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BAY FM『78 musi-curate』diskunion zone連動、moe the anvilによるコラム「DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #6」

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毎週水曜日 27時に放送、BAYFM 『78 musi-curate』の選曲を担当するdisk unionのプレイリスト番組。DJ/NEW WAVE伝道師のmoe the anvilによる選曲と、ピックアップした楽曲解説コラム「DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #6」をアップ。

【DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #6】
『“非音楽家”ブライアン・イーノの頭のなか』

O.Aリンク
78 musi-curate disk union zone | bayfm78 |
2023/05/17/水 27:00-28:00
https://radiko.jp/share/?sid=BAYFM78&t=20230518030000

DJ/音楽コラムニスト、平成生まれの70’s & 80’s NEW WAVE伝道師moe the anvil(モエ・ジ・アンヴィル)です。
bayfm『78 musi-curate』diskunionゾーンでは月1回、今みんなに聴いてほしいNEW WAVEアーティストにちなんだ色んなことを語っています。連動したこちらのコラムでは、放送後記やこぼれ話、プレイリスト楽曲解説などを気まぐれにお届け。

DIVE INTO NEW WAVE OTOTSU EDITION #6 PLAYLILST

今回の放送では、5月5日にFred again..との共作でニューアルバムをリリースしたブライアン・イーノを特集。中でも、その後のNEW WAVEへの布石を築いた初期作品にフォーカスして放送しました。

去年(2022年)、17年ぶりのヴォーカルアルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』をリリースしていたイーノ。久しぶりに聴いたその声は年を取って良い意味での温かみが増し、相変わらずすっ呆けた癖のある感じがちょっと優しくなった印象だった。そんなクセモノ感満点な彼のヴォーカルも楽しい初期の作品は、最近ではあんまり取り上げられることも無い気がする。勿体ない。

1974年のソロデビュー作からして既にそのサウンドは、10年早いポストパンク。「ポスト」以前のパンクすらまだ世に出ていないのに、である。その証拠でもあるかのように、この頃のイーノの作品は、80年代にNEW WAVEのバンドたちに頻繁にカヴァーされた。

こうして今なお時代を先取り続ける孤高の人。ミュージシャンとしてのイメージも、リスナーや時代によって分裂していて、実に捉えどころのない男である。挙句の果てに当の本人は自らを“非音楽家”と名乗る始末。

そんなイーノの頭の中、一度は覗いてみたいもの。ここからは極私的な見解だが、イーノという男の本質は、ミーハー心の終着点なんじゃないかとも思っている。

NYのアンダーグラウンドシーンを偵察した先で見つけたノイズバンドに目をつけ新しいムーヴメントを作ったと思えば、U2からパンクを削ぎ落して大衆音楽のド真ん中にヒットさせたり、70年代には隠れてABBAにドハマりしたり。

やっていることは表向きめちゃくちゃに見えるし、だからこそ掴めないのだが、あらゆる音楽の“新しくてワクワクする、普遍的なもの”を見定める審美眼…「アングラ」と同じくらい、「大衆性」へのセンサーが強いのではないかと。そしてその「大衆性」と「普遍」の究極形が、家具の音楽、つまりアンビエントなのである。

もしイーノから「大衆性」を取り払って、彼のイメージでもある「前衛性」に振り切っていたら、そして時代がもっと遅かったら。イーノの音楽は、今の“売れない音楽”になっていた可能性もあっただろうか。こうした芸術家たちにとって、そもそも重要なのは作品といったモノではなく、そのプロセスに宿るコンセプトこそが全てであり、それはいつの時代も変わらない。しかしイーノの時代に比べたら、もしかすると現代はそんな芸術家たちが生き辛く搾取されやすい側面はある。商業的なプロデュースワークをしつつ積極的に若手の育成にも励むなど、メインには非営利な活動を貫くイーノのライフスタイルそのものが、彼のコンセプトなのかもしれない。

10代から70・80年代Punk/New Wave/ニューロマンティックに傾倒したことをきっかけに2017年よりDJキャリアをスタート。 J-WAVE番組イベントへの出演等を経た後、2018年からはディスコミュージックを中心にプレイ、アンダーグラウンドシーンにおいても、大貫憲章、松田高志、DJ MIKU、牧野雅己といった元新宿ツバキハウスDJとの共演などを重ね、プレイスタイルに磨きをかけていった。その傍ら、延長に派生したと解釈するIndie Dance / Dark Disco / Leftfield等をプレイ。 現在、都内唯一のNew Wave イベントである”New Wave Lounge”を主宰、主要クラブや野外ダンスパーティーGLOBAL ARK等へ出演するほか、活動はフロアでのプレイに留まらず、ラジオ番組レギュラー出演・音楽コラム執筆を通し、平成生まれの後追い世代ならではの多角的なアプローチ、ノスタルジックな雰囲気を残したセレクトで、幅広い世代に今昔のNew Waveサウンドを伝道する。

YouTube 【DIVE INTO NEW WAVE】

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