1年間の期間限定で再結成した、Riddim Saunter。彼らが3月18日から毎週連続で、5曲の新曲を配信限定で発表していくこととなった。そのリリースに合わせて、5人のメンバーがそれぞれ登場するソロ・インタビューを敢行。初回は復活後初の新曲となる「Seasons of Love」を作詞・作曲した古川太一に、バンド解散後の14年にわたる自身の活動、そしてRiddim Saunterの配信第一弾リリースとなる新曲「Seasons of Love」に込めた思いを訊いた。
TEXT/INTERVIEWER by TAKESHI MIYAUCHI
編集:HIROKI SHIOZAWA(OTOTSU)

──2011年にRiddim Saunterが解散した当時、タイチくんはどんな心境でしたか?
古川:Riddimの3rdアルバム『Days Lead』(2009年)が自分たちにとって満足できる作品に仕上がって、その翌年にフジロックのホワイトステージに立って。それはとても素晴らしい流れだったのと同時に、バンドとしてやれることをやり切った感じが強くあった。一方で、自分自身の表現にはどうしても納得できていなかったんです。同じ環境の中で曲作りを続けていくと、コード進行もパターンが似通ってきてしまう。だけど、もっと違うコード進行を知りたい、もっと知らないメロディーを生み出したい。そうして根本的な部分を掘り下げないと、次に進めないと思ったんです。東日本大震災でバンドの動きが一時的に止まったことも、そう思ったきっかけの一つでした。いろんなことが起こっていくこの世の中で、挑戦したいことは全部、真剣に取り組もうと。だからRiddimはバシッと終えて、ピアノの練習やコードの研究に没頭しました。
──解散の翌年となる2012年に、タイチくんはヒロシくんの二人でKONCOSを結成しました(註:2014年からドラマーの紺野清志が参加し3人編成となった)。
古川:ヒロシに協力してもらってコード進行の勉強をしていたんですけど、曲を作って、それを人前で歌えるぐらいまでならないといけないなって。そこからKONCOSという形態になったんです。最初は、地元のことや旅して出会った人のことを、日本語の歌詞で新しい音楽として表現したいというのが、KONCOSのはじまりだったと思います。
──KONCOSは、結成当初から本当に細かく全国各地をツアーで回ってましたよね。
古川:最初に47都道府県をまわるツアーを組んで、その後は国内で100カ所ツアーをやりました。全国を旅して、Riddimの時から観てくれている人、新しく出会う人、同じ年代でその街のカルチャーを作ってる人たちに出会えたのは大きな刺激になっていて。日本の街をディグするっていうことは、KONCOSのテーマになってますね。音楽にプラスしてその街のこと、そこに暮らす人たちの文化や生活、食……すべてのことについて、ちゃんと自分たちで足を運んで、実際に見て経験する。それをやらないと納得がいかなかったというか。自分から生まれるアイデアの、さらにその先にあるものを見つけたい。それはずっと思っていたんです。たとえばインディーロックっぽいものとか、あるいはR&Bやソウルっぽい、ネオアコっぽい……その時々の流行りはいろいろあるけれど、そうしたものに寄せていくのではなく、もっとこう、自分ならではのオリジナルな表現に向き合いたかった。
──いろんな経験を、自身の表現としてアウトプットしていく。ある意味、自分の中から出てくるプリミティブな衝動みたいなものを欲していたのかもしれないですね。
古川:そのために何度も練習するし、何度も旅に出る。回数を踏むしかないんですよね。
──タイチくんはRiddimと並行しながら、2004年からFRONTIER BACKYARDにシンセベースでサポート参加しています。また、2015年からはハマくんとともにLEARNERSのメンバーとしても活動してきました(註:2023年活動休止)。LEARNERSではドラマーとしての参加ですが、その頃にはKONCOSではドラムを叩いていなかったですよね。
古川:LEARNERSでのドラムは、基本的にはチャーべさんの最初の段階でのコンセプトがしっかり決まっていて、それを具現化するという感じが近くて。そのコンセプトに合わせて自分自身の演奏とバンドを仕上げていくという感じで。それにKONCOSも曲作りと歌とピアノを自分の表現のメインに据えていたから。だから純粋に自分のドラムのルーツに向き合うというのは14年間ほとんどやってなかったんですよね。Riddimを再始動することになって、自分のドラムと向き合うのは久しぶりでした。
── Riddim Saunterは、元々ソウルを筆頭にブラック・ミュージックの影響が色濃いバンドだという印象があったけれど、今回の「Seasons of Love」を聴いて、そういえばこのバンドは活動初期から、ラテンやブラジル音楽のエッセンスもふんだんに織り込まれたサウンドを奏でていたんだよなと再認識して。その大きな要因になっているのは、タイチくんのドラムなんですよね。
古川:完全にそうですね。僕のルーツはやっぱりヒップホップだし、そこから派生するソウル、ラテン、ジャズ、ファンクなんです。それで、僕がドラムとして一番好きなのがやっぱりラテンやブラジルっぽいノリのビートだったりするので、それをRiddimのサウンドに取り込んだら面白いと思ってバンドの結成当初からやってきたんです。あらためて過去の作品を振り返ったうえで、今回のレコーディングで自分のドラムにその感覚を反映させたら絶対に面白いだろうなと思った。だけど、完全にラテンとかソウルに振り切らずにロックンロールとして表現することに、今回の新曲では重きを置いているんです。結局バンドとして表現したいのは、そこなんですよね。
──そういう意味では、LEARNERSのメンバーとして極めてシンプルなドラムセットでロックンロールやロカビリーのビートを叩いていたことが、今回の新曲のレコーディングにもどこか影響しているんじゃないかなって気がしました。
古川:たしかに、それはあるかもしれないですね。LEARNERSが取り上げていたようなシンプルなロックの名曲を叩いたことって、LEARNERSをやるまではなかったんですよ。だから、そこで新しい要素が加わった部分は大きいと思います。ビートの細かい部分の表現じゃなくて、ロックンロール的な大きなグルーヴで表現する。だけどルーツはやっぱりラテンにあるんだよ、みたいな感じで。自分的にリズム感の一番いいところを表現できるようになった気がします。

日々の暮らしから生まれた、新曲「Seasons of Love」
──話は前後しますが、再始動したRiddim Saunterで「Seasons of Love」のような曲をやりたいと思った、そのいきさつを伺えたらと思います。
古川:Riddim Saunterの楽曲って、その時のムーヴメントや当時の自分たちの流行りからアイデアの種を見つけて、そこから曲を作っていたんです。解散から14年経ってメンバーそれぞれにいろんなことができるようになったけれど、いきなり集まって「さあ、Riddimの新曲を作ろう」ってなっても、テーマというかきっかけになるものがないんです。
──たしかにそうですよね。
古川:どうしようか考えてたら、僕らの最後のシングル曲だった「Sweet & Still」の続きを作りたいなって思ったんです。あの曲は駒沢公園でMVの撮影をしていて。すごくいい光が入る公園だなと感じたけど、当時とくに思い入れのある場所ではなかった。だけど解散して14年経った今、僕はその公園で息子たちと毎日スケートボードをしているんですね。

──公園のスケートパークですか。通い始めてどれぐらい経つんですか?
古川:かれこれ5、6年ぐらいになります。毎日通うと、季節によって日の光の入り方が違うし、まわりの景色の色合いが変わっていく。それに加えて息子たちも僕も、日に日に少しずつスケートボードで出来ることが増えていく。そういう移り変わりがすごくいいなと思うのは昔になかった感情だし、今一番影響を受けているのがこの暮らしなんです。それにスケートパークって世代も人種も性別もごちゃごちゃに集まって、そこにカルチャーが生まれている。なんだか昔クラブに通ってた時ぐらいの面白さがあるんです。もしかしたらこれは、ニューヨークの「ザ・ロフト」や「パラダイス・ガレージ」でデヴィッド・マンキューソやラリー・レヴァンがやってきたことに通じるんじゃないか、みたいな。何か芯がありつつも、ジャンル関係なく協調していく感覚。そういうあれこれをヒントに曲を作っていきました。
──楽曲の構成としては、曲調が起伏をもって変わっていく、ある種組曲的な造りですよね。
古川:最初は「Sweet & Still」の終盤からの流れで、ゴスペルを作りたいと思ったんです。だけどそのアイデアに囚われすぎてうまくできなくて。ちょうどその頃、ロジャー・ニコルスの訃報があった。大好きなロジャー・ニコルスやバート・バカラックのような転調や、ゴスペル的な要素も加えて……とやっていったら、本当にわけわかんなくなっちゃって(笑)。だけど毎日ピアノで弾いて歌ってみて、自分で納得する部分を拾いながらコード進行や構成を考えていった。たとえばAメロ─Bメロ─サビって曲にもしたくない、みたいなアイデアをとにかくメモしていきましたね。毎日の公園で見る日常の光景をどう表そうか……と考えてる時期に、ちょうどケイシの子供が生まれて。自分たちの子供たちの世代にも、この日常が続くと考えたらすごく希望があるなと思った時に、スティーヴィー・ワンダーの「Isn’t She Lovely」を連想して。あの曲をイメージしながら、メンバーみんなの子供たちの名前を入れてみようと思いついたんです。そして彼らの未来に起きることへの希望を集めていったら、こういう歌詞になっていきました。
──おお、なるほど。
古川:子供たちの名前を入れた歌詞ができた時、そしたら最後のパートはRiddimのルーツであるラテン、ブラジルのビートにしたいなとか、今まで考えてきたことがどんどん重なっていった。日々の混沌、サイケデリック・ロックなヒロシのギターイントロからの導入、そこからバロック的メロディーへと移り変わりながら、終盤に向かってラテンやブラジル的ビートに、ゴスペル的な歌がのり、心が解放されていく……という構成が出来上がってきたんです。今までに使ったことないコード進行だけど、一度聴いただけで感動するような。それに加えて前半部分には、今までのRiddimの楽曲で使ってきたようなメロディーも入れながら、聴く人をハッとさせる仕掛けも考えながら構築していきました。
──ちょっと複雑な構成ではあるけれど、ライヴで聴いたら突き抜けた気持ちよさを感じるのはさすがです。
古川:結局、聴いた後の感覚はロックンロールとして受け取ってもらえるような。そんな仕上がりになったと思います。
──ちなみに、ラストの歌のメロディとハーモニーが、ちょっと浮遊したように終わっていくじゃないですか。どこかに続いていくような感覚もいいですよね。
古川:最後のハーモニーは、曲の一番最初に出てくるコードなんですよ。曲の中で何度も転調していくけど、最初のコードに戻る。季節が巡って、また春が訪れる。そんなイメージなんです。

▼Riddim Saunter – Seasons of Love (Official Music Video)
Release Information

2026/3/18 配信
『Seasons of Love』
Riddim Saunter
Lyrics & Music by Taichi Furukawa
Design & Illustration: Taichi Furukawa
Flower Arrangement: Chieko Ueno (Forager)

2026/3/25 配信
『Makin’ A Life』
Riddim Saunter
Lyrics & Music by Keishi Tanaka
Design & Illustration: Keishi Tanaka, Taichi Furukawa
Photography: Keishi Tanaka

2026/4/1 配信
『Here and There』
Riddim Saunter
Lyrics & Music by Masamichi Hamada
Design & Illustration: Masamichi Hamada, Taichi Furukawa

2026/4/8 配信
『Lights』
Riddim Saunter
Lyrics & Music by Hiroshi Sato
Design & Illustration: Hiroshi Sato, Taichi Furukawa

2026/4/15 配信
『Theme from Kite』
Riddim Saunter
Music by Hiroto Homma
Arranged by Taichi Furukawa
Design & Illustration: Hiroto Homma, Taichi Furukawa
Live Information
【Seasons of Love Tour 2026】
Tour Dates
Sat Apr 11 – Shimokitazawa SHELTER ※SOLD OUT
w/ FRONTIER BACKYARD, CBSMGRFC
OPEN 18:00 START 18:30
INFO | SHELTER 03-3466-7430
Sat Apr 18 – Mito LIGHT HOUSE ※SOLD OUT
w/ スーパーアイラブユー
DJ: KIKUCHIHIDEAKI
OPEN 17:00 START 17:30
INFO | LIGHT HOUSE 029-224-7622
Sun Apr 19 – Utsunomiya HEAVEN’S ROCK VJ-2 ※SOLD OUT
w/ Someday’s Gone, PINK POLITICS
DJ: kanbara
OPEN 17:00 START 17:30
INFO | HEAVEN’S ROCK 028-639-0111
Sat Apr 25 – Sakata hope
w/ FRIDAYZ, THE SENSATIONS
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | hope 090-9539-2459
Sun Apr 26 – Koriyama PEAK ACTION ※SOLD OUT
w/ to overflow evidence
OPEN 17:00 START 17:30
INFO | PEAK ACTION peakaction2011@yahoo.co.jp
Sat May 16 – Toyama MAIRO
w/ やまも
DJ: COICHI, BOB, CHIGON, NAKAO, MAKOTO (Notorious Rock), Nakajima (URAOMOTE)
OPEN 18:00 START 18:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | LOVEBUZZ 076-445-1181
Sat May 23 – Okayama YEBISU YA PRO
w/ IdolPunch
DJ: AYAKA, ぬるま湯よしだ
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | YEBISU YA PRO 086-222-1015
Sun May 24 – Hiroshima 4.14 ※SOLD OUT
w/ neil and iraiza, THE ZOO
DJ: DAI, のりんちょ, HIROYAN
OPEN 17:00 START 17:30
INFO | STEREO RECORDS 082-249-3024
Sat Jun 6 – Kagoshima SR HALL
w/ THE ACOUSTICS
DJ: GunChain
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | SR HALL 099-227-0337
Sun Jun 7 – Kumamoto NAVARO
w/ デュビア80000cc
DJ: Yamarchy, Edmond, Kappy, KIN, MIZUARAI
OPEN 13:30 START 14:00
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | NAVARO 096-352-1200
Fri Jun 19 – Matsuyama W studio RED
w/ Coelacanth, ONOMATOPEE
DJ: odamy, tetsuoman, Nori (ROCK TRIBE)
OPEN 18:00 START 18:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | W Studio RED 089-948-8514
Sat Jun 20 – Takamatsu TOONICE ※SOLD OUT
w/ BRAHMAN
OPEN 17:00 START 17:30
INFO | TOONICE 087-802-1069
Sun Jun 21 – Kyoto nano ※SOLD OUT
DJ: shota_yam, 832boy
OPEN 17:00 START 17:30
INFO | nano 075-254-1930
Sat Jun 27 – Chiba LOOK ※SOLD OUT
w/ the band apart
OPEN 17:00 START 17:30
INFO | LOOK 043-225-8828
Sat Sep 12 – Shindaita FEVER
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | FEVER 03-6304-7899
Sat Oct 3 – Niigata GOLDEN PIGS RED STAGE
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | GOLDEN PIGS 025-201-9981
Sun Oct 11 – Sapporo BESSIE HALL
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | WESS info@wess.co.jp
Mon Oct 12 – Obihiro Studio Rest
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | Studio Rest 0155-27-0132
Sat Oct 31 – Morioka Club Change
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | Club Change 019-652-7182
Sun Nov 1 – Sendai MACANA
DJ: ITAMI (EACHTIME.)
OPEN 17:00 START 17:30
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | MACANA 022-262-5454
Sat Nov 7 – Fukuoka BEAT STATION
DJ: Kazuo
OPEN 17:00 START 18:00
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | ABOUT MUSIC info@aboutmusic.jp
Sat Nov 14 – Umeda Shangri-La
DJ: DAWA (FLAKE RECORDS)
OPEN 17:00 START 18:00
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | GREENS 06-6882-1224
Sun Nov 15 – Nagoya CLUB QUATTRO
DJ: OYAZI (SO NICE! BE HAPPY!)
OPEN 17:00 START 18:00
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | JAIL HOUSE 052-936-6041 (平日11:00–15:00)
Sun Nov 22 – Ebisu LIQUIDROOM
DJ: YAMARCHY
OPEN 17:00 START 18:00
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | DISK GARAGE https://diskgarage.com
Mon Nov 23 – Ebisu LIQUIDROOM
DJ: RYO YAMAGUCHI (Ernie Palo)
OPEN 17:00 START 18:00
ADV ¥5,000 DOOR ¥5,500 | 1drink charge
INFO | DISK GARAGE https://diskgarage.com
—
Ticket – General Sale
Sat Sep 12, 2026 – Mon Nov 23, 2026 Shows
On Sale: Sat Apr 11, 2026 at 10:00 AM
URL|https://eplus.jp/sf/word/0000003879

≪Riddim Saunter SNS≫
― Keishi Tanaka
https://www.keishitanaka.com/
― Hiroshi Sato
https://x.com/hiroshisato
― Masamichi Hamada
https://www.instagram.com/masamichihamada/
― Hiroto Homma
― Taichi Furukawa
https://x.com/TaichiFurukawa
https://www.instagram.com/taichifurukawa


