・The Kafers結成のきっかけを教えてください。
SHINYA: 2017年にクラブイベントでAsk Me Whyを歌い終えたところでMASARUが「君はBeatlesに興味あるの?」と声をかけてきて、僕が「ちょうど今Beatlesから逃げて来たんだ。」と言ったんだけど・・・。
MASARU: あれが未だに意味がわからないんだよ。嘘をつくにしてももう少しまともな嘘をつけと思ったんだけど、まあ声はいいしボーカルとしてバンドに誘った。それが始まりかな。
・今作のコンセプトはありますか?
SHINYA: その数日後にMASARUから連絡があって「神の領域に触れてみたい。」と言うんだ。何か宗教の勧誘かな?と思ったんだけど話を聞いてみると60年代のサウンドを50年代の音楽の影響だけで作りたいってことだった。それはいつもやってることだったんだけどね。
MASARU: 今の時代にそんな奴が同世代でいたなんて驚いたよ。それで一緒にSo Little Girlを書くことになったんだ。
こちらの音源はサンプルです。
実際にレコードに収録される音源とは異なります。
・Kaferはドイツ語でBeetleという意味らしいですが、みんなワーゲンやビートルのファンですか?車は何に乗ってますか?
SHINYA: 僕はビートルに乗ってるよ。
MASARU: 僕はゴルフ。メンバー全員ワーゲンの空冷エンジンが好きなんだよ。音がたまんないよね!
SHINYA: バタバタバタバタ!(エンジンの音)
MASARU: まぁ、僕はゴルフなんだけどね(笑)。
・覆面バンドの理由はありますか?
MASARU: 正直MODSスーツやチェルシーブーツを履いてステージに立つのも飽きてしまって(笑)。それと子供の頃ゴミ置場で遊んでたらレコードを拾ってね。たまたま伯父さんがまだポータブルプレイヤーを持ってて「傷だらけのレコードは機械が痛むよ。」とか言いながら針を落としてくれて、その時聴こえて来たのがShe Loves Youでね「これ誰?」って聞いたら「Beatlesだよ。」って。まだ彼らの顔も知らないのに衝撃的でさ!その空間のサウンドだけの衝撃を大切にしたいと思ってて今は表へ出ないで曲作りに専念したいと思ってるんだ。
・PVで着ているのはMODSスーツですが、仕立てはどこですか?
SHINYA: 世田谷の梅ヶ丘にスーツの並木ってあってMODS小僧はみんなここで作ってるんじゃないかな。先代はMODSスーツの神様と呼ばれててテレビにも出演されるほどの人だったよ。
・撮影時のエピソードはありますか?
SHINYA: 顔を写さない企画だったから、その分気は楽だったけど首から下の動きだけをモニターで確認すると自分達の演奏スタイルの良し悪しが如実に表れて今後のライブスタイルの良い勉強になったな。
MASARU: 当て振りは結構難しかったな。
・音楽的なルーツは50年代だと思いますが、特に影響されたルーツとなる人は誰ですか?
MASARU: 基本はエルヴィスの衝動が原点で、アイズレーやバディ・ホリー、アーサー・アレキサンダーとかかな。やっぱり王道の人達には惹かれたなぁ。
SHINYA: チャック・ベリー、バディ・ホリー、リッチー・バレンス、エディ・コクラン、その辺かな。
・2曲のインスピレーションはどこから得ましたか?
MASARU: Cryingはバディ・ホリーへの憧れが強すぎちゃってさ、あんな曲が出来ちゃったんだよねぇ。
So Little Girlはトムハンクスの映画「すべてをあなたに」初ステージでバラードをわざと早いテンポでドラマーが始めてそれがヒットにつながるシーンがあるんだけど、その時の雰囲気がとても好きで自分の物にしたいと思ったんだよね。
真似た訳ではないけど自然にって感じかな。
SHINYA: よくMASARUが言ってるからこの間僕も見たんだよ。んー、良かったね。
・ビートルズサウンドになり過ぎないように気をつけた点はありますか?
SHINYA: ビートルズのオリジナルではなくビートルズが自分達のなかで消化する前の原曲を参考にした所かな。
MASARU: 同感だね。
・2曲の特に気に入っている部分を教えてください。
SHINYA: やっぱりMoonは間奏でMASARUがジョージっぽいソロギターを弾いてるんだけど、なかなかあれは真似しろと言っても出来ないところ所だね。So LittleはBメロから間奏までに行く緊張感のあるメロディがうまく表現できたと思ってる。
MASARU: 元々So Littleは6弦で弾いてたんだけど何かしっくり来なくて12弦に持ち替えたら、これだ!って思ったね。
・楽器はやっぱりヴィンテージですか?
MASARU: ヴィンテージ?今当時のジョンの325なんて探しても無いだろうな、噂にも聞いたことないし。でもヴィンテージが果たして当時の音になるかは疑問だね。ピックアップだって枯れてるだろうし。60年代に録音された音だって新品の音でしょ。いずれにせよ試せるお金がないよ(笑)。
・公開されたジングルでは楽器の写真がフィーチャーされていますが、レコーディングや撮影場所はどこですか?
MASARU-SHINYA: 内緒。
・可愛いジャケットデザインですが、ビートルズのアイドル的な要素を取り入れたのですか?
SHINYA: やっぱりビートルズを意識せざるをえないところはあるよね。
僕らの音楽は一番デビュー当時の彼らに合ってるし、オーディエンスも僕らの音楽に馴染みやすくなるだろうしね。
・イラストレーターのRED HOTとはどんな人物ですか?
MASARU: 今やフォルクスワーゲンアーティストとしては世界的に有名な人で国際的な空冷ワーゲン乗りが集まるイベントではRED HOT氏のブースが大人気で外国人もたくさん集まってるくるんだ。
そんな経緯もあってStreet VWsっていう空冷フォルクスワーゲンの専門誌に載せてもらったこともあるよ。
・レコーディング中のプロデューサーやバンド同士のやり取りで印象に残っていることはありますか?
SHINYA: デモテープの段階で完成形に近いものを作っておけと言われたね。
少しでも甘い部分があると突っ込まれて何度も書き直しの地獄の日々が続いたな(笑)。プロデューサーは現役バリバリのミュージシャンだからOKのハードルは高かったよね。まあ人それぞれの感性をどこでどう折り合いをつけるかが難しいよね。
MASARU: Cryingは元々Bメロがあったんだけどプロデューサーにいらないって言われて泣く泣くカットしたよ(苦笑)。あとテンポチェンジも何回もさせられて、それには僕らも従ったね。本当はもう少しテンポが遅かったんだけど最終的にはこのテンポで良かったと思ってるよ。
こちらの音源はサンプルです。実際にレコードに収録される音源とは異なります。
・Crying For The Moon Insteadにイントロを加えたのは何故ですか?
SHINYA: レコード化の話が出た時にもう一度繰り返し聴いたんだけどメンバー間でやっぱりこの曲はイントロが欲しいな、という話になって録音したらミックスもやり直そうという話になって、出来上がった物が元々配信されていた音源よりもより60年代の音になったから是非今回のも聴いて欲しいな。
MASARU: いざイントロをつけようと思ったら、何度も聴いた音源に新しいメロディをつけるというのは冒険でとても難しくて上手くいくか分からなかったけど、やってみたらいい感じに溶け込んで満足してるよ。
・カッティングを東洋化成の西谷さんにお願いしたのはなぜですか?仕上がりでこだわった点も教えてください。
MASARU: 去年出たThe Whoの日本盤リイシューを買って聴いたんだけど、すごく音が良くてね。50年以上前のテープの音なのに鮮度が高いような気がしてさ。それでクレジットを見てたら西谷さんの名前が端っこに小さく載ってるのを見つけたんだよ。それがきっかけ。だから今回やってもらえたのは本当に幸運だと思ってる。こだわりはとにかく60年代の7インチの音圧に負けないこと。
・今はどんな曲を書いてますか?
SHINYA: 今は50年代を意識して1LP分の曲を練ってるよ。ただしビートルズ中期のような良い作品も出来てるのでバランスを図りながら発表していく感じかな。ビートルズ後期になると、より近代の楽曲に近くなるし寄せて行くには輪郭がはっきりしないからかなり作り込まないとダメだよね。弦楽器、管楽器もふんだんに使ってるしシンセじゃ補えないから課題になってくることは確かだね。まあでも50年代物が好きだからそればっかりになるかも(笑)。
MASARU: 僕は50年代の音楽をルーツとして作るのにこだわってる。次はバラードだよ。もうデモは出来てるし。
・最後に今後の活動についてお願いします。
SHINYA: 覆面バンドとしての露出の仕方をライブも含めてどうするかスタッフと検討してる。まあ新しいYouTubeの曲に期待してほしいところではあるね。
MASARU: レコーディングの時にドラムのヘッドはコーテッドで弦もフラット弦それにもまして僕らのサウンドを作り上げているエンジニアのこだわりが半端なくて僕らに届いたトラックダウンのテイクにOKを出しても翌日には違うものが出来てくる。その繰り返しが何日も続いて今のサウンドになったわけだけど、その再現をライブで出来るかと言えば正直どうなんだろう。予算だとか機材だとか、すべてのバランスが整って生音で出せるようになるまでもっと僕らもビジネスとして頑張らないと(笑)。でもいつかライブやりたいよね。
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