4月8日(水)に関東を拠点とするアジャテと関西を拠点とするセパタクロウによる、世界でも類をみないアフロ・グルーヴ・バンドのスプリット10インチ・シングルが発売された。
記念すべきスプリットの発売を記念して、それぞれのメンバーによる「私を構成する9枚」を本人のコメントを添えてお届けする。
ラストを飾る第4回目の今回は、セパタクロウからギタリストのヒロシ、アジャテからはシンガー/コーラス、竹のげんちゃん(佐藤幸夫)が登場。セパタクロウの特色である独特の音像を構成している2人のギタリストの一翼を担う玉木と、アジャテがアジャテたる上で欠かせない竹と、骨太でメロディアスな歌声を受け持つげんちゃんが、それぞれ影響を受け、現在進行形で受けている9枚を選んでくれた。ぜひとも音源を聴きながらテキストを読んでみて欲しい。
Text:ヒロシ&げんちゃん(佐藤幸夫)
構成:森崎昌太
▼第一弾はこちら(竹内洋一×ジョンいまえだ)▼

▼第二弾はこちら(マグナム×キクリン)▼

▼第三弾はこちら(小川祐矢×PEPPERMINT U)▼

●ヒロシ (STEPAK TAKRAW=セパタクロウ / Gt.)


●SOUTHERN ALL STARS and ALL STARS / 稲村ジェーン
自分の音楽の始まりは、どういう経緯で知ったかはもう覚えていませんが、小6の時に親に買ってもらったサザンの「稲村ジェーン」です。「アーミピーターテージコー」とカタカナでラテン語を書き出し、よく家で歌っていました(笑)。普段テレビなどや音楽の授業で流れる楽曲と比べると明らかに異彩を放っており、ラテン調の展開が珍しかったのでしょうかね。その後、サザンオールスターズ自体が好きになり、友人と当時発売された「世に万葉の花が咲くなり」の話題でよく盛り上がったのを覚えています。きっかけとなった、まさに私を構成する9枚の入り口はこの1枚です。
●BOΦWY / LAST GIGS
スピッツやTRF、ミスチルなどで思春期を謳歌していた自分に転機が訪れたのは、年上の従兄弟(現:CABERET、REAL THING / クンビア商店)にギターの魅力を教えてもらった時でした。そこから無我夢中で家にあったフォーク・ギターでタブ譜を弾くことになりました。世代的にBOΦWYのピークは過ぎていましたが、LAST GIGSのダビングを何度も聴いて完コピを目標に明け暮れた、そんな一枚です。そこには弾けるようになる達成感と、シェアできる楽しさがあり、のめり込んだのを覚えています。
●The Red Hot Chili Peppers / One Hot Minute
ミクスチャーと言う開かれた言葉に出会いました。高校生だった自分にとって、それは未知への解放を意味しました。カッコ良けりゃいいんだと。で、リリースのタイミングもこの頃だったか結局、レッチリの『ONE HOT MINUTE』です。いろいろ多く語られる評価が当時の自分にも当てはまり、擦り切れるくらいに聴きましたが、この『ONE HOT MINUTE』が入りだった僕にとって、個人的にはジョン・フルシアンテよりデイブ・ナヴァロ派かもしれません。他ももちろん大好きですが。
●Sly and The Family Stone / Fresh
レッチリからスティービー・ワンダーを知り、この頃からブラック・ミュージックを聴くようになりました。何かのオムニバスを聴く中でびっくりした曲がスライの’IN TIME’でした。どうやって作ってんの?的な。それぞれの音と音の隙間に音を入れて流れを繋いでいく感じに深く衝撃を受けた記憶があります。よくよく聴くと他の当時のサウンドはそういったものが多くあり、各曲のグルーヴ感の仕上がり方を聴くのが楽しくなったことを覚えています。音楽の聴き方が変わる感じがしましたね。
●The JB’S / Doing It To Death
調べていませんが、もっぱら計算されたグルーヴ感を感じたのが、このJB’s。JBという中心がいて全て彼から合図で展開が動く。この感じもまたカッコいい。合図を出す者、合図でパシっと切り替わる演奏隊、両方ともに感銘を受けました。音源を聴くだけでは収まらず、当時、まだ大阪で活動していた「オオサカ=モノレール」のライブをよく観に行ったものです(笑)。生前のJBの日本公演も2回ほど行きましたが、年齢やメンバーが違うこともあり、音源のようなキレッキレな感じは未堪能でした。。ただ歴史を見ている感じはすごいパワーでした!。
●Donny Hathaway / Live
‘What’s Going On’から始まる曲順も好きでした。2曲目の’The Ghetto’に感動した人は僕の他にもたくさんいると思いますが、この曲を繰り返し聴いていました。多分、ライブの会場録音が好きなんでしょうね。オーディエンスの空気も相まった臨場感にいつもグッと感動してきました。曲の伴奏で何が始まるかわかれば会場が湧く、少しずつオーディエンスのクラップが大きくなってくる、やがて会場が一つになる、みたいな録音のされ方が非常に好きでした。序章みたいなところから含めるとすごく長いですが、全然聴いていられました。
●Raúl Midón / State Of Mind
『State Of Mind』も非常によく聴いていたアルバムの一枚です。独特な奏法と太く心地の良いメロディ・ライン、全部一人でやってのけるラウル・ミドンのマルチさと、内なる力っぽいものを感じました。ライブにも行きましたが、本当に一人なんです。アルバムからも感じるものでしたが、超越した力?センス?才能?努力?エネルギー?何かわからないですが、全身で浴びさせていただきました。貴重な時間でした。
●FELA Ransome Kuti & Africa 70 / Expensive Shit
自身でCDやレコードをすっかり買わなくなってしまい、何がいつリリースされて、などの情報が入っていない僕にとって、周りの仲間によりいろいろ音楽情報をもらってはや四半世紀。その中で入ってきた情報で’Water No Get Enemy’や’Zombie’がありました。聞けばアフロビートという自分にとっての新ジャンル。しかし、先述したライブ感や、また全く新しい歌い方、指揮統制、エネルギッシュさ、曲構成、編成などにぐんぐんと興味が湧きました。曲名こそしっかり覚えていませんが、様々なフェラ・クティの曲や、他のアフロビートのバンド演奏を聴くきっかけになりました。これが今の活動に大きく影響しています。
●Bobby McFerrin & Chick Corea / Play
最近、といってもここ1年くらいですがボビー・マクファーリンという人を知り、べったり聴いていた時期があります。楽器を使わずボイスのみでお客さんの前に一人でエンターテイメントを展開する力に驚きました。で、また声もいいですし、曲?というか展開が楽しく、今の時代だとデジタルでなんとでもできるかもしれませんが、一人で、アナログでのライブ・パフォーマンスに釘付けになりました。僕はそういう部分を見せられると非常に弱いんだと思います。
