROで開催のRAY presents「Destroy the Wall」に向けて、出演バンドのアルバムを聴いてみたシリーズ！

今回は明日の叙景の『アイランド』を聴いてみた編をお届けします。

泣きたくなるほどメロディアスなギター、一体感のある演奏が生み出す光とドラマチックな展開、魂の絶叫、情緒豊かで独創的な詞世界。

ブラックメタルを拡大・再解釈し、「J-POPとブラックメタルを融合」を実現した一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください！

1.臨界
ノイジーなギターの音で始まるイントロ。0:27〜ゆったりヘヴィ…重心の低さが好き。夕方。華奢な布さんからこの強烈な地獄の住人ボイスが出るの未だに信じられないでいる。もう何回もライブ観ているのに。1:44〜轟音ノイジーデスボイスパートから煌めきギターパートへの突入。涙。3:00〜魂の叫びが演奏と一つになりすぎていて、ポエトリーパートで歌詞があるという当たり前のことを思い出す。「蝉時雨が聞こえないのは AirPods Proのせいじゃない誰にも邪魔されたくないと願った君自身のせいだよ」という歌詞、天才。ギターのメロディがとんでもなく美しくドラマチック。3:25〜ブラストビートで疾走していくドラムの絶妙な存在感。最後アコギの音で終わるの格好良い…

2.キメラ
ア゛ー゛ーーーーーーー大好き。ライブの光景思い出す。ファンの人たちが凄く楽しそうにしてて何故かこちらまで嬉しかったなぁ。歌えるブラックメタルという発明。明日の叙景さんの鳴らす轟音に詰まった切なさや哀愁、好き。激情。2:15〜ギターへの感謝が止まらなくなる。感情がドシャバシャに溢れているボーカルだから、本当にこの歌詞を歌っているのかと歌詞を追いながら聴いてしまうけど当たり前に歌詞の通り歌っている（それはそう）。3:15〜降り注ぐ眩しいギター、ブラストビートで天に召される。

3.見つめていたい
海が見える。エメラルドグリーン色のギターのアルペジオ。HIPHOP的なビート。終わり際やや不穏な雰囲気を残すところが素敵。インスト曲。延々と聴いていたい。

4.土踏まず
このイントロ聴くと、ガッツポーズして叫びたくなる。本能。明日の叙景さんの曲の展開の運び、本当にドラマチック。1:06〜しっかり重たく始まって徐々に疾走していく感じ、身体中が熱くなる。2:00〜絶叫している時は悪魔のようなのに、ポエトリーの時の声はロマンチッククール王子様（？）で、そのギャップに混乱する。歌詞の語彙のファン。本で読みたい。3:57〜演奏の疾走と溜め、助走などのメリハリコントロールが美しすぎる。5:23〜凄まじい音の厚み、光のようなギターの音色とメロディ、演奏の全体を静かにもっと光の方へと持ち上げるようなベースの動き回り方、手を合わせてしまう。

5.歌姫とそこにあれ
開始6秒くらいで満足してしまうくらいイントロ好き。ヘヴィさとポップさの両立、ブラックメタル×J-POPとはこのことだと思い知る。ブラックメタルなのに、明日の叙景さんは時々あり得ないくらい眩しくて、光そのものになる瞬間ある。この曲は「アイドル」について歌っていると思って聴いてしまう。3:04〜ドラマチックすぎる。映画化しよう。3:40〜泣泣泣泣泣泣。好き。歌声は泣く子も黙る迫力と鬼気迫り具合なのに…断末魔なのに…こんなにも美しい…

6.美しい名前
始まった瞬間から攻撃力抜群のギターが突き刺さってくるの気持ち良い。慌ただしくブチ込まれてくるドラムも格好良い。全ての音が自分の体という器に止めどなく注ぎ込まれるような感覚になる。1:31〜リズムが格好コロコロ変わるところも好き。2:52〜ここの間合いが凄すぎる。ここを表現するためにはとんでもない一体感と信頼関係が必要な気がする。たまに歌詞を見ないでも聞き取れる言葉が重く自分の中で響く。

7.忘却過ぎし
ドラム単独で短めの助走し、一気に轟音に包まれる感じ好き。シリアスな空気感。疾走感はあるけど悲壮感に包まれている。歌詞、どの曲も「どうやって生きていたらその言葉の後にその言葉を並べるんだ…？」という衝撃が走り続ける。3:58〜地面をも揺るがすようなヘヴィな演奏。4:30〜アーーーー゛ーー。昇天。土砂降りの雨に全身で打たれてる気持ち。

8.甘き渦の微笑
環境音…？にしては冷たすぎるし怖すぎる。逆再生…？0:30〜この世の全てを木っ端微塵にするような絶叫ボーカル。悲しみと破壊。ベースのメロディ好き。この救いようのない絶望感に包まれることで、さっき包まれた光がより眩しいものであったと思い知る。1:20〜ドラムの腕や足が合計8本に。1:55〜ヘヴィヘヴィヘヴィパート。私の知っているブラックメタル。展開の緻密さに絶望の中、心が躍ってしまう。5:50〜喉から炎が出ていないとおかしい。ドラムの躍動感に耳が離せない。魂の放出。もう誰にも止められない。8分近い大作。残響音が切ない…

9.子守唄は潮騒
すんごい哀愁メロディアス……♡溶ける。0:59〜この粒の細かい歪んだギターが厚みを持ってこちらに押し寄せてくるの好き。インスト曲が何曲か挟まってくるアルバム構成って良いよね…

10.ビオトープの底から
生命の輝きを感じる。光のターン。夏。アルバム通して絶望の底に突き落とされたり、眩しい光に包まれたり…沢山弄んでください。ドラムの激しさ、言葉の美しさに涙出る。光のシャワーのようなギター。自分だけの景色が見える。2:43〜これまでの魂の絶叫に負けないくらい、こちら側が泣き叫んでしまいそうになるドラマチックな展開。最後の「誰も触れない」ゾクゾクした。

11.遠雷と君
最初の「こんにちは」から始まる語りパート、前に観に行ったライブで元気に「こんにちはー！！！」って返事してる人いて面白かったな。ギターの疾走の中にある明るさと切なさの割合がいつもGOODでGOD…。1:16〜疾走に疾走を重ね、爽やかな風…爆風が駆け抜けていくような演奏と、一緒にボルテージをブチ上げていく叫びに悶える。3:14〜こんなドラマチックなことありますか…！？なギター。眩しすぎる。4:07〜静寂パートの美しさにため息出る。静寂があることで疾走によりハリと勢いが生まれる。あまりにも「終わり」感のあるクライマックスで気持ち良い。

アートワークに陽子さん、タイポグラフィにはもなみんさんを起用している。CD帯コメントが「J-POP？　それともブラックメタル？」なのが最高…何も知らずにジャケ買いして、ひっくり返りたかった…

■バンドについて
明日の叙景は2014年に結成された日本のポストブラックメタルバンド。日本を代表するポストブラックメタルバンドとして、国内外で積極的に活動している。
メンバーは等力桂（G）、布大樹（Vo.）、関拓也（B）、齊藤誠也（Dr）。本作は2022年にリリースされ、「夏」をテーマにJ-POPとブラックメタルを融合し、国内外で大きな反響を得た。

■明日の叙景とRAY
・RAYの等力さん制作曲
①「Blue Monday」
ライブ映像

②「星に願いを」
Official Audio

③「17」
Official Audio

・RAYを支えてくださっている方々にフィーチャーした2022年5月8日RAY 3周年ワンマンライブ「works」で行われた等力さんインタビュー
公演では一部ライブ内の演出も等力さんが考案！
激情ハードコアのライブにおける視覚演出である「激情ランプ」と、白い照明を用いた白と黒の世界を表現していただきました。
メンバーによるインタビュー→https://sovaray.wixsite.com/works-interview/composer-toriki-member-interview
RAY運営によるインタビュー→https://sovaray.wixsite.com/works-interview/composer-toriki-management-interview

もう何度も聴いたし、2022年のベストアルバムにも選んだし、大好きなアルバムだけど、聴いても聴いても、新鮮な感動がある…そして、さらに好きになる…凄い…！！！
これまで「ブラックメタル」は自分とは遠い存在…というか、ほとんど聴かない音楽ジャンルだったけど、この『アイランド』で「ブラックメタル」という音楽を身近に感じられた大切な一枚。
展開のドラマチックさ、美しくて泣きたくなるギターはRAYの等力さん提供曲でもしっかり味わえるので、ぜひ聴いてみてください！

内山は「星に願いを」のイントロが鳴った瞬間に、心がブチ上がりすぎてその場で爆発しそうになります。
そんなRAYが8/18(日)に渋谷CLUB QUATTROで開催する主催バンド対バン「Destroy the Wall」に、明日の叙景さんに出演いただきます！
とってもとっても楽しみです。ぜひお越しください。

次回は、同じく「Destroy the Wall」に出演するdowny の『第三作品集『無題』』を聴いてみた編をお届けする予定です。
お楽しみに…！

最後まで読んでくださり有難うございました。

＝＝イベント情報＝＝

アイドルとバンドの壁を壊す

8/18(日)
RAY presents「Destroy the Wall」
渋谷CLUB QUATTRO
OPEN/START 16:30/17:15
前売/当日 4800円/5300円(+1D)
RAY
downy
明日の叙景