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プレイリスト企画「一聴覚惚れ(いっちょうめぼれ)」ゲスト:松本誠治

disk union A&R 伊藤の選曲コラム。ゲスト・セレクターを招きDIW Productsの新譜を出発点に1つのテーマを語り合う選曲会。時々テーマから逸脱することがあります。音楽好きの他愛もない雑談ですので、どうかご容赦ください。耳に触れた音が自分を豊かにしてくれる、そんな1曲がみつかれば嬉しいです。

今回のゲストは、POLYPLUSのサポート・ドラマー等、幅広い活躍をみせる松本誠治さんをおむかえしました。

ゲスト:松本誠治 (We Come One / the telephones / 大宮Base / 大宮まぜそば 誠治)。POLYPLUSのサポート・ドラマー

インタビュー・テキスト:伊藤あきよ:diskunion / DIW Products A&R ( レーベル:Playwright / DOBEATU ) 
編集:三河真一朗(OTOTSU 編集担当)

良い意味で音楽としてブランディングしてないというか、僕らがやったことイコールPOLYPLUSです。って感覚の自由度をクオリティ高くやってるって言うのが凄すぎる!

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

今日は、POLYPLUSが先日リリースしたシングル「starry」をテーマに、“メロウでウェイヴィーなダンスミュージック”選曲会ができたらなと思いまして。誠治さんにおすすめの楽曲をたくさん送ってもらって、私のおすすめ曲もいれながらプレイリストを組んでみました。

誠治さんはPOLYPLUSのサポートドラマーで、日頃からポリを支えてもらってて、今日この取材させてもらうついさっきまでは新曲のレコーディングでした。誠治さんとPOLYPLUSの関わりとか、彼らの印象とか、聞いても良いですか?

松本誠治

印象か…つーじー(辻本美博)は花形でもあるけど、結構、裏方もやるじゃない?両方を兼ね備えてて、そこがすごいな〜と思ってる!

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

日頃からつーじーさんのポジティブなエンジンとコミュ力は尊敬してます(笑)

松本誠治

彼の一番すごいところは、インプットとアウトプットを同時にするんだよね。

その時関わった人、そこでの経験を、瞬間的に何かに変換する。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

スピード感!(笑)

松本誠治

そして、とんでもなく優しいじゃない?分け隔てなく。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

うん。

松本誠治

あとね、POLYPLUSの不思議なところは、みんなバンド仲が良好なんだけど、ライブ中めっちゃ攻めてくる…(笑)

POLYPLUS 「legal」 – Live at Zepp Tokyo on 2020.12.15 【For J-LOD LIVE】
伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

普段はみんなのんびりというか、和やか〜ですよね。実際、POLYPLUSのレコーディング現場もそんな感じ。ステージ上は攻め気だし、シビアなところはシビアなんだけど、基本的にはすごく柔らかな人たち。オンオフがしっかりしてる(笑)

松本誠治

すごく強気で勝気だけど、子猫愛しちゃう系なんだよね。特に永田さんとか。(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

わかります。

松本誠治

僕は、普段から誰かハンドルを握っている人のストレスをケアしたいってタイプで、POLYPLUSの中でもそうなんです。

例えば自分のバンド、the telephonesだと石毛(輝)は基本的なソング・ライティングスで、ノブ(岡本 伸明)はライブの顔になるようなパフォーマンス力を持っていて、ベースの長島(涼平)はバンドの演奏の根幹の基軸とした部分を担っていて、じゃあ自分ができることって、バンドマンっぽくないけど裏方業の方が好きってのもあって。

事務所に所属してない当時は、ツアーのために免許とったりした。長島しか免許持ってなかったから、ツアー回るのにあいつしか持ってないのはやばすぎる!って、怒られたりしたからなんだけど(笑)で、ツアーのブッキングや物販のお金の管理もやったりとか。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

マネージャーみたいですね(笑)ケアする側。

松本誠治

あとイベント制作も好きで。ついついスタッフ目線で気になっちゃうこともたくさんあったり。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

なるほど。DJイベントもやられてますもんね!演者でもありオーガナイザーでもあって、縁の下の力持ち的な。

松本誠治

(笑) この間、POLYPLUSのサポートでブルーノート東京のステージに立たせてもらって、その後にthe telephonesのライブがあったんだけど、そこで久しぶりにあったスタッフさんに「誠治くんどうしてたのー?」って聞かれて、「僕、意味わからないと思うんですけど、ブルーノートのステージに立ったんですよ。」って言ったら、すごく驚かれて…ジャズ、インストで腕を鳴らしまくってるセッションマンからしたら俺って野良犬みたいな奴じゃん?

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

たしかに異色。(笑)POLYPLUSはみんな個性豊か、濃い人たちが集まってますよね。Calmera、fox capture plan、JABBERLOOP、Neighbors Complainって、みんな自分たちの土壌を持ってて、そういう裾野が広いところがポリの楽曲の幅広さにも繋がってるのかな。

松本誠治

彼らが旗頭になって、いろんな道を作っているなって、それがPOLYPLUSの印象だなぁ。

曲の幅も音楽ラバーが集まってるから、すごく幅広いよね。ジャズやR&Bだったりが彼らの得意とするところだろうけど、ちょっとダビーな雰囲気だったり、ロックっぽい曲があったり。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

うんうん。私は今回の選曲で、個人的な趣味ですが、Gottiさんフィーチャーな曲もちょこちょこ持ってきました。

松本誠治

ファンク、R&B、ソウルとか。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

はい(笑)いや、でも今日録った曲はラウドだったな…あんなバキバキなリフ弾くんだもん。驚きました。

松本誠治

その異色が面白くて。良い意味で音楽としてブランディングしてないというか、僕らがやったことイコールPOLYPLUSです。って感覚の自由度をクオリティ高くやってるって言うのが凄すぎる!

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

そうですね、それをミクスチャーと言うと語弊もありそうだけど…

松本誠治

ミクスチャーって言葉は本来ファンクとかロックとかの話しだけじゃなくて、もっと言えば国籍のことを言ったりもするし、その存在を示すような言葉だよね。

あの人たちは黒か白かじゃなくて、いろんなことをミックスするのを喜んでやっていけるのが良いなあって。いろんな人たちの教科書になるんじゃないかな?

新しくジャンル作れる可能性があって、新しく録った曲は一聴すればフリージャズっぽくもハードコアっぽくも聴こえて、超アングラな音楽やってるなって感じもするけど。サウンドメイキングとか曲構成はポップスな意識があるし、メロディは聴きやすく作られているし、誰も突き放してないよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

みんなで楽しむ!!

松本誠治

その根底がちゃんとあるのがPOLYPLUSだよね!

松本誠治
目次

ソウルでR&BでAORな雰囲気なんだけど、スマートでスタイリッシュで、でもちょっとユニーク。それが下手すればベッドで寝たまま聴きたいんじゃないかって曲作った。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

そこで、今日のテーマの「starry」なんですけど…

プレイリスト企画「一聴覚惚れ(いっちょうめぼれ)」
Mellow Waves feat.POLYPLUS プレイリスト
松本誠治

あれはサックスの雰囲気がアーバンにも感じるけど、それ除いたらエレクトロ・ポップな雰囲気もあるよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

電子的な感じもあれば、すごいアナログ感、あとソウルフル。

松本誠治

そうそうネオ・ソウルはちょっと違うかもしれないけど、サックスがアーバンな雰囲気を出してて。みんなステディーに同じフレーズをキープしているんだけど、音のニュアンスは肉体的。自然に色彩が変化していく感じ。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

めちゃくちゃ可愛くも、大人っぽくも聴こえますね〜。誠治さん、たくさんお勧めしてくれましたけど、どの曲も最高でした…!Video Age、初めて聴いたけど良かったです!

松本誠治

良いよね〜、ジャケットもかわいいし。Washed Outのリズムセクションを強くした感じ。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

今時な音ですね。80年代、AOR感。レトロでサイケでキュート。

松本誠治

うん。「starry」がオリエンタルな雰囲気を身にまとってて、それでこの曲をセレクトしてみました。自分のDJではここまでテンポ落とすの大変だから、あまりかけられてないんだけどね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

なるほど…良い選曲。さすがです。

松本誠治

音源掘るのは好き。同じ曲でも前後の繋がりが違うだけで全然曲が変わってくるよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

わかります!私はDJやらないですけどプレイリスト作るのは好きで、だからこの企画はじめたんですけど。自分の中にテーマがあって、年代もジャンルも違うけど、前後の文脈を考てストーリー性を持たせると、その曲の聴こえ方が変わってきたりして。楽しいですよね〜。

松本誠治

そうなんですよ、独自で見つけてきたストーリーを聞かせるのも楽しい。今回のプレイリスト、すごくきれいでしたよ。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

ありがとうございます(笑)

松本誠治

例えば一番わかりやすいなと思ったのは後半でPOLYPLUSの「we gotta luv」からの「On the Beat」(The B.B.&Q.Band)。あ、この流れ引き継ぎたかったんだなって(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

聴感近いんですよね。聴き比べてみて欲しい。

松本誠治

プレイリスト聴いてPOLYPLUSの曲だなと思って聴いてた人が、あれ? 違うバンドの曲だった!って引っかかってくれそう。まさにPlaywright(脚本家)なわけですよね(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

いやー…(笑)でもただ楽しかったですよ。

好きな曲とPOLYPLUSをミックスしつつ、誰にでも浸透しやすいように、わかりやすく作ろうと思って。あといろんな年代・ジャンルの曲が混ざってるから、体系的にいろんな音楽に触れて楽しんでもらえたらなって、それで最終的にポリのいろんな顔がみえてくるものになったら良いなと。Aviciiカバー「wake me up」のあとにKygo もってきちゃったのは自分でベタすぎかと思ったけど…(笑)

松本誠治

AviciiとKygo は時代感がはっきり出てて良いよね(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

その次に誠治さんがお勧めしてくれたAlex Baker!この人もすごくよかったです。

松本誠治

良いよね、このチルイズム…。夏フェスだな…この流れ聴いて「Tomorrow Landやん!!」って思った。 海外のEDM系のフェス感だよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

Kygoの「Freedom」は2020年にリリースされた『Golden Hour​』ってアルバムから選んだんですけど、これめちゃくちゃ良いんですよ…。ステイホーム禍の夏で、外に出れない、夏フェスもない、本当に残念だなって凹んでたんですけど。この曲はすごく気持ちを開放してくれた曲なんです。

音楽が「ライブだ、みんな一緒に盛り上がろう!」ってアクティブなモードから「ひとりでも歌って踊れる」チルに変化していってたときで。シェアもオフラインからオンラインが主流になって、どんどん内面的な癒しを求めるようにダンスミュージックの在り方がシフトして。特にKygo のアルバムには時代性とのリンクを感じました。

「Freedom」はSpotifyのCanvasも見て欲しくて、これアルバムのストーリー性をより深く伝えてくれるループ動画なんですけど、家の中で掃除をしながら踊ったり、鍵盤を弾いたり、トイレットペーパーをジャグリングしたり、何気ない日常の一コマを楽しんでる映像で、どこでもダンスは踊れるんだなって感動しました。

松本誠治

こういうフォーキーな要素あるものの何が良いかって、直接的なんだよね、原始的というか。人の近さを表現してる。今って人との隔たりを感じることも多い時代だけど、すごく距離を近づけてくれるね。

今回の選曲テーマを聞いたときに、POLYPLUSのファンをとても意識したというか…いろいろ考えすぎちゃって。POLYPLUSファンは生音が好きだよなあ、とか。このテンポで揺れるギター、踊れるベースラインを探してきては「いや違う」と思って試行錯誤して。Video AgeやWashed Outは後からピックアップした曲なんだけど、初めこそMainoとかチョイスしてたんだよね。ギターの鳴りも広いし理解されやすいかなとか思って。

でもよくよく考えた時に「そもそもこういう曲作る奴らなんだよな、あのバンド」って思った。ソウルでR&BでAORな雰囲気なんだけど、スマートでスタイリッシュで、でもちょっとユニーク。それが下手すればベッドで寝たまま聴きたいんじゃないかって曲作った。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

フロアを踊らせるセッションって彼らのキャッチコピーからすると「starry」は彼らの新しい一面を感じられる曲ですね。

POLYPLUSは自由が効くバンド。なぜかというと、ドラムが決まっていない。いろんな音楽のジャンルを決めていくのはドラムの音色とビートの種類。これで国が分かれていくくらい大きい差が出るから。

松本誠治

いろいろ考えこみながら選曲したけど、結局、POLYPLUSのファンもぶっとんでるくらい音楽好きだと思うから、わかってくれるだろ(笑)って。メンバーに対する愛だけじゃなくて、彼らの音楽愛に真摯に向き合っているファンが多いって印象があるし、逆にいうとVideo AgeやWashed Outのファンが「starry」を聴いても「日本にこういうバンドいるんだ!」って思って欲しい。

この曲は、エレクトロな雰囲気と生の管楽器を組み合わせていくっていうアイディアと勇気が、いなたく聞こえたりかっこつけて聞こえる部分があるんじゃないかな?とか実は、思ってた部分があったんだけど。マスタリング上がった音源聞いて、このテイストでこんな自信持って生楽器の音が出てるのすげえって…いや、当然自信持って演奏しないことなんてないんだけどさ。ここまで振り切れてるのが良いなと思って、プレイリストも再考した。あと、CHAI「Donuts Mind If I Do」を入れたのは、彼らのことを1回手伝ったからです(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

ユナちゃんが 渋谷asiaでドラム叩いてくれたとき、ありましたね。

松本誠治

このプレイリストにもちょうどハマる曲だったんだよね。アメリカからみたら、今の日本の若いバンドってCHAIだろって言われくらいな存在だと思う。SUB POPからリリースしてるんですよ、彼女らは。わかりやすくいうとニルヴァーナと同じところにいる!ちゃんと単独リリースで!それが日本の音楽家から出てきたってすごいことだよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

着々と彼女たちの目標のグラミー賞に近づいてますね。

松本誠治

かっこいいよね、生き方も含めて。

今は、いろんな日本の音楽家が海外で活躍しててPOLYPLUSにもその可能性があると思う。もっともっと外に出てってたら面白いよね。

POLYPLUSは自由が効くバンド。この言い方は気を悪くされる方もい
らっしゃると思うので、1リスナーの発言として読んでもらいたいんだけど、自由の大きい理由は現状、ドラマーが決まっていない。

とても逆境であるのと同時に、チャンスとして捉える事も出来て。音楽のジャンルを決める大きな要素を担っているのはドラムの音色とビートの種類と考えていて。これで国が分かれていくくらい大きい差が出るから、いろんな国の音を同じ楽曲の中でリアレンジする可能性をたくさん持っていて、例えば海外ツアーいく時、中国、ヨーロッパ、南米とか…その国に合わせて連れて行くドラマーを決めてもいいよね。

そうするとより自由に深く音楽を楽しめるっていう選択肢があると思うんだよね。なんなら打ち込みだって良いわけだし。それこそ「starry」は、生ドラムを打ち込みのように作ろうと思った。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

なるほど…

社会に対する居心地の悪さ、“抑圧”から“自由”を求め、多様性を認める。ディスコってすごく包容力があって、それが時代の変遷で繋がれてリヴァイヴァルされて、POLYPLUSにもその血が流れてて。ポリはインストジャズセッションバンドとして楽しい空間をシェアすることを追求してる。

松本誠治

「starry」の最後のテーマのメロディって海外の人は歌うよね。あれは聞くんじゃなくて、みんなで参加する。フレーズを歌ってもらうことを多分に孕む曲。世界のフェスで楽しめる。POLYPLUSはどこでもアジャストできるくらい超良いバンドなんですよ!

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

たしかに「starry」はフェスでみんなでシンガロングすることを楽しめる曲だし、家でゆったり鼻歌で歌っても良いですよね。

松本誠治

今の時代にぴったりだよね。でも、これ録音したの実は1年前だよ?彼らは時代に合わせて、それを音楽で体現することをすぐにできる。どこにだって行けそうだよね!

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

ちなみに今、POLYPLUSがSpotifyで一番再生されている国はアメリカです(笑)でもリスナー数が一番多く集まる街は首都シンガポール(笑)

松本誠治

えええ、何それ…(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

海外であのメロディが口ずさまれて、誰かの心の中にダンスフロアを作ってるのかな。夢ありますね…

松本誠治

うん。あの、星野源の「うちで踊ろう」英題は”Dancing On The Inside”なんだよね。うちは、家(home)じゃなくて、自分の中(Inside)。心の中で踊るってそのお洒落さ。こういう粋なところは、つーじーにもあるよね。

星野源 – うちで踊ろう Dancing On The Inside
伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

はい。POLYPLUSってインストバンドで、歌詞があるバンドに比べたらメッセージ性をもたないことをやってるわけじゃないですか。私がディスコを選曲したのは、そういうところがあって。

ディスコって強いメッセージ性や政治的な思考性を孕まないもので。本来、LGBTコミュニティの解放の場として生まれたものじゃないですか。みんな踊ろうよ、楽しもうよって。

松本誠治

そうね。例えばパラダイスガレージというクラブがあって、そこは黒人や、ヒスパニック系の人々がメイン客層で、その中でもゲイの人々もよく集まっていたみたいなんだよね。

で、そこのレジデントDJであるラリー・レヴァンもゲイであることはカミングアウトしていて、パラダイスガレージは様々な音楽と人種が自由に楽しめる様にパーティーをしていた。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

社会に対する居心地の悪さ、“抑圧”から“自由”を求め、多様性を認める。ディスコってすごく包容力があって、それが時代の変遷で繋がれてリヴァイヴァルされて、POLYPLUSにもその血が流れてて。ポリはインストジャズセッションバンドとして楽しい空間をシェアすることを追求してる。

まあ、そんなバンドが今日レコーディングした曲は「え!こんなメッセージ性持つの!?」ってやつなんですけど。その振り幅もすごく面白かったんですよね(笑)

松本誠治

しかも結構、言葉が強い人を選んだよね(笑)

あの人は自由の訴えの象徴というか。それを背負うというのは、すごい覚悟を持って自由を求めにいくということだと思うんだよ。気合いいるよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

自由って自分から選択しにいくもの。そうやって自分を解放してあげること。あの曲は挑戦してるなって思いました。「starry」はもっともっとフリーダムで開放的なんですけど。

松本誠治

魂的な意味での解放だよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

POLYPLUSは本当に曲の振り幅がすごいな。音、ビートにただ身を委ねて踊るリラクゼーションな側面もあれば、実は思考を深めるキッカケになる側面もあって。いろんなコミュニティを作ってくれる。

メロディもビートもある、心地よいんだけど、一番強いのは何かって、ゆっくりと空間的に音が押し上げられてった先にメロディーがある。海や空、自然が持つアトランダムなビート、大きな音の揺れが「starry」と近いなあって

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

選曲に話しを戻すと、Alex Bakerさんって何者なんですか?情報が全然出てこなかったです。

松本誠治

僕、普段はdiskunionとかでCDをディグったりするんですよ。でも、彼はSpotifyで出会った人かな。プレイリストの聴感でハッとして良いなって思っただけの人。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

まさに、この企画にぴったりじゃないですか!

松本誠治

チルな音を探してた時に、インストでシンセで作られてるのに、環境音っぽく聞こえて印象的だった。

「starry」って開けた空をイメージできるから、この曲は「Water Colors」ってタイトルだけど、それに近いものを感じる。外の世界で尚且つ開けてるっていう。音の波の立ち方とか、静かに落ちてくる雰囲気がすごく良い。ビートじゃなくて音圧や帯域でグーっと押されてる感じ。心地良いよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

マッサージ受けてるみたいな…(笑)

松本誠治

雰囲気が似てる。メロディもビートもある、心地よいんだけど、一番強いのは何かって、ゆっくりと空間的に音が押し上げられてった先にメロディーがある。海や空、自然が持つアトランダムな流れや、大きな音の揺れが「starry」と近いなあって思って選曲しました。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

POLYPLUSのAviciiカバー、Kygoの流れでこの曲を置いたけど、Alex Bakerの「Water Colors」はよりディープですよね。トロ・イ・モワも、これプレイリストの中で一番好きでした。もともと彼らは「Ordinary Pleasure」って曲でハマったんですけど、こういうインスト曲も出してたんですね。

しかしPOLYPLUSで、この辺のチルウェイヴ選ぶんだって、思いました。

松本誠治

僕はPOLYPLUSならこれは選ぶって思う。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

お互い選んだシーンが全然違いますよね(笑)

私は70〜80年代のディスコ・ソウル中心で、自分の選曲の中でも新しめな曲はDoja Cat。メロウでウェイヴィーを、声で表現しているアーティスト。可愛いんですよね〜。

この辺のディスコリヴァイヴァルの流れだと、デュア・リパやカイリー・ミノーグも外せないんですけど、ドージャは聴いて欲しいなあって思ってプレイリストの最初に入れちゃいました(笑)

松本誠治

この曲には、いろんな人にPOLYPLUSを知って欲しいんだなって意図を感じたな。ちょっと、選曲がメーカーの人っぽいよね(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

自分が良いと思うものをシェアしたいだけなんですけどね。

Leroy Hutson「Paradise」はGottiさんファン必聴で!その流れでGeorge Duke「Someday」も選びました。

松本誠治

すごくよかった!まあ、The Avalanchesは完全に世代だよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

ここは個人的な趣味に走ってますよ。The Avalanchesは聴いて欲しい。

メロウ・ウェイヴ・深海感!ディスコ、ヒップホップ、ソウル、ファンク、 ハウス、ジャズ、ラテン…もうミキシングがとにかくすごい。いつ聴いても、新しい。このミックス感は、POLYPLUSの異種混合な存在感と並べたかったんですよ。

松本誠治

ミクスチャーですね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

いろんな要素を包括してますよね。その軸に“ダンス”がある。The Avalanchesもそうなんですよ。

松本誠治

だからって2曲も並べるな!(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

「Sice I Left You」「Stay Another Season」は同じアルバムの中の連続したトラックなんですけど。これは仕方ないんです!アルバムとしてシームレスに繋がりすぎてるんです。

この作品はアルバム通して聴かなければ…。しかも、このアルバムって、3,500枚以上のレコードから900以上の曲をサンプリングして作られてて!その元ネタ特集映像があるんですけど、面白いので暇な時にみてください(笑)

松本誠治

なるほどね…。楽曲やビートメイクが素晴らしいよね。これはまさに、ライブなんだよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

アルバムを聴く楽しみが詰まってるなと。選曲した以外のトラックでも、この作品の中には衝撃的なことがたくさん起こるんです。どうしてもアルバムに辿り着いて欲しかったんですよ。

松本誠治

うん。でもその後に「late at night」くるんだよね?笑

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

「late at night」がゆっくりとシーンを切り替えてくれるかなって。

松本誠治

それで、その後Cornelius「STAR FRUITS SURF RIDER」って。場面切り替えの勇気あるよね(笑)

ドラムンベース、ジャングルビートみたいなリズム感とフォーキーなメロディ、シューゲイズなギター、選択肢になかったな。

これ僕が勝手に読み解く伊藤ちゃんのプレイリストですけど、The Avalanches 〜「late at night」は夜道を歩いている音なの。で、次の「STAR FRUITS SURF RIDER」って個人的には何かを始める音なんだよね。早朝の空気。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

深い夜から、早朝に移ってく感じ、確かに。

松本誠治

さあ「late at night」でチルくいこうかって後に、この曲がきたら心が泡立つよ。だから「late at night」で伊藤ちゃんの中では、一回このプレイリスト終わってるんだよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

そうです、そして「STAR FRUITS SURF RIDER」の最後、ワンツースリーのカウントで、はい、次行くよーってハウスに向かうんです。

松本誠治

それでAlex Backerからの、僕が選んだ曲のターンにくるのね(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

割と前半が私、後半が誠治さんで、パックリ分けちゃいましたね。笑

松本誠治

DojaからのVideo Age の流れは良くやった!と思ったけどね。でもその後「tokyo class」か?

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

ダメですか?(笑)

松本誠治

「tokyo class」より「quarter」じゃない?このVideo Age のアウトロ聴いてみてよ…

Video Age – Shadow On The Wall

〜♪ 

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

あー、やられた!これだ…

松本誠治

やろ?

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

これ、ゲストさんと一緒にプレイリスト作る企画なんで。今並べ替えます(笑)読んでくれた人は、誠治さんが赤ペン入れて良くなったプレイリストをお楽しみください。ああ、悔しい。

松本誠治

これはDJやってみて人に晒される恐怖がわからないとできない。DJやれば?

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

えー!でも選曲って楽しいですよね。(笑)

松本誠治

僕はBPMやコードの雰囲気とかライブ感で組むけど、伊藤ちゃんの選曲は家の中で楽しみむのにはすごいぴったりよね。フェードアウト・インの流れも落ち着いて聴けるから良いなって。もしライブで興奮を得たいってなったら、他にも欲しくなっちゃうところがある。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

なるほど…「home」の後に入れた誠治さん選曲の 「Stella」も面白かったですね!Andresas Vollenweider。

松本誠治

この人ハープ奏者なんだよね。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

Andresas Vollenweiderは他の曲も聴いたんですけど、ワールド、アンビエント、ジャズ、クラシック、曲の幅がとにかく広いですよね。

松本誠治

そうね。Washed Outと雰囲気が近くて、メロディーワークやビートはもっと柔らかめ。

Mainoはヒップホップのトラックメイカーなんだけど、ブルージーでAOR。そして生楽器で演奏されてるのがPOLYPLUSにも通じてるかな。

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

私推しはThe Far Out Monster Disco Orchestra「Black Sun」。

この曲はCinematic OrchestraのHeidi Vogelがヴォーカル参加してるんですけど、すごくシンフォニックな響きで、ファンク、ソウルなバンド・ディスコ。このアルバム30人以上のアーティストが関わってるんですよ、大所帯!収録されている「Step Into My Life」って曲はArthur Verocaiがストリングスを手掛けてたり…もう、とにかくすごい豪華…

松本誠治

いやいや、これはこの場だけじゃ語り尽くせないな…まだまだ掘れそうだね(笑)もう、また別でPodcastやろうよ。2人で好き勝手話しながら、たまに音楽情報届けるやつ(笑)

伊藤(diskunion / DIW Products A&R)

じゃあ、この続きはまた今度にしましょう。

POLYPLUSのニューシングル「starry」と一緒に、いろいろな音楽を楽しんでもらえたら嬉しいです。

プレイリストよかったら聴いてみてくださいね。

松本誠治 (We Come One / the telephones / 大宮Base / 大宮まぜそば 誠治)。POLYPLUSのサポート・ドラマー セレクション

Shadow On The Wall / Video Age
Take Five(Take Another Five) / Grover Washington Jr.
Water Colors / Alex Baker
Too Late / Washed Out
Stella / Andreas Vollenweider
New Beat(Instrumental) / Toro y Moi
The Could Be Us feat.Robbie Nova / Maino
Donuts Mind If I Do / CHAI

伊藤あきよ:diskunion / DIW Products A&R ( レーベル:Playwright / DOBEATU ) セレクション

Say So / Doja Cat 
Paradise / Leroy Hutson
Someday / George Duke
Black Sun / The Far Out Monster Disco Orchestra
Since I Left You / The Avalanches
Stay Another Season / The Avalanches
STAR FRUITS SURF RIDER / Cornelius
Freedom feat.Zak Abel / Kygo
On the Beat / The B.B. & Q. Band

POLYPLUS (ポリプラス)
[L→R]
Gt.Gotti(from NEIGHBORS COMPLAIN)
Key. MELTEN(from JABBERLOOP/fox capture plan)
Ba. YUKI(from JABBERLOOP)
Sax. TSUUJII(from Calmera)

新世代インスト・ジャズ界のオールスターチーム<POLYPLUS>。
2014年9月結成、メンバー各々がそれぞれのバンドで活動する中、“フロアを躍らせるセッションを”を合言葉に集結したインストセッションバンドとして始動。その場の空気と集う人々のテンションに合わせ自由に音を紡いでいく“セッション”を大切にし、時にクールに、時にハイテンションに、ジャンルやカテゴリを飛び越えたダンサブルなサウンドを展開。高い演奏力とフロアを巻き込む空気感で観る者を魅了し、躍らせ、着実に支持を拡大。
2018年4月にタワーレコード限定でリリースしたシングル「release」はタワレコジャズランキング第1位、総合ランキング第3位にランクインし、同年9月にリリースした全国デビュー・アルバム「debut」は“JAZZ JAPAN AWARD2018”アルバム・オブ・ザ・イヤー・ニュースター部門を受賞。ジャズ・インスト界のオールスター・バンドと呼ばれ、大きく話題をさらってきた。
2019年はライブ・アルバム「debut(live at tokyo)」、EP「next」を配信限定でリリース。それぞれの作品がiTunes JAZZチャート1位にランクイン。
2020年、Gt.Gottiの再加入を発表。フィフス・シーズンを迎える結成6周年に配信シングル「legal」をリリース、2021年6月配信シングル「starry」リリース。初のZeep Tokyo・BLUE NOTE TOKYOの単独公演を成功させるなど、ライブ活動も非常にアグレッシブ。さらには、POLYPLUSが企画提案するアパレルブランド“POLYPLUS apparel”を設立するなど新たな展開を見せ、多岐に渡るエンターテインメントを提供する唯一無二のバンドとして成長中。

Twitter@polyplusjp
Instagram https://www.instagram.com/polyplusjp/
POLYPLUS apparel  https://polyplus.theshop.jp/

POLYPLUS(ポリプラス)『starry』

リリース日:2021年06月09日
フォーマット:DIGITAL
レーベル : Playwright

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