GOOD BYE APRILのメジャーデビュー決定を記念し、バンドが12年の歴史でお世話になってきた方々へデビューの報告を兼ねて、これまでのことやこれからのことなど様々な内容を語り合う対談企画がスタート。
第七回は、GOOD BYE APRIL結成のキーマンでもある音楽プロデューサーの加茂啓太郎がゲストに登場。
バンドを最初期から見守る加茂さんと、バンド結成に至るまでの秘話やバンド初期の貴重な話を語るうちに金言や言えない話が続々飛び出し…
インタビュー・テキスト : 石川大樹 編集:伊藤晃代(OTOTSU 編集担当)
― 初めて出会ったのは?
僕個人的には中学生の時なんで、14歳とかですかね。そこで出会ってから20歳でこのバンドを組む時も、前のバンドが終わる時に加茂さんに「新しくもう一回バンドがしたい」って言って、メンバーを集めていただいたのが加茂さんですからね。
私は私で当時大阪で組んでたガールズバンドで、Great Huntingの加茂さんの部下の方にライブに呼んでいただいて、そのライブ会場で初めて加茂さんと会ったんですよ。
のちにそのガールズバンドが解散するってなって、えんちゃんは「ちょっとこの子もったいないな」「東京で頑張ってほしいな」と思って声をかけて。
何がそう思わせたんですか?
やっぱり佇まいもよかったし、キャラもよかったし、弾きっぷりもよかったし…
でも加茂さん忘れてると思いますけど、東京に誘ってくれた時の言葉が「えんちゃんなんかおもしれーから東京おいでよ」だったんですよ(笑)
(笑)まあでもそういう直感が全てっちゃ全てだからね。この子はなにか持ってるなっていう。「ベースが上手い」とはちょっと違って、上手い人はいっぱいいるし、面白いだけの人もいっぱいいるけど(笑)そこそこ面白いしそこそこベース上手いし、ふたつ合わされば結構面白いものになるんじゃないかっていう。
確かに!何かが起きそうな(笑)
でも一緒にいて面白いのと話してて面白いのは大切ですよ。人間的魅力がないけど音楽家として優れてるっていう人はあんまりいない気がする。
それで、(倉品と延本が)お互い同時期に解散したっていうので、加茂さんに「ベースいるよ」って紹介していただのが2010年の終わりで。その時につのけんも、加茂さんがドラマーを探すって言ってお声がけをした中にいて。
ちょうど専門学校通ってた時ですね。
いっぱいセッションしたんですけど、今だから言えるんですが当時まだ20歳で自分がどういう状況なのかあんまりよくわかってなくて(笑)これがどういう流れでメンバーが決まるのかとか、誰も知らないままセッションが進んでいった感じで。
私も上京したてであまり意味わかってなくて、「とりあえず練習してきて」って言われてスタジオ行って、私とらっしーでドラマーを回すみたいな状態で。誰も何も説明してくれないし(笑)
僕もスタジオ行った時に加茂さんと初めましてで、「あ、じゃあちょっとスタジオへ」って言われて入っていって「じゃあどうぞ」みたいな感じで(笑)
仕切る人のいないセッションだったんですよね。
ちょっとそれは記憶にあんまり定かじゃない…(笑)
一同:(笑)
それでまず3人で走り出して、半年後にたかしが加入して。
なんかおもしれーやつから誘われて。
吉田のセッションした時に、夜行バスで来てたんですけど、加茂さんが「じゃあ夜行バス代これで」っておもむろに現金で渡してて(笑)
細かいとこ覚えてるね(笑)
― 印象的な思い出は?
GOOD BYE APRILはなんかほら、手がかかってるんだけどもうちょっとで壁を登りきれなかったみたいな事が多かったから。
それが12年続きましたからね。
だから楽しかったというよりは悔しかったことのほうが多かったかな。それでも頑張って曲も作るし練習もするし、でもなかなか次のステージに上がれないっていう。
逆に言うとよくそこで俺らも辞めなかったというか、バラバラにならなかったなというか。
だから今回のデビューのことは、これから音楽で頑張ろうって人たちにとってはいい模範になるよね。でも才能があると思ったし、もちろん運も必要だけど、才能があるのに売れないのはおかしいじゃないですか。才能があればいつか扉は開くし、壁も乗り越えれるっていう。
腐らずにやり続ければですよね。
でも少しだけでも上向きだったから頑張れたんじゃない?
そうかも知れないです、常に音源を出せたり、そういうことができたことが大きかったかもしれないですね。
バンドが成長する度に曲のクオリティーも上がってるし、ここに来てやっと自分のオリジナリティも掴めるようになったじゃないですか。
30代入ってからですからね。
なかなか…クリトリック・リスかGOOD BYE APRILかぐらいな(笑)
絶対加茂さんしかおらんわその例え!(笑)
全く音楽性違いますけど(笑)
俺の中では同じだから。
一同:(笑)
確かに、泥臭くやってるところは…(笑)
泥臭くというか、ちゃんとオリジナリティと音楽への愛があって志がある、表面の音楽性じゃなくてアティテュードとして同じっていうところがあるなと。
今言ったことが加茂さんの新人発掘の極意かもしれないですね。ジャンルや音楽性とかではなく、アティテュードという。
ジャンルは関係ないもんね。何か「こいつは表現者としてやっていくしかないんだろうな」っていう資質を感じる子には惹かれるような気がするかもね。
あとは我々もそうですけど、ずっと気にかけてくれるじゃないですか。
自分が最高だなと思ったものが売れたら「俺は間違ってなかったな」って思えるから、そういう意味ではやっぱり応援するよね。なにかチャンスを与えたいと思うし、今回もそれが上手く繋がってってね。
去年の夏前くらいに加茂さんから「今どんな感じ?ちょっとライブ見たいって言ってる人がいるんだけど」って連絡が来たところから今回のメジャーデビューの話始まってますからね。
それが林哲司さんまで繋がって、「え、まさか!?」っていう。だから時間かかったけど、いろんな惑星直列が来たっていう感じだね。
― GOOD BYE APRILで好きな曲は?
パッと思うのは、曲に関しての「もうちょっとなんだけどなにか突き抜けないな」っていう悔しさを思うと、逆に寺嶋由芙ちゃんに書いてもらった「初恋のシルエット」
あーなるほど!
作家性として、寺嶋由芙ちゃんっていうのがあってそれに関して書いた詞と曲という部分が。あの曲は未だに大切なレパートリーですからね。
ゆっふぃーからも、こういうところで歌ったよっていう動画がたまに送られてくるんですけど、会場のオタクの人達もすごい盛り上がってくれて。
ぜひみなさんも聴いてみてください!
― これからに向けて
バンドって絶妙なところで気持ちがズレたりブレたりするから、そういうことがないように同じ熱量で同じ夢に向かってほしいと思いますね。
12年チームワークが乱れずにやってこれたっていうのはあるんで、それをこれからも重ねていきたいですね。
ほんとに、私たちは同級生で始めたバンドってわけでもないのに、ここまで続けてこれたのは奇跡っていうか。
売れたらいい話は満載じゃないですか。俺の音楽業界でできてない夢の一つに、自分が関わったアーティストのドキュメンタリー映画が将来的にできると嬉しいなと思ってるんですね。
ドキュメンタリー映画になれるような息の長いバンドになりたいですね、加茂さんの自慢話になれるように。
その映画には加茂さんは絶対出てもらいます!
あとはミュージシャンって、調子が悪い時に助けてくれる人が周りにどれだけいるかだから。そういう意味では助けられてきたんじゃないですか。
ほんとそうですね…!
●●とかね、誰かが助けてくれるもんね。あんな性格悪いし、助けた人だれも儲かってないのに…(笑)
カットやんこれ!(笑)
私たちも周りの人を大事にして頑張っていくので、引き続きよろしくお願いします!
ありがとうございました!
加茂啓太郎(音楽プロデューサー)
major debute single 『BRAND NEW MEMORY』
GOOD BYE APRIL
ニューミュージック界の名門レーベル 日本クラウン”PANAM”よりメジャーデビューシングルを4月5日にリリース決定!
シティポップ界を代表するメロディメーカーの林哲司氏がプロデュースを手がけ、 忘れられない大切な人とのひと夏の思い出を、懐かしさ感じる80年代のフィリーソウル/AORサウンドにのせた楽曲となっている。
5月24日には同曲の7inchアナログ盤もリリース!
B面には同じく林哲司氏プロデュースの名曲「TRANSIT IN SUMMER」カヴァー を収録!
2023.04.05 DIGITAL RELEASE
PANAM LABEL
2023.05.24 7inch vinyl RELEASE
DOBEATU
Side.A BRAND NEW MEMORY / Side.B TRANSIT IN SUMMER
メジャーデビュー記念対談企画・連動プレイリスト
「My Favorite Songs of GOOD BYE APRIL 」随時更新中!
1.明日はきっと少しだけ selected by AYANA INOUE
2.ラストダンス / 3.Xanadu / 4.FANTASY selected by 松田ナオト
5.真夜中のトビウオ / 6.リップのせいにして / 7.冗談 selected by Tomoya
8.キレイ selected by 湯川トーベン
9.あなたの帆に吹く風になる / 10.Xanadu selected by Studio Dig
11.アイス / 12.SAFARI / 13.水蒸気 / 14. feel my hush selected by オカモトコウキ
15.初恋のシルエット(寺嶋由芙) selected by 加茂啓太郎