1st Album『all ok』から約2年。出産を経て母となったぎがもえかの新章幕開けを記念して、OTOTSU独占でエッセイ連載がスタート。彼女のあたたかさと芯の強さを感じる日々の様子を、ゆったりとお楽しみいただきたい。
文:ぎがもえか
編集:清水千聖 (OTOTSU編集部)
わたくし、28歳成人女性には、憧れる仕事がある。
クレープ屋さんである。
皆さんはクレープ屋さんの厨房の中の、作っているところを見たことはあるだろうか。わたしは、クレープを頼んで待っている間、必ずと言っていいほど厨房の中を見てしまう。
丸い鉄板の上に生地を垂らし、竹とんぼのようなものでくるくる。生地が丸く広がり、その生地を別の長い棒を使ってぱたぱたと剥がし、台の上に乗せる。ここまでの工程で、まずその見事な手さばきに大きな拍手。
今度はホイップやカスタードを絞り、いちごやバナナ、小さいケーキなどがぽんぽんと載せられていく様子はなんとも軽やかで楽しい。カラースプレーやチョコソースをかけて、わたしがいちばん好きなのはそのあと、クレープをくるくるっと巻いて完成させるところだ。あんなにクリームがふわふわ、フルーツがごろごろしていたものが、ひとつにぎゅっとまとまる瞬間には芸術美があり、その光景を何度だって懲りずに見たい。
思えば、わたしは”広がっているものをまとめる”という行為が好きである。
レタスなどの葉物を洗って、タッパーにきゅっと収める。あれこれ充電していたコードを、ひとつずつ結んでまとめる。消しゴムのかすを集める。想像するだけでも少し心がすっきりするのだが、この感情の源はどこから。。
街でクレープ屋さんを見かけるたびに、食べたいし作るところをちょっと拝見したいけれど、きっと娘にねだられてフルーツを持っていかれるのがオチなので、1人のときにまた来ようと諦める。
ああ、あのふわふわごろごろの作品が食べたい。

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RELEASE INFORMATION



ARTIST PROFILE

幼少よりクラシックピアノを弾いたのちに、ガットギター弾き語りを主なスタイルとし、シンガーソングライターとしての活動を始める。2019年にEP『メイクアップ』(自主制作)、2021年に配信シングル『敵わない』(LD&K)等の楽曲を発表する。2023年より夫であり鍵盤奏者の大山りょうと、音楽レーベル「八百万」(YAOYOROZU)を始動。その他、CM歌唱やコーラスワークにも積極的に取り組む。
【Official SNS】
Instagram https://www.instagram.com/moekagiga @moekagiga

