2018年に結成された7人組のポップス・バンド=AVOCADO BOYS。
名古屋を拠点に活動する彼らが、2025年に1年かけて配信限定で発表してきたシングル5曲と、それらのアコースティック・ヴァージョン(トリオによる新録)の計10曲収録のフル・アルバムをLPでリリースする。今回インタヴューに応じてくれたのは、バンマスの吉田裕(作曲/編曲/パーカッション等)と、Lena(作詞、ヴォーカル)。彼らが「空想のアメリカーナ」と呼ぶ、これまで以上にレイドバックしたサウンドはどのように作られていったのか。エリカ・バドゥ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、J・ディラ、AORまで、多様なルーツが浮かび上がる。 NenashiやKatie Fordとの共演、名古屋の仲間たちとの交流、そして外部のミュージシャンやエンジニアから学びながらセルフ・プロデュースへと辿り着いた過程まで。新作を入口に、AVOCADO BOYSというバンドがどのように音楽を作ってきたのかをおおいに語ってくれた。
■INTERVIEW: 二木 信
◆RELEASE INFORMATION◆

AVOCADO BOYS『Sweet Cider』
AVO-0006 / GUCAMO RECORDS
¥4,840 (Tax in)
●SIDE-A
Love Me Back
Yoko (feat.Katie Ford)
Friends? (feat.Nenashi)
Sweet Cider
Good Life
●SIDE-B ACOUSTIC TRIO SESSION
Love Me Back
Yoko (feat.Katie Ford)
Friends? (feat.Nenashi)
Sweet Cider
Good Life
■空想のアメリカーナとは?
――今回の作品は、これまでシングルで発表してきた曲にアコースティック・ヴァージョンを加えたものですが、インスピレーションを受けた音楽を含めて、まずは制作のきっかけから聞かせてください。
Lena:毎年4月にアメリカでコーチェラっていう大きいイベントがあるんですけど、結構それに影響を受けることも多くて。一昨年はラナ・デル・レイがトリで出ていて、彼女の雰囲気がすごく素敵で、肩の力が抜けている感じだったんです。それがきっかけで、今までよりも大人っぽいサウンドで、大人の女性っていう感じの歌詞で作っていきました。
吉田:ラナ・デル・レイの演奏のフィナーレに、今回の楽曲集の全体のテーマに重なってくるようなムードがあったんですよ。そのときのラナ・デル・レイのアプローチには、古き良きアメリカのショービズが持つ危うさを孕んだ切なさみたいなものがあった。お祭りの終わりと、祭りのあとの虚しさや寂しさ、でも華やかさも混じった、平たく言うとエモい空間だったんですね。そのムードを楽曲のあちこちで出したいなと思って。ザ・バンドの『ザ・ラスト・ワルツ』のエンディングの雰囲気もすごく好きだったし、そこにラナ・デル・レイのエンディングが重ねたようなムードを、この5曲全体で作れたらと思って。結構一気にできたんですよ。デモの欠片みたいなものは、本当に1〜2週間ぐらいでずらっとできた。
――これまでで一番レイドバックした作風になっていますよね。
吉田:そうですね。
Lena:やっぱり年齢も重ねてきていて、自分たちが今やりたいサウンドはどのあたりなんだろう、というチャレンジだったんです。今までよりもだいぶ大人っぽくしたので、自分たちの年齢に合わせているような感じですね。
吉田:無意識にそうなっているのかなと。
――「アメリカーナ」という話が出ましたけど、資料には「空想のアメリカーナ」とあります。アメリカーナというイメージそのものに、憧れや惹かれるものがあるんですか?
吉田:そうですね。世代的なものもあるのかもしれないですけど、そもそも僕、アメリカに行ったことがないんですよ。「空想の」というのは字面の通りでもあって。海外への憧れがまだあった時代を生きてきているので、アメリカン・ドリームじゃないですけど、向こうで成功した人たちの栄枯盛衰みたいなものもドラマや映画で結構観るわけですよね。そういうところにドラマを感じたり、影響力の大きかった海外への憧れがまずあって。それに、学生時代からブラック・ミュージックにすごく傾倒していたんです。ブラック・ミュージックなのか白人音楽なのかという垣根に関係なく、アメリカという場所が紡いできた音楽が自分の中では大きい。映像や雰囲気だけじゃなく、音楽そのものも、イギリスや他のヨーロッパの国々よりアメリカの音楽が好きだというのが前提にあります。だから「アメリカーナ」という言葉で括らなくても、アメリカの音楽全般をこのバンドに落とし込んできているところはあるので、自然なことだったのかなとは思います。
■ソウルへと接近した「Friends?」とNenashiとの出会い
――3曲目の「Friends?」はNenashiさんをフィーチャーしていて、他の4曲とは少しテイストが違います。個人的には、ディアンジェロによる「Feel Like Makin’ Love」のカヴァーにも通じるメロウな感触を感じました。
吉田:めっちゃ嬉しいというか、おっしゃる通りで。ディアンジェロももちろんですし、スライ&ザ・ファミリー・ストーンも好きで、ああいう削ぎ落としたファンクネスやブラックネスにすごく魅力を感じるので。実は「Friends?」だけ作った時期が違うんですよね。さっき5曲を一気に作ったと言っちゃいましたけど、あの曲だけもう少し早い時期にできていたんです。最初のインスピレーションが違うので、そこに味付けしていく中でソウル色が少し強い楽曲になっていった。だからこそ、5曲の中からNenashi君があの曲を選んだというところもあります。こちらから何曲かに絞って提案した中からの選択ですけど。実際にNenashi君はディアンジェロが大好きで、彼のファンクネスとかソウル・マナーみたいなものがすごく出ているので、よりディアンジェロ味が強くなっているかなとは思います。ちょうどスライ・ストーンが亡くなったりして、気持ちがそっちに持っていかれたのもあるかもしれないですけどね。
――Nenashiさんとは、どのように出会ったんですか?
Lena:2、3年くらい前に福井の鯖江市で一緒にイベントに出て、そのときが初対面でした。彼も英語がペラペラなので、最初は一緒に英語で喋っていて、気が合って。東京に行ったときにライヴに顔を出したり、大阪でも顔を出したりして、ずっとSNSのDMで連絡を取り合っていたんです。それで「もしかして声をかけたらやってくれるかな」と思って、思い切ってDMで「こういう曲があるんだけど、もしよかったら一緒に歌ってくれない?」って誘いました。歌詞はほとんど私が書いたんですけど、「Friends?」は実は同棲している男女が別れる話なんです。
――だからタイトルに「?」が付いている。
Lena:そういうストーリー性を持った曲にしたくて。せっかく男性と一緒に歌うので。間のラップの部分は彼が作詞して、作曲もしてくれました。私がハモリを入れたところも、「ちょっとだけ音程怪しいかな」ってところもNenashi君が細かく見てくれて。すっごいプロフェッショナルでした。私も音程とかキーはすごく大事だし、気にしているタイプですけど、Nenashi君はさらにその先を行くプロフェッショナルで。何回も遠隔でオンラインのやり取りをしながら作っていった感じです。
――今回の5曲は、具体的にどのように作っていったんですか?
吉田:曲によりますね。コードから作ったのが半分で、メロディと一緒に作ったり、リフからできたりしたものが半分という感じです。
Lena:歌詞はいつも一番最後ですね。
――歌のメロディは、基本的にどちらが作るんですか?
Lena:基本的には吉田が作って、私が「もうちょっとこうしたらどうかな」っていろいろ言ったりします。でも曲によっては本当に不思議で、一個も変えたくない曲もあるんですよね。そのままでパーフェクト、みたいな。
――1曲目の「Love Me Back」は、気だるくブルージーな感触があります。この曲はどのように作ったんですか?
吉田:この曲はいわゆるクリシェ進行といって、構成音が半音ずつ落ちていくコードが連なっていて、それを繰り返しているだけなんですよ。メロウさは、その半音ずつ落ちていく構成から出ているんですけど、テンポもめちゃくちゃ遅いですよね。気だるさはそこから来ているんでしょうし。半音進行だと、スライド・ギターのキュイーンと伸びるハワイアンみたいな音が、より甘く聴こえるんですよね。そうやってとろけるような雰囲気を出したかった。半音進行とスライド・ギターが機能して、あの気だるさが出ている感じですね。
Lena:歌に関しては、一箇所も何も変えなくてよかった曲です。一発、ワンテイクで録って。めちゃくちゃ歌いやすくて、最初から「こういうふうに歌おう」というのは決めていて、それがハマった感じですね。
■マニアックかつポップという意識
――今回の5曲では、歌詞を書くのに苦労しましたか?
Lena:めちゃくちゃ苦労しました。特にテンポがゆっくりで、ちょっとゴージャスな感じの曲。「Good Life」なんかもそうですけど、そういう曲って、あんまり意味がある歌詞だと直接的すぎて、くどかったり、臭くなったりしてしまうので。意味があるようでないような、聴いている人の捉え方によって、どうとでも捉えられるような歌詞にしたくて。言葉選びにはすごく苦労しました。
――AVOCADO BOYSはマニアックなことをやりながら、最終的にはポップスとして成立させることを意識しているように感じます。
Lena:ありがとうございます。
吉田:ポップス担当がLenaで、マニアック担当が僕なんですけど、Lenaのフィルターを通すことでマニアックさが削がれて、ポップさが残っている感じですね。
――Lenaさんが、ヴォーカリストとして根本的なところで影響を受けたシンガーは?
Lena:AVOCADO BOYSを始めるか始めないかくらいの頃に一番聴いていたのは、エリカ・バドゥさんです。YouTubeにライヴ動画があるんですけど、ピタピタのTシャツにベルボトムを穿いていて、そのファッションも良くて、たぶん何十回と観ました。彼女は歌を絵画のように手で表現したり、動きもすべてがパフォーマンスになっていて。飲み物を飲む仕草だったり、ジャケットを脱ぐ仕草だったり。
――AVOCADO BOYSにも、エリカ・バドゥにも「On & On」という曲がありますよね。
Lena:それはたまたまですね(笑)。
――吉田さんが、アレンジや楽曲制作の面で影響を受けたミュージシャンやプロデューサーは?
吉田:アレンジメントの部分で言うと、精神性はブラック・ミュージックですね。さっき言ったスライ&ザ・ファミリー・ストーンとか、ジェームズ・ブラウンとか。楽曲を作るという意味では、それこそマイケル・フランクスとか、AORのウェルメイドな曲がすごく勉強になりました。ポップスとしてのメロディの美しさは残したいので、コードの種類なんかもそういうところから影響を受けています。あとはやっぱりリズム、ビートはJ・ディラですね。今のちょっと重めのビートは、「AVOCADO BOYSはビートが強い」と、DJの方に言ってもらえたりする。ビートの部分ではスライからJ・ディラ、ディアンジェロもそうですけど、その辺の影響が重なっている感じですね。
――AVOCADO BOYSのアートワークも素敵ですね。
Lena:アートワークのイラストレーターは、Toyamegさんという、とっても可愛らしいイラストを描く方です。旅をして、旅先で個展をして、そのお金でまた旅をするという、とっても自由で面白い方で。アートもすごく素敵なんです。
吉田:直近では、これも偶然なんですけど、Ovallのジャケットもやっているんですよね。origami PRODUCTIONSのNenashi君だったり、Ovallのジャケットだったり、いろいろ重なることがあって。
Lena:チェンマイでNenashi君とToyamegさんが偶然会った写真が送られてきたり。
吉田:今回レコーディングしたスタジオで、たまたまToyamegさんの個展が開かれたりとか。後から考えると活動しているシーンが近かったんだなと思います。Toyamegさんは、『KISS』のアートワークを描いてくれたAICONさんとも友達だったりするんです。AICONさんはちょっと前にXGのオフィシャル・アートもやっていたりします。
■ライヴから生まれたアコースティック・セッション
――今回、5曲すべてのアコースティック・ヴァージョンが収録されています。これはどういう経緯で制作したんですか?
吉田:「アコースティック・セッション」と銘打っているので、基本一発録りなんですよね。
Lena:最近は3人で名古屋でライヴをすることがけっこうあって、いろんなところでアコースティック・ヴァージョンを演奏していたんです。
――普段ライヴでやっている形を、そのまま新録するという自然な流れだったんですね。
Lena:そうですね。ちょうどアコースティックがすごく合う曲たちだったし。自宅の1階で宅録をして、Katie Fordちゃんにもうちに来てもらって一緒に歌ってもらいました。一回、私がレコーディング中にコーヒーを間違って飲んでしまって笑いのツボに入るアクシデントがあって、レコーディングを止めなきゃいけなくなったりしましたけど(笑)。
――Katie Fordさんは名古屋を中心に活動するシンガー・ソングライターですが、お二人から見てどんなアーティストですか?
Lena:Katie Fordちゃん、めちゃくちゃ最高で本当におすすめです。ぜひ聴いてください。ギター1本でもバリバリ活動していますし、バンドもやっているし、いろんな方ともコラボしていて。彼女は声が本当に素敵で、名古屋中探してもあんな素敵な声の人はいないんじゃないかっていうくらい唯一無二です。すごく特徴的なビブラートを持っているんですよね。繊細だけど、強くも歌えるし、どんどん進化してきていて。私はカナダと日本のハーフなんですけど、彼女はオーストラリアと日本のハーフで、境遇は違うけど、共通するところもあって。
吉田:一人で海外に行って、自分でブッキングしてライヴをやるような人で、すごいバイタリティがあって。だから本当に、彼女はこれから大成していくミュージシャンだと思います。彼女の魅力をさらに引き出せるプロデューサーと巡り会ったりできると面白そうですね。
――お二人は名古屋を拠点に活動していますが、いま自分たちの周囲ではどんな面白い動きが起きていますか?
吉田:僕らの活動自体が非常にマイペースになっているので、ちょっと出不精になっちゃっている部分もあるんですけど。それでも僕らの周りで言うと、「casablanca」というお店(3階にはTeTeというカレー屋を併設)があって、そこが文化拠点みたいになっているんです。そこでのライヴを中心にエスニックなジャンルの広がりがあって、ワールド・ミュージック的な流れもある。僕らも店主の方とアフロビート・バンドを組んだりしていて、そういう流れが僕らの周りでは今ちょっと来つつあります。あと、「club(O)Utopos(ウートポス)」という箱が新しくできて、そこに今をときめく人気の若手、それもちょっと尖ったバンドが次から次へとブッキングされている。そのシーンが一番新たな盛り上がりがあるかなと思います。
――今回もさまざまなサポート・メンバーが参加していますが、Katie Fordさんが参加した曲でトランペットを吹いているのは長瀬良司さんですよね。
吉田:ジャズ・トランペッターなんですけど、いわゆるジャズ・プレイヤーにあるトゲトゲしさというか、オレオレ感がない人で。成り上がろうとか、そういうところもなくて、すごく温和なんです。しかもラテンとか、昔の古い音楽のトランペットのアプローチが得意な人です。
――これまでの作品でも、トランペットは長瀬さんが吹いているんですか?
吉田:佐瀬悠輔君に頼んだときもありますけど、8割方は長瀬さんですね。
■AVOCADO BOYSのはじまり
――そもそもAVOCADO BOYSは、異なるバックグラウンドを持つメンバーがどうやって集まったんですか?
Lena:一番最初のきっかけは、吉田とサックスとギターと、今は違いますけどベースの4人で。
吉田:もともと別のインスト・バンドをやっていた仲間がいて、その後に歌モノもやろうという流れになったんです。最初はフェスに出るために、クラブ・ジャズの名曲をバンド・アレンジしていて、パーカッションも含めた大所帯のバンドがまずできたんです。そこから自分たちのオリジナルをやり始めて、そのバンドは解散して、残った人たちで「自分たちで楽しくやろうよ」と。そこに最終的にLenaがヴォーカルとして入ったので、もともとはジャズの演奏家がコレクティブ的に集まって始まった感じですね。
Lena:最初に「AVOCADO BOYSです」と名乗って演奏したのは、結婚式の営業だったんですよね。そのとき私はまだ入っていなくて、インスト・バンドとして演奏していた。その1カ月後くらいに「AVOCADO BOYSっていうバンドを始めたんだよね」という話を聞いて、「それってヴォーカルとかいらない?」って私が頭を下げて入れてもらったのがきっかけです。AVOCADO BOYSはメンズしかいなかったので、後から女性がひとり入ったという形です。
――Lenaさんがヴォーカルとして加わったことで、バンドはどう変わりましたか?
Lena:その時点では始まって1カ月くらいしか経っていなかったので、まだオリジナル曲があったわけでもなかったんです。ただ、みんなはずっと音楽をやってきている人たちで、私はあまりやってきていなかったので、最初のスタジオはすごく緊張しました。ブレイクやフィルの話とかも全然わからなくて、ついていけなくて。すごく緊張したのを覚えています。
――2022年の「Woman」では、ウータン・クランに関わるプロデューサー=4th Discipleがエンジニアとして参加しています。これはどのように実現したんですか?
Lena:名古屋のライヴ・ハウスで知り合ったPaulie Rhymeっていうラッパーがいて、いろんなところですれ違っていたんです。「ヤッホー」って喋っていたら、「実はウータン・クランのプロデューサーと知り合いなんだ」って。「曲のミックスとかするんだよ」という話を聞いて、「つなげてくれたりする?」って聞いてみたら、本当につないでくれて。快くOKしていただいて、アメリカと日本でやり取りして、Zoomでいろいろ話しながら進めていきました。
――実際にミックスをやり取りしてみて、どう感じました?
吉田:ヒップホップのミックスとバンドのミックスって、そもそもの手法が違うんですよね。
Lena:トラックの数にすっごいびっくりしてたね。
吉田:僕らはバンドだから、ラップとビートだけでなくて、ギターもあれば鍵盤もあるし、サックスとかいろいろある。ただ、最初はキックの音がすごく大きくて(笑)。でも最終的にはかっこいいミックスになったし、とてもいい経験でした。
■レイドバックからラテンのムードへ
――これまでさまざまな人と制作してきたなかで、特に印象的な経験はありますか?
吉田:それぞれにありますね。前の『KISS』というミニ・アルバムでは、当時、中村佳穂バンドにいたMASAHIRO KITAGAWAさんというエンジニアの方と一緒に作って。そこで音へのこだわりというか、「楽曲制作とは?」というところで、Lenaが主に相当鍛えられた感じですね。毎日通ってレコーディングして。
Lena:1回、叫びながら起きたことがあります(笑)。
吉田:僕らの何歩も先を行っているミュージシャンから、成長させてもらう経験が多かったと思うんです。もう一つ前の『Squeeze』を作ったときも、中村佳穂バンドでドラムをやっていた深谷雄一君が、そのとき僕らのメンバーだったんです。レコーディングでも、トップ・ミュージシャンとしての知見を出してくれて。そういう経験をしながら、「これくらいのクオリティがないとダメなんだ」とか、逆に「ここまで満たしていればリリース作品として充分なんだ」とか、そういうことを学んでいきました。まだ配信がここまで浸透していなくて、CD文化が今より残っていた頃だったので、自分たちで配信するときにどれくらいのクオリティならいいのか、その物差し自体がなかったんです。だからリリースするごとに知見をもらって。今はセルフ・プロデュースで配信する人もたくさんいますけど、僕らはその辺を体当たりで学んできた感じですね。
――そう考えると、今回の5曲と新録のアコースティック・セッションは、自分たちの中で完結させて作ることができた作品集とも言えますね。
吉田:おっしゃる通りですね。今回はミックスも自分でやっているんですよ。マスタリングだけはorigami PRODUCTIONSのスタジオにお願いしました。一つ前の作品のミックスで、「もうちょっとこうしたいな」というところが少しあって。今回はそこをわがままに、自分たちのやりたいようにやりました。1から10まで自分たちでやったというのは、今回が初めてかもしれないですね。
――さまざまな経験を経て、今回の作品で一つの地点に辿り着いたわけですね。すでに次の作品やライヴの計画もありますか?
吉田:あります。もうすでに5曲、楽曲が完成しつつあって、配信だったりフィジカルだったりのリリースを検討中です。次は今回のアルバムのリラックスした、レイドバックしたムードよりも、ラテンの要素もあって、テンポが速くてアップリフティングな曲が揃っています。
Lena:スーパーボウルのハーフタイムショーのバッド・バニーに感化されたり(笑)。
吉田:あれ最高でしたよね。
――ライヴについて、現時点で決まっている予定はありますか?
Lena:今のところ決まっているのは、9月26日のタワレコのインストアですね。ぜひ遊びに来てください!
◆LIVE INFORMATION◆

AVOCADO BOYS Trio
with Katie Ford
LP”Sweet Cider”発売記念
インストアミニライブ&サイン会
SPECIAL GUEST:Nenashi
日時:2026年9月26日(土) 14時30分~
会場:タワーレコード名古屋パルコ店内イベントスペース
※入場無料

