2020年の結成から精力的なデジタルリリースを続けてきたafter six poolside。満を持した1stフルアルバム『MEMORIES』リリース、レコ発企画イベント『出逢警察 vol.1』の開催を祝してコラム連載を掲載!
vol.3では、サワイの心の危機を救った、感動したできごとを。
全3回更新。
文:サワイカン (after six poolside)
編集:清水千聖 (OTOTSU編集部)
はじめまして(3度目)
after six poolsideというバンドでギター&ボーカルをしている、サワイカンと申します。
2024年10月に『MEMORIES』というアルバムをリリースしました。
12月18日には、吉祥寺WARPでレコ発ライブ「出逢警察 vol.1」も開催します。
SONOSUKIMAKARA、nishino kobayashi、THURSDAY’S YOUTHに出演いただきます。
このアラサーのぼんやりコラムに少しでも興味を持ってもらいたいですし、あわよくばレコ発ライブにも興味を持ってもらえたらありがたいです。
今回は、僕の心の危機(アラサークライシス)を救ってくれた出来事について。
「友情・努力・勝利」とは?
特に『週刊少年ジャンプ』(集英社)掲載漫画に必要な三大原則とされる三要素を指す。
友情:志を同じくする仲間
努力:志を果たすためにはどんな窮地にあっても諦めず努力をする
勝利:最後の最後まで諦めず勝利を目指す姿勢
(wikipedia引用)
知らない方もいるかと思いますが、ざっくりまとめると「仲間と、血の滲む努力をして、最後の最後までねばって勝ちを掴み取ろうとする」という、いわば王道漫画を示す大原則ですね。誰でも知ってるような有名な作品は、だいたいこの原則(感情起爆スイッチ)を持ち合わせており、読者の心を震わせる。と言われています。
例に漏れず、僕は『ワンピース』が好きだし、『ジョジョの奇妙な冒険』も好きだし、数多くの作品に感動し、興奮し、涙したことがあります。でも、この感情の揺れをピュアに感じ始めたのは、アラサーになってからだと思います。
20代の頃は、この「友情・努力・勝利」という言葉がめちゃくちゃ嫌いでした。嫌悪すらありました。「綺麗事でしかない」とハスに構えていました。こんなことで感動してんじゃねえ!ぐらいの気持ちだったと思います。
理由はいまや曖昧ですが、おそらく「綺麗事の押し売り」に感じて、強がっていただけなのかもしれません。
当時の自分は、本当に独りよがりだったと思います。僕らは学校や家庭や地域というコミュニティで友情や人間関係を育み、その環境で人と渡り合うことを無意識的に学び気づき、勉学やスポーツや習い事に励み、なにかを勝ち取る(達成する)ことを何年も繰り返していたはずなのに…。我が人生で主人公としていかに生きるか、ということばかりに執着してしまったんでしょうかね。思い出すだけで少し恥ずかしいです。あと「感謝」や「恩返し」という言葉もすごく嫌いでした(猛反省)。
とあることがきっかけで、「友情・努力・勝利」ってめちゃくちゃええやんけ!と心変わりしました。
「友情・努力・勝利」は、あくまで人の心を動かす原則の一例ですが、世の中には人の感情を動かすエンタメがたくさんあります。音楽、漫画、映画、小説、スポーツ、お笑い、ドラマ、アニメetc……。それらは幼少期から僕らを楽しませ、感動させ、驚かせ続けてきました。時には学校で学べないことを教えてくれることもありました。にもかかわらず、いろんなことを経て、心のひん曲がった20代の僕は、純粋な感動を真正面で受け止めることができなくなっていました。(深夜ラジオだけは、癒しとして聞いていましたが)
そんな僕が、心を震わせる体験をしました。
2018年ごろ、友人の誘いで僕は後楽園ホールへプロレスを見に行きました。まだこの頃は、斜に構えまくり、虚勢をはったやなやつだったでしょう。(誘ってくれてありがとう)
行ったのは、NOAH(プロレス団体名称:現在はサイバーエージェントが保有している)の試合でした。期待感もなく、どの選手が好きだとか、どの団体が好きだとかもなく、格闘技もそんなに知らないし、ただの暇つぶしとして友人に帯同しました。
結果どうだったかというと、めちゃくちゃ楽しかったんです。
超人達の身のこなし、逆水平チョップが胸を叩く音、大技が決まった時の歓声、会場中がリングを見つめる眼差し、3カウントの大合唱、後楽園ホールの一体感。全てが新鮮でした。無意識にぼくも声を上げて知らない選手を応援していました。僕の虚勢バリアが、平手一発で粉々に砕け散った音がしました。プロレスというエンターテイメントに胸は高鳴りました。
この時思い出したんです。高校生の時、ライブハウスで観た「アナログフィッシュ」のライブ中にほろっと涙を流したことを。「あ〜。あの頃は目の前にある”好きの全て”に感動してたよな〜。」と

話は戻してプロレスへ。
この初プロレスの圧倒的衝撃にやられ、僕はそこからプロレスファンに。全力で選手を応援していました。
毎年1月4日は東京ドームで新日本プロレスを見に行き、タイミングが合えば後楽園ホールなどの会場へ足を運ぶ。バンドTシャツに飽き足らず、増えていくプロレスTシャツ。
ある日、会場に出向いた僕は、いつも以上に気持ちの入るシングルマッチを心待ちにしていました。手に汗握る攻防が続き、会場はいつも以上に興奮の空気、リングを囲んだ360度からは常に声援が飛んでいました。僕もその1人。会場全体でその試合の行く末を見守り、応援し、感嘆し、気持ちのバロメーターはすでに未だかつてない限界点へと近づいていました。
一進一退の展開の末、必殺技が決まり3カウント。
「ワン!ツー!スリー!」という観客の合唱。
勝敗が決まり、会場の沸点は今まで味わったことのない熱量のるつぼへ。僕は泣いていました。リアルタイムで圧倒的な体験を浴び、気持ちが爆発しました。「純粋」に勝利を喜び合い、そこに行き着くまでの濃厚な過程にシンクロしていた気がします。

少し話はそれましたが、ここで体験したことは、僕にとって大きな救いでした。不感症気味で、生活の視野が狭くなっていた僕。感情の爆発は、心をまっさらにしてた気がしました。
文章がまとまっていないのは、プロレスの試合動画を見ながら書いていて、気が散っているからだと思います。今、僕は心から楽しんでます。
あの頃より、今を解像度高く楽しんで、時に苦悩しています。気は抜けませんが。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ〜
ライブ、もしよかったら来てみてください。多分、いい曲書いてますし、いいライブになると思いますので。
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

2024.12.18(水) 吉祥寺warp
WARP 26th Anniversary!! 吉祥寺WARP × after six poolside presents.
「出逢警察 vol.1」
OPEN/START TBA/TBA
ADV/DOOR ¥2,400/¥2,900
[act]
after six poolside
THURSDAY’S YOUTH
nishino kobayashi
SONOSUKIMAKARA(O.A.)
ARTIST PROFILE

窓から見下ろす
広がる公園
魚の焼けた匂い
プールサイド
2020年夏、東京にて結成。90年代オルタナティブミュージック、シティポップ、ファンク、ソウルなどを背景に、甘美さと衝動が混在するバンドサウンドが特徴。deronderonderon、SONOSUKIMAKARA、ALAN、Schedarsのメンバーを含む9人組バンドであるものの、アフタースクール形式の出入り自由なスタンスのため、時々で参加メンバーが微妙に異なる(なお、幽霊部員もいる)。楽曲からグッズ、バンドにまつわるアートワークや映像に至るまで、メンバー自身が思い思いにカスタムしながら制作を進めている。
Release Titles
https://monchent.lnk.to/aftersixpoolside
Official Web Site
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