1st Album『all ok』から約2年。出産を経て母となったぎがもえかの新章幕開けを記念して、OTOTSU独占でエッセイ連載がスタート。彼女のあたたかさと芯の強さを感じる日々の様子を、ゆったりとお楽しみいただきたい。
文:ぎがもえか
編集:清水千聖 (OTOTSU編集部)
わたしの生活の中で、1つだけ譲れないことがある。
それは、家事をする時間を削らない、ということである。
わたしは家事をしている時間が好きである。
床を雑巾掛けする、洗面台の排水口を消毒する、テーブルを拭き上げ、畳の隙間のごみを掃除機で吸い取る。
使う分だけのおつかいと少し冒険をするおつかい、仕事から帰宅して30分以内でごはんをこさえること。天気の良い日には布団を干し、洗濯をすること。
どれもが好きな理由は、やった分だけ、自分が心地よく幸せな瞬間を得られるからである。
(と言ってしまえば、家事をきちんとこなす立派な人のような感じがするが、わたしはそのような人ではないということを予めお伝えしたい。完璧は目指さない。)
100円ショップや家電量販店へ行くと、家事を楽にする便利なものがたくさん陳列されており、それらを使っていないわたしって、もしかしていつも効率が悪いのか、、?と思ってしまうときもある。
それでも、ロボットにお任せするのではなく自分の手で綺麗にしたいし、買いだめではなく、安い商品が日々変わるスーパーで、わっ今日は大根の半分のが安すぎる!だとか、少しのわくわくを味わいたい。
昨年、家族全員でインフルエンザにかかった。40度近い熱が出て、終始不機嫌で具合の悪い娘のお世話だけで精いっぱいで、さすがに掃除をする手を回せなかった。
熱が引き、体の痛みも取れてきたころに、部屋を見渡すと、散らかった服や空のペットボトル、溜まった洗い物、あらゆるものが散らかっていた。こんなにやる気のみなぎる機会は珍しく、腕が鳴る。
まず窓を開け放つ。洗濯機を2回回し、布団を干し、ごみをまとめ、洗い物をしてキッチンを拭き上げる。床をクイックルワイパーで拭き上げてから掃除機をかける。
深呼吸する。わが家に風が通る。部屋の命がみるみる蘇る。 わたしは家事が好きである。それはつまり、家が好きで、家に生き生きとしていてほしいからである。

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RELEASE INFORMATION


ARTIST PROFILE

幼少よりクラシックピアノを弾いたのちに、ガットギター弾き語りを主なスタイルとし、シンガーソングライターとしての活動を始める。2019年にEP『メイクアップ』(自主制作)、2021年に配信シングル『敵わない』(LD&K)等の楽曲を発表する。2023年より夫であり鍵盤奏者の大山りょうと、音楽レーベル「八百万」(YAOYOROZU)を始動。その他、CM歌唱やコーラスワークにも積極的に取り組む。
【Official SNS】
Instagram https://www.instagram.com/moekagiga @moekagiga

