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【INTERVIEW】寡黙な道化師は、内に秘めた熱狂を鳴らす。Solitary Circusが語る2ndアルバム『Quiet Clown』-後編

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バンド始動から2年、前作から1年を待たずして、Solitary Circusのセカンドアルバム『Quiet Clown』が届いた。「ほかのどこにもない音を」という孤高のスピリット、怒涛のライブ活動で得たエネルギー、そして観客の熱狂的な支持を受け、前作以上のダイナミックな音作りにトライした意欲作。様々なエフェクトの使用、初のカバー曲にボーカル曲も加え、音楽的境界線が一気に広がった感がある。

 注目は何と言っても「Stompin’ At the Corona」(ラウンジ・リザーズ)、「Block Rockin’ Beats」(ケミカル・ブラザーズ)のカバーそして盟友・Madoki Yamasaki(山崎円城/F.I.B JOURNAL)の歌をフィーチャーした「Under the Big Top」。3曲を中心に、アルバムの手ごたえとバンドの現在位置について、伊藤隆郎(ドラムス)、織田祐亮(トランペット)、青木ケイタ(バリトンサックス)に話を聞いた。(-後編)

■INTERVIEW: 宮本英夫

▼前編はこちら▼

◆RELEASE INFORMATION◆

Solitary Circus 『Quiet Clown』

BTSR-002 / BIG TOP SESSIONS

¥3,000 (Tax in)

01. 独奏Op. I (Drums Interlude) 

02. Stompin’ At the Corona ※先行配信第4弾

03. Under the Big Top feat. Madoki Yamasaki

04. Pantomime

05. Block Rockin’ Beats ※先行配信第1弾

06. Parade ※先行配信第2弾

07. Half Moon

08. 独奏Op. II (Drums Interlude)                 

09. Rodeo

10. Fire Breath

11. 足跡 ※先行配信第3弾

――セカンドアルバム『Quiet Clown』の中でも、特に注目は、なんといってもカバー曲とボーカル曲。まずジョン・ルーリー作、ラウンジ・リザーズのカバー「Stompin’ At the Corona」は、2分ちょっとで駆け抜ける、猛烈なジャズ・パンク・チューン。この曲をカバーした理由は?

織田祐亮

2019年に、TRI4THとLOSALIOSでツーマンライブをやらせてもらった時に、アンコールで中村達也さんが「この曲を一緒にやろう」と言ってくださったんです。それがきっかけでラウンジ・リザーズをちゃんと聴くようになって、Solitary Circusを始める時に、何かカバーをやろうという話になって、最初に提案したのがこの曲でした。

伊藤隆郎

結構、最初からやってたんだ。

青木ケイタ

初めてのライブでも、やった気がする。

織田祐亮

そもそも、隆郎さんが、中村達也さんからの影響をかなり強く受けてるドラマーなので、そのイメージもありますし、ラウンジ・リザーズというバンドのマインドが、Solitary Circusと近い気がしていて。実験音楽としての意味合いみたいなところに共感を得て、「こういう感じでやりたいな」というのは最初から思ってました。ラウンジ・リザーズ、すごいかっこいいですよね。

伊藤隆郎

ライブ映像を見ると、わけわからん楽器がいっぱい置いてあって、なんでティンパニがあるの?とか(笑)。ありえないことを試してみる、そういう時代だったのかもしれない。そのマインドは僕らにも共通していて、ベースがいない、コード楽器もいない、なんでこの編成でやってるの?というのは、そういうところからもインスパイアされてるかもしれない。「変わったことをやってみよう」というところからスタートしてるから。

青木ケイタ

俺、25年ぐらい前にラウンジ・リザーズのライブを見たことがあって、演者としての哲学を一つ教えてもらいました。ライブの頭とお尻が、めちゃめちゃかっこよかったんですよ。途中は何やってるかわからんみたいな、中だるみする時間もあったんですけど、頭とお尻がもう圧倒的にかっこよかった。「最初と終わりがかっこよければ、ライブの印象はすごくいいものになるんだ」っていうことを学びました。

――うーむ。なるほど。

青木ケイタ

頭を見れないのは、全部を見れてないことだぞって、それ以降思うようになりました。今もライブを見に行く時に、それは意識しています。

織田祐亮

それはそうですね。見る側の心構えとして。

――「Block Rockin’ Beats」は、1997年、ケミカル・ブラザーズの大ヒット。90年代デジタルロックのアンセムです。

織田祐亮

このアルバム(『ディグ・ユア・オウン・ホール』1997年)が出た時は、たぶん高校2年生か3年生だったと思うんですけど。当時はデジタルロックというか、ブレイクビーツやドラムンベースが大好きで、スクエアプッシャーとかを聴いていて、そこからジャズみたいなテイストのものに繋がっていくんですけど、特にこの曲のベースのリフが大好きで、いつかカバーしてみたいとずっと思っていたんですね。で、いざカバーすることになって調べてみたら、ドラムはバーナード・パーディをサンプリングしてる。生楽器の一番いいところをサンプリングして、彼らなりの新しいものを作っていたんだなって、今になってわかったんです。高校生の時は、わけもわからず「かっこいい!」って聴いていたんですけど、あらためて「こんなすごいことやってたんだ!」ということを知りました。

――そのビートを、まさかのバリトンサックスとトランペットで再現するという。

織田祐亮

管楽器でやるというのは、たぶん世界でも他にやってないと思います。

青木ケイタ

この曲をやるようになってから、小指の先の皮が硬くなった(笑)。左手の小指でずっと低音を出してるんですけど、明らかに硬くなってる。

――ドラムがビートを刻んで、バリトンサックスがベースライン、トランペットはキーボードやボーカル的な役割も果たしていて。「ほんとに3つの楽器だけでやってるんだ」という驚きは、特にこの曲にはありました。

伊藤隆郎

音源ではあえて、全部人力でやってます。当初、原曲の声をサンプリングして使おうという案もあったんですけど、結果、「完全に僕ら3人の音だけで成立させよう」という方向で着地しました。ただライブでは、原曲からサンプリングした声や音を使いながらやっているので、僕らとしては、音源を聴いて「ライブだったらどうなるのか?」を知ってほしいし、どっちも聴いてもらえば、新しい発見があると思います。この曲は、ライブと音源の二つで、完成するのかもしれない。

――サンプリングといえば、「Half Moon」では、効果音をうまく使ってますよね。そういうところは曲に合わせて、柔軟に?

織田祐亮

そうですね。

伊藤隆郎

ファーストの「Tall Man」みたいに、ドローン的な音を鳴らしたりとか、前作でもその片鱗はあったんですけど、セカンドでもそこは表現しつつ、ライブではより増えてきてます。ただ、機械的にトラックの上に乗っかっていくアプローチではなくて、サンプリングの音も演奏楽器の一つとして使ってます。あくまで生演奏の一部として。

織田祐亮

だから毎回違う。

伊藤隆郎

生演奏で失敗することもあって、サンプラーを押し間違えて違う音が出るとか(笑)。そういう、アナログ感を大事にしてるところは変わらないですね。

――「Half Moon」は、楽器も持ち替えていますよね。これ、フルートとホルンですか。

織田祐亮

フルートとフリューゲルホルンです。「Half Moon」は1年以上前からあって、ライブでは見せ場になる曲なんですけど、最初の頃、形が固まっていないぶん、いろんなことにチャレンジしてみようという時期があって。その中で、フルートはケイタさんの大きな魅力の一つだから、やってみたいと思ったんですね。

青木ケイタ

最初の頃は、オリちゃんがトロンボーンを持ってきたりしてた。

織田祐亮

そうそう。いろんな楽器を試して、何が合うかな?みたいな。

伊藤隆郎

最終的に、ツアーに一台の車で行くんですけど、積めないから楽器が減っていく。「ごめん、フリューゲルホルンは大きいから」って(笑)。

織田祐亮

トロンボーンなんて、ハナから無理(笑)。

伊藤隆郎

まだ活動2年ですけど、これが3年、4年、5年になって、ライブでフリューゲルホルン、フルート、トロンボーンとかが出てくるようになってきたら、「大きい車に乗れるようになったんだ」と思ってください(笑)。

――そしてもう1曲、初のボーカル曲で、盟友・Madoki Yamasaki(山崎円城)が参加した「Under the Big Top」については?

伊藤隆郎

そもそも僕が一人でやっていた「独奏」ライブから、Solitary Circusができたんですが、コロナ禍の頃は円城さんと二人で全国を回って、その時すでに「隆郎くんと作品を作りたいんだよね」と言われてたんです。でもライブはイメージできるけど、自分はトラックメイクはできないし、どうやって作品を作ればいいんだろう?って、円城さんの提案を形にできなかったのが、ずっと引っかかっていたんですね。で、そこから5年ぐらい経って、バンドで共演させていただくことになって、リハーサルをしている時に、またそういう話になったんです。「円城さん、何かやってくださいよ」「俺もやりたいと思ってた」って、すごいタイミングが合ったんですよね。円城さんはポエトリーリーディング、スポークンワードが有名だけど、歌唱してる円城さんを聴いてみたいと思って、今回、メロディのある曲になりました。

――なるほど。

伊藤隆郎

ちょっと前に、Caravanと共作で、円城さんが歌唱している歌をリリースしてたんですよね(Caravan「In My Life (feat. Madoki Yamasaki)」)。そこで初めて、円城さんが歌うのを作品で聴いたんですけど、めちゃくちゃ良くて、僕らとやる時にも歌ってほしいと思ったんです。で、最初はマイクで歌ってもらったんですけど、「拡声器で歌ったほうがいいんじゃないか?」ということになって、やってもらったら、一番しっくり来たんですよね。マイクだけでは出ない音の、ガリッとした感じだったり、山崎円城らしさみたいなものが、より出たんじゃないかと思います。

織田祐亮

拡声器で歌うことで、ボーカルであり、楽器であり、みたいな、そういう印象がついたんですよね。

青木ケイタ

冒頭に入ってる「キーン」っていう音は、拡声器のハウリングです。ハウらせるためのテクニックがあるんですよ。「このへんだとこういう音が出るんだよ」とか、わざわざ5回ぐらい違う音を出してくれて、「どれがいい?」みたいな(笑)。

――これはぜひ、ライブを見ないと。今後、予定はありますか。

伊藤隆郎

この記事が出る頃には発表されていると思うんですが、ツアーをやります。8月からスタートして、ファイナルは12月17日、恵比寿のBLUE NOTE PLACEでのワンマンが決まってます。ファイナルは2回公演、ファーストステージは3人で、そしてセカンドステージは、7月2日に新宿LOFT50周年イベントで、Solitary Circus and The Big Topという形で、山崎円城(F.I.B JOURNAL)、tatsu(LÄ-PPISCH)、外池満広(The Minimalize)さんを迎えてやった、特別な編成を再現しつつ、アルバムの集大成として披露させていただく予定です。BLUE NOTE PLACEは初めての場所で、ハードルは高いですけど、それを最高の形にするために、ここから渋谷THE ROOMでのマンスリーライブ、ストリートライブ、フェスやイベント、そして全国ツアーでアピールしていって、描いた物語がいい景色になるように、一個一個進めていければと思います。

――みなさん、ライブで会いましょう。そして、この先Solitary Circusはどうなっていくのか。先は見えてますか。

織田祐亮

先が見えてない、ということはないと思うんです。でも、今はしっかり地に足着けて、淡々とやることが大事なのかな?と思いますね。最初にお話したように、「目を閉じて集中してやっていて、目を開けたら人が増えてる」というのが、理想かなと思うんで。それが今まさに体感している大事なことなので、そういう意味で、先はちゃんと見えてると思います。

――今の織田さんの言葉、アルバムの最後の「足跡」という曲に通じるような気がしました。地に足着けて、一歩一歩進んで行くイメージがある曲なので。

織田祐亮

「足跡」は、まさに、そういう意味合いで作った曲です。「爪跡を残す」という言い方だと、やったるで!みたいなニュアンスがあるのに対して、「足跡を残す」というのは、より自然に、振り返って自分で確認するものだと思うので。爪跡も大事だと思うんですけど、僕らはしっかりと足跡を残していきたいと思っています。

(了)

◆TOUR INFORMATION◆

Solitary Circus 2nd Album “Quiet Clown” Release Tour

2026/8/30(日) 伊那GRAMHOUSE

LIVE:Solitary Circus
Keita Aoki (B.Sax)
Yusuke Orita (Tp)
Takao Ito (Drs)

DJ:Eiichi Orihashi

open 17:30 start 18:00
前売¥4,500 +1D
当日¥5,000 + 1D
20歳以下 ¥2,000(要身分証)

2026/9/11(金) 東京 晴れたら空に豆まいて

LIVE:Solitary Circus
Keita Aoki (B.Sax)
Yusuke Orita (Tp)
Takao Ito (Drs)

DJ:MACROMANCE

open 18:30 start 19:00
前売¥5,000 +1D Order
当日¥5,500 + 1D Order

ツアー全日程発表!

※各公演の詳細は随時SNSなどで更新予定

8/30 Sun.
長野/伊那・GRAMHOUSE
DJ: 折橋栄一

9/11 Fri.
東京/代官山・晴れたら空に豆まいて
DJ: MACROMANCE

9/20 Sun.
栃木/足利・bar mood indigo
DJs: Sunsuke (Snokey Record), Takeshi Iwaida

10/17 Sat.
宮城/仙台・OSTERIA GABU / ガブチカ
DJ: 亀井敬 (おひつじ座流星群)

10/18 Sun.
栃木/宇都宮・Snokey Record
DJs: 鍋谷倫明, darman

11/14 Sat.
愛知/名古屋・FLOW Lounge
“WORKAHOLIC presents”
DJ: Takeshi Furuse

11/15 Sun.
大阪/心斎橋・CONPASS
With AZ: CATALPA (Vo. & Acc.)
DJs: SWE (DOBERMAN / odd numbers), マル (Maruché)

11/27 Fri.
香川/高松・燦庫 -SANKO-
DJ: RICA’X

11/28 Sat.
福岡/福岡・NEW COMBO

11/29 Sun.
広島/広島・Live Juke
DJ: YU-YA (GOLDEN SKA BEAT)

12/17 Thu.
Tour Final
東京/恵比寿・BLUE NOTE PLACE

•1st STAGE
Solitary Circus

•2nd STAGE
Solitary Circus and The Big Top
feat. 山崎円城 (F.I.B JOURNAL), tatsu (LÄ-PPISCH), 外池満広 (The Minimalize)

DJ: MACROMANCE
FOH: Dub Master X

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