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【オブトロピーク対談連載】エキゾチカをめぐる冒険 #5 / エチオ・ジャズの残像、クンビアの果て。”実体のない”トロピカル・ミュージックの正体 / moe(民謡クルセイダーズ)× 近藤哲平(オブトロピーク)

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——今回のmoeさんをフィーチャーした曲「Joy Joy」(A面最後に収録)ですが、フレーズもアラビックというか、オリエンタルな感じがありますよね。あれはやろうと思って出したんですか?

moe

あれは私は、エチオ・ジャズかと思って。

近藤哲平

エチオ・ジャズ。そこは多分せめぎ合いがあってけっこう引き戻した。エチオ・ジャズっぽくなっちゃうと、それはエチオ・ジャズを模倣したものになっちゃうから。

——引き戻すというのは?

近藤哲平

ちょっとよくわかんないのがいいなと思って。エチオ・ジャズっぽくなるところは全部カットした。

moe

けっこう「こっち(のテイク)を選ぶんだ」っていうのはありましたね。

近藤哲平

そのせめぎ合いがあのエキゾ感になったんでしょうね。あの曲の成り立ちで言えば、北尾亘っていうダンサーの公演で演奏するために書いた曲で、その時のオーダーもあって、ディック・エル・デマシアード(=Dick El Demasiado)を意識して作り始めました。クンビアのレジェンドみたいな人。もともとクンビアの外れみたいなイメージで作ったんだけど、なんでこうなったのかはわからない。

moe

でも怪しげな匂いは感じ取ったんだと思うんです、私。怪しい方に行っていいのかな、許容されそうだな、これならって。

近藤哲平

今回、別にこれやってとかオーダーしなかったでしょ? 適当にやって、みたいな。

moe

任せますって言われて、やっていいんだ、いいねと思って。多重録音できるっていうことで、じゃあいろいろ用意しようかなって。

近藤哲平

「まだ重ねるの?」と思ったけどね(笑)。ミックスするの僕なので。

moe

いいよって言ってたじゃん(笑)。でも、出来上がったのを聴いてすごく嬉しいなと思いました。

——改めて聴いてみると、「これ何の音が鳴ってるんだろう?」って思うくらい、いっぱい色んな音が録音されてますよね。あれは素晴らしいですね。

近藤哲平

moeちゃんのプレイって、すごく印象に残るよね。本物感があるというか、本物のヤバい人感がある。

moe

何もわかってないですけど。

近藤哲平

本物の、現地の方みたいな。どこの現地かわかんないけど。

——本物の胡散くさい人。

moe

胡散くさい人、それはもう(笑)。

近藤哲平

今回いろんな人を呼んだのは、真面目な話、自分が聴きたい人とか、いいなって思っている人をこの機会に音源にしたいなっていう。moeちゃんも民クルの中でとてもいいスパイスになっているけど、その人のプレイをもっと聴きたいと思うから。1曲通して、僕が好きな部分がすごく詰まっていると思う。

moe

そう言ってくれるので、ちゃんと活動しなきゃなっていう気分には若干なります。

近藤哲平

だからLPの予約特典1の曲も作ったんです。カズマくん(小関一馬)も、元バンデラスだけど、現在進行形のバンドの音源はないから。みんな予約して2枚買ったほうがいいですよ、自分用とプレゼント用で。

——5月発売だと、何のお祝いになりますかね。

近藤哲平

何もないけど、そういうなんでもない時にもらうプレゼントが一番嬉しいから。

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