イトオミカ・ブライアン新世界による夫婦ユニットLafuzin 、2024年からイトオミカによるセルフプロデュースとして再始動後、第二弾シングル「ファンtaboo」を配信リリースした。
前作「スターシェード」に続く、音楽の作り手と聴き手の光と闇を描く2部作。ハイパーポップな音にのせて展開する狂信的なファンを主人公にしたストーリとなっている。ミックス・マスタリングはブライアン新世界が手がけた。
イトオミカによる「ファンtaboo」楽曲解説が到着。
今回の楽曲は前作の「スターシェード」に続く2部作となっています。前作からブライアンがLafuzinの活動を一旦お休みになったので完全に人生で初めてトラック制作からやりはじめました。以前も簡単なデモトラックはCubaseで制作はしていたのですが、前作からは特にアレンジャー等は立てず、全て自分一人でやってみようといった試みの第2弾です。
スターシェードではスターの光と影に着目して、ビックスターの闇の部分を妄想で描いてみました。わたしの様なパンピーと違って、こんなことで悩んで捻くれちゃうんじゃないかとか。わたしはバンドを辞めた後、デザイナーに転身したのですが何も仕事がなくなってしまって半年くらい家に引きこもった時期がありまして。その時とにかく朝から晩まで映画を観まくったんです。その頃観た映画達が今もわたしの想像世界の礎になっている気がしていて。スターシェードはその中で印象的だった、チェットベイカーの「ブルーに生まれついて」という映画がインスピレーションになったりしていたのかなとも思います。(因みに今作は最近観た「アングスト」というサイコキラーの実話を元にした映画からも着想を得ました。)
第2弾の今作は、ビッグスターの狂信的なファンが主人公です。ジョンレノンを殺したマークチャップマンの様な人の思考回路に想像を巡らせています。(ビートルズフリークでは全然ありません。)デモ段階では「あたしの無計画」というタイトルでした。曲が全部出来上がってしまってから、なんだか悲しいファンの姿を描いてしまったんだけど、思っていたよりもこの主人公の存在を身近に感じる事に違和感を感じてきて。昨今SNS上ではありえないくらい誹謗中傷が絶えず更新され続けているし、誰もが匿名で誰かを殺せる時代ですよね。実際にピストルで撃って殺す事は無くても、誰もがマークチャップマン的思考回路には陥る可能性があるって事をこの曲で伝えたいなと思ったんです。殺人事件を起こしたニュースを見て軽蔑して最悪だと思っている人だとしても、その思考に陥りうる。それでタイトルを「ファンtaboo」に変えました。
でも、こんなに重たいテーマなんで、重苦しい曲には絶対したくなくて!非常にハイテンションな曲になったのはそれのせいです。テーマや作者の意図なんてのはさておき、ポップに仕上げてわかる人にだけ意図が伝わってくれたらいいです。ライブで盛り上がる曲になったらいいなと思ってます。次作からは過去のストック曲でずっと温めていたシリーズをリアレンジしてお届けしようと思索していて、また今回の2曲とは一風変わった雰囲気のものになると思います!今後もLafuzinの活動を少しでも気になって頂ければ幸いです。
著:イトオミカ